もし、「いい願書」の条件を1つあげるとしたら、志望理由や家庭の教育方針、子どもの長所短所などに質問材料が盛り込んであることです。さっと一読して、さて、この保護者には何を聞いたらいいかわからない‥‥という願書は「いい願書」とは言えません。以下は、ある願書(志望理由)からの抜粋です。
「私どもは、時の経過とともに蒸発してしまうような知識のつめこみだけはさせたくない、自分の頭で思考し、判断する力や未知なるものへの知りたいという欲求を大事にしたいと考えております。今、子どもは自然科学的な事柄に大変興味をもっており、親子で○○の博物館へ行ったり、簡単なキットを使った実験をしてみたりと体験的な教育を心がけております」
この志望理由を読んだ面接官が聞きたいことは、やはり「○○」の部分でしょう。「なぜ○○に興味をもちましたか」と質問されることが事前にわかっていれば、面接の一問一答を確実にリードできます。次に何を聞かれるかわからないという不安がまったくないだけでなく、自分に有利な方向に面接を誘導できます。ちなみに、この「○○」は、たまたま面接官も関心をもっていて、面接は「○○」の話題が中心になったようです。
わが子の長所短所欄に「円周率が言えます」と書いた保護者に対して、面接官は、「そんなことが自慢になると本当に考えていますか」と両親をたしなめたようです。読者が面接官であったら、たぶん、この面接官と同じことを言ったと思います。円周率が言えたぐらいですから、ペーパーの成績はよかったと思いますが、残念ながら、不合格でした。
志望理由欄に家系図を書いた保護者がいます。志望理由というのは、志望校の教育方針+家庭の教育方針の一致というパターンが大半ですから、事前に願書に目を通していた面接官は、「手ぐすねをひいて待っていた」と思います。まさか、この保護者に対して、「本校のどんなところに興味関心をもちましたか」とは聞かないでしょう。わが家の家系はこうだから、御校に志願したという図式にムリがなければいいアイデアです。
「1歳のときからスイミングスクールに通っていて、現在は小学校4年生レベル」と書いてあれば、やはり面接官の興味を引くでしょう。「2歳のときから茶道を教える祖母の下に週2回通わせました」とあれば、その子の立ち居振る舞いに関心が向くでしょう。
願書に質問材料が盛り込んであるかどうか、面接官の立場になって見直してみてください。ここは聞かれそうだと思ったら、その質問に対してどう答えるかを準備してください。その答えた内容に志望校の教育方針を結びつけることができたらベストです。志望校の教育方針と家庭の教育方針との一致点は、面接で補足すればいいのです。
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