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            精神年齢を高めることが合格への近道です

                        AO幼児教室 阿尾祐子さん





168-0063 東京都杉並区和泉3-5-2 三河屋ビル
電話 03-3327-9119
http://www.ao-juken.com/





●ペーパーは100点をとろうとしなくてもいい

――入学後に糸の切れた凧のようになってしまう子が少なくないと聞いていますが‥‥。
阿尾 ええ、そういう話をよく聞きます。
――なぜだと思いますか。
阿尾 お母さんもお子さんも「合格」が大きな目的になってしまっていますから、入試を終えて少し気が緩んだということがあると思います。

──厳しい受験指導の弊害を指摘する先生も少なくないようです。
阿尾 たしかに難関なペーパー指導も一因になっていると思います。ペーパーテストを重視する学校もありますから、そうした学校を受験するのであれば、当然ペーパー対策は必要です。しかし、ペーパー対策については100点をとろうとしなくてもいいんです。一定以上のレベルに達しているか、話がきちんと聞ける子どもかどうかを見られますので、大量の市販の問題集を買いそろえてまで勉強させる必要はないと思います。ペーパーを家で学習することで親子のコミュニケーションが図れればそれに越したことない、というくらいに考えてちょうどよいのではないかと思います。

――お母さん方は熱心ですから、プラス面より弊害のほうが心配ですね。
阿尾 ええ。私どもの教室では、週1回、2時間のうち1時間がペーパーです。ご家庭では、その日に学習したペーパーと同じものと類似問題、復習の問題を合わせて7枚くらい勉強するようお願いしています。それをやっていただければ、曉星小学校のようなペーパー難関校は別として、その他のペーパー校なら対応できると思っています。ペーパーの勉強よりも、基本的な生活習慣がしっかり身に付いているかどうかのチェックがとても重要です。

●自分がどうしなければいけないかを考えさせることが大切です

――家でペーパーを勉強させるとき、どれくらいの時間が適当ですか。
阿尾 平均して30分ほどでいいと思います。入試でもペーパーテストは15分〜20分で終ります。早いところで10分です。基本的な問題が確実にできれば十分だと思います。問題は10分〜15分間集中できるかですね。

――どうすれば集中できますか?
阿尾 基本をきちんと身につけて、子どもたちに自覚をもたせることです。子どもが試験を受けるときは、「こうするのよ、ああするのよ」とお父様やお母様にいろいろ言われるわけじゃないですか(笑)。それを、ただハイハイと聞くだけでなく、自分がどうしなければいけないかを考えさせることが大切です。

試験会場で、はしゃいだり走り回ったりする子がいますが、こういう子は「場の空気」を読めないんですね。子どもらしくないと言われたらそうかもしれませんけど、静かにしていなければいけないときは静かにしていなければいけません。「精神年齢が高い子は受験に合格しますよ」といつもお母様方に申し上げていますが、私がお母さんとお話しているときに、お母さんお母さんと手をひっぱっている間は合格はむずかしいのです。先生と大事なお話をしているから少し静かにして待っていてねと言って、静かに待てるようになれば、大丈夫です。受験されるお母様たちは、こうした点を踏まえて、毎日の生活を送っていただければよいと思います。

――他人の子育ては、過保護か過干渉かはわかりやすいんですが、自分のことになるとわかりにくいものですね。
阿尾 ええ。それを指摘してくれるのが塾だと思いますよ(笑)。
──自分の子育ては過保護かどうか、自分でチェックする方法はありますか。
阿尾 自分の子育てはこれでいいのだろうかと疑問を持つお母さんは大丈夫です。育児を本通りにやってみたり、本の通りにならないとパニックになってしまうようなお母さんは危険ですよね。でも、そういうお母さんが少なくないのが現実です。ですから、幼児教室というのは、受験のお手伝いだけじゃなく、子育ての支援も大事な役割だと思っています。

●受験準備のための教室は一つにしぼったほうがいい

──子どもの様子がおかしくなるのはどんな場合に多いですか?
阿尾 掛け持ちで塾に通っている子どもさんがいますが、やはり習い事の負担が大きくてストレスを抱えてしまうケースが多いですね。事前に、おっしゃっていただいていればいいんですけど、やはりおっしゃりにくいようです(笑)。でも、できるだけオープンにして下さいとお願いしています。前もってわかっていれば、もし、お子さんが具合悪くなったときにはすぐ手を打てます。習い事の一つを休ませたほうがいいという場合、うちを休んでもかまいませんからと言ってあります(笑)。

