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その子の長所を見抜き、自信を伸ばし、輝かせる。
合格はその結果です。

慶応会理事長
山岸顕司さん



慶応会
164-0003 中野区東中野1-56-803-3363-7951
http://www.keiokai.com






――授業が始まったとたん、生徒の皆さんの顔つきが変わりましたね。やる気満々目が輝き、よく集中していますね。
山岸 しつけはご家庭の仕事ですという教室も少なくないらしいのですが、私どもの場合、授業はピシッと姿勢を正して集中する、子どもらしく元気に楽しむときは楽しむ、集中すべきときは集中する、静かに姿勢をよくする必要があるときはきちんとする、そういうTPOを考える力、自分の行動をコントロールする心の強さを、授業中、ペーパーや制作や運動を通して子ども達は身につけているのです。

例年7月から9月にかけて講習会を開くと、よその教室から参加した子どものお母さま方が、慶応会の子どもたちののびのびとした表情とともに、しつけのよさにびっくりしたという話をよく聞きます。しかし、しつけを厳しくしているというより、けじめのメリハリがつくように子どもの心に魂を入れる指導の成果だと思います。

ペーパーより行動観察系のテストに重点をおく学校が増えたとよくいわれていますが、何も隣の子とケンカしたり、先生の指示を聞かなかったりする子のチェックだけではないのてす。行動観察系のテストの場合、事前に練習できるようなことはさせません。そうすると、インプットされただけの子どもは、つまり状況判断力のない子は、経験していない場面に出くわすと足がすくんでしまう場合が多いのです。

ですから、行動観察系のテストが増えたということは、子どもたちの地の姿をみたいという狙いもありますが、自分でケジメのスイッチをオンに切り替えられるかどうか、場を弁えて行動することができる子かどうか、自分の考えも主張できるし、人の話も聞けるし、協力して問題を解決することができる子かどうかを見たいということです。ですから、単に、しつけを厳しくして「指示通りできるだけ」ではダメなのです。

●合格する子のタイプが変わってきた

――20年度の入試をふり返って、何か変わったことはありますか?
山岸 20年度入試で急にという変化ではありませんが、近年の傾向として、基礎力を踏まえた上での行動観察を重視する学校が増えています。別の観点では、ある国立大、有名私大への合格実績の高い学校ですが、優秀な子を集めるだけでなく、親に対しても、わが子の教育にどれくらい熱心かを、面接の際にチェックするというケースが目立って増えています。本腰を入れて優秀な子、教育熱心な家庭の確保に乗り出したという印象です。そういう学校側の微妙な変化をキャッチしておかないと、こんなはずじゃなかったということになりかねません。

――過去問の対策では足下をすくわれることもあると‥‥。
山岸 ええ。そういうことです。それから、もう一つ、注目したいことは、各校とも、学校のことをよく研究しているかどうかを重視する傾向が強まっています。学校説明会や学校行事に参加していないという場合は、たとえ子どもの成績が合格ラインに達していたとしても、「うちのタイプじゃない」という理由で不合格になる場合もあります。

テストの成績さえよければ合格するというわけにはいかないのです。学校のことをどれだけ理解できているか、これが合否を決める際の重要なモノサシになっているということをよく知っておいたほうがいいでしょう。私学志向が高まっていることから、つまり買い手市場になっていますから、学校の教育方針を本当に理解してくれる家庭の子どもがほしいということです。
 
●慶應幼稚舎に合格した子の共通点は「メリハリ」と「わきまえ」

──慶応会では、毎年約50名中20人前後を慶應幼稚舎と早実に合格させているようですが、幼稚舎に合格した子の共通