――お子さんを見ればすぐわかりますか。
阿尾 ええ。すぐわかります。落ち着きがなくなるとか、投げやりな態度を示したり、トイレが近くなったり、ひどいときにはチック症状が出ます。少し様子が変だなと思ってお聞きすると、実は、体操教室に通わせているけれど、授業が厳しくて、帰りはいつも泣いていると‥‥。

――習い事の掛け持ちは子どもには負担が大きすぎますか?
阿尾 一概にはそうは言えません。子どもさんにもよると思いますが、受験準備のための教室であれば、なるべく一つに絞ったほうがよいと思います。教え方も先生によって微妙に違うので混乱してしまうことがあります。ですから、入室に際しては、できる限りお伺いするようにしています。お稽古は何をされているか。月曜日は? 火曜日は?と、失礼とは思うんですけれど‥‥。ほとんどがバレーとか英語とか、いくつかの塾に通っていますね。

でも、このままですと、受験までにお子さんがパンクしてしまうなとわかります。ただ、お子さんが励みになっているものがあればプラスなんですよ。大好きで、それがあるからなんでも頑張るというのは続けたほうがいいんです。嫌々ながらつれられて‥‥というのでは、お母さんもお子さんも受験までもちません。お稽古ごとよりも生活の基盤をきちっとしてあげることが先決です。

●幼児教室にもいろいろなカラーがある

――生活の基盤を整えるとは、どういうことですか?
阿尾 自分の身の回りのことができるように、うまくお子さんをリードしてあげることです。ペーパーの学習の必要ですが、そちらのほうが大切です。年齢によっていろいろ無理なこともあります。1、2歳の子に洋服を一人で着ましょうといっても無理ですが、幼稚園に入る段階では自分で着替えられるようにしておかなければいけません。お母さんが忍耐強く待ち、ほめて楽しくできるようにする。ほめるだけでなく、お母さんが見本をみせてあげることも必要です。

さきほど、あるお母さんが待合室のテーブルの上を片づけようとしていましたから、それは私がいたしますからと申し上げたら、片づけるところを子どもに見せたいとおっしゃっていました。こういう姿勢のお母さんでないと、お子さんのしつけはむずかしいと思います。

はじめて教室にいらっしゃったときに、スパルタ指導をご希望でしたら、こちらは違いますよと申し上げています。また、ほかの教室を見ていらっしゃいましたかとお聞きして、こちらだけですと答えられた方には、ほかの教室もご覧になってから決めたらいかがですかと。

――なぜですか?
阿尾 幼児教室にも小学校と同じようにいろいろなカラーがあると思います。これから最低一年間通われるわけですから、こんなはずじゃなかったと辞めていただきたくないのです。他も見て、よく考えてから決めていただきたいのです。

それでもお入りになる方もいらっしゃいますが、それはそれで、たぶん、私との相性みたいなものがあるのだろうと思っています(笑)。最近ではインターネットを見ていらっしゃる方が多いですね。今日も何件のお問い合わせがありました。資料請求ではなくて、授業体験をご希望でした。ホームページからもいろいろなことがおわかりになると思いますが、やはりお母様とお子さんにお会いして、授業を受けていただいたり、お話をさせていただくのが一番よいと思っております。

●幼児のころから教えてあげておきたいこと

――校長先生方に話を聞くと、6歳らしく普通に育っていればいいと言います。問題は「普通」の中身ですね。
阿尾 ええ、その「普通」がむずかしいんです。「普通」の教育が後回しで、知的訓練が先だと思っていらっしゃる方もいます。先ほど申し上げたように、知能教育の前に、もっとやるべきことがたくさんあります。3歳くらいになれば、服は自分で着られる、脱いだ靴はそろえられる、椅子を中に入れて立ちましょうとか‥‥。

ここの年長さんでも、最初はトイレに行くときに勝手にさあっといなくなってしまうんです。授業中だったら、手をあげて「先生トイレ行っていいですか」と聞くことが大事ですよね。それができることが受験対策に全部繋がっていきます。家に帰っても、「お母さんトイレに行ってきます」って言った子がいるそうです(笑)。でも、今まで見過ごしてきたことなので大切なことだと思いました、とおっしゃってくださったのでうれしく思っています。

どういうときに、どんな言葉遣いをしたらいいのか、どういう態度をとればいいのか、それを教えるのが、幼児教室の大切な仕事だと思っています。ペーパーは教え方がわかればお母さんが教えることは可能です。こんなにいいペーパーワークがたくさん本屋さんに出ているんですから。

しかし、先生のお話をきちんと聞けるか、指示の意味が理解できるか、お友達のことを認めてあげられるか、こういったことが大事なんですね。お友だちの絵を見て、ヘンなのとか、花マルまだもらってないのとか、そういうことを言ってはいけない。お友達をほめてあげるのはいいことなの。認めてあげれば、今度はあなたが認められるのよ‥‥。むずかしいことかもしれませんけれど、幼児のころからこうしたことを教えてあげないと、合格はもとより、小学校にあがってからはむずかしいのです。

●精神年齢が高くなるとぺーパーもできるようになります

――先生の言うことをきかないときは子どもを叱りますか。
阿尾 ええ。高いところに登って危ないとか、危ないよと注意しているのに私の言うことを聞かなければ、お尻を叩くこともあります(笑)。親御さんには、言うことを聞かないときはお尻を叩きますと言ってあります。でも親以外の大人から叩かれるまで態度を改めないというのは困ります(笑)。

3回くらい注意しても言うことをきかない子は最近結構多いですね。去年の軽井沢合宿(2泊3日)などはかなり大変でした。叱られても大したことじゃないと思っている。危険なことだったり、他のお友だちに迷惑かけていてもわからない。「何で叱られると思ってるの!」と言って本気で叱りました。でも、合宿から帰ってきてから、そうした子どもたちがとても変わりました。

――親は叱らないんですか?
阿尾 お聞きしている限りでは、そんなことはないと思います。一人っ子の場合、集団の中で我が子がどんな行動をとるか、お母さんにはわからないのかもしれません。きょうだいがいても上の子と年齢が離れている子も同じですね。

喧嘩してもおにいちゃんが叱られるから、ちょっとくらいのいたずらや我が儘なら大目に見てもらえると思っている。それが集団になったときに、みんなに大変な迷惑をかけているわけですよね。それがわかってないんです。私どもの合宿指導は2泊3日です。例年、軽井沢に行っています。同行する先生は6〜7人です。

――しつけ、マナーも教えているんですか。
阿尾 まあ、幼児教室でできることとできないことがあります。ご家庭で生活の基本をきちんと教えていただいて、幼児教室のような場できちんとできているどうか確認していただければよいと思っています。

ある学校の入試で子どもにサンドイッチを食べさせました。ポテトサラダとジャムのサンドイッチです。サラダの中にグリンピースや人参が入っていたりするんです。それを食べられない子もいます。嫌いなものは無理に食べなくてもいいんですが、学校側がみたかったのは、子どもの対応です。

黙って残すか、食べられないと言って泣くか、食べられるものだけ食べて、後は知らんぷりか、食べる前に、先生に食べられませんと告げるか‥‥いろいろありますね。

私どもでも、合宿の前に好き嫌いはありますかと聞くと、うちの子は、好き嫌いがほとんどありませんと、みなさんおっしゃるんですが、合宿では「これ嫌い!」(笑)。

食事をする前に子どもたちに言っておきます。嫌いなものがあっても嫌いと言わないこと、食べられるものから食べて、最後に、手をあげて先生を呼んで、これは食べられないんですけどどうしたらいいですか、残していいですかと聞きなさいと。

このように指導するとと、「嫌い!」と言わなくなります。この野菜を作ってくれた人のことを考えようね。種をまいて、水やりをして、肥料をあげて、強い風でも倒れないように支柱を立てて、そういうふうにして大事に大事に育てて収穫したものなんだから、できるだけ食べるようにしましょう。どうしても食べられないようなら言いなさいと‥‥。そうしたら今回は一人も好き嫌いを言わなかったですね。これも一つのマナーですね。

――家庭ではそうした躾をなぜできないんでしょう。
阿尾 集団だからできるんでしょう。でも、一人っ子だと、我慢しなくてもいいですからね。今年の合宿でも、こういうことがありました。ジュースをどうしても飲みたがった子がいました。「100円ちょうだい」「ジュースを飲みたい」「僕だけ買って」とずっと言い続けた(笑)。でも、みんな麦茶を持ってきたんだから、それを飲みなさい。飲みたくないんだったら、無理に飲まなくていいよと‥‥。

結局、最後はみんなと同じ物を飲みましたけれど、そういうところが我慢できないですね。この子にとって教えなければいけないのはこういうことだったんだということがわかりますね。普段の授業ではわかりませんから。

――我慢ができる、騒いではいけないところでは騒がない。そういうことがきちんとできるようになるとぺーパーのほうもできるようになるんですか。
阿尾 ええ、できるようになるんですよ。落ち着きが出ますし‥‥。ですからね、精神年齢を高めることが合格への近道ともいえます。
――ありがとうございました。



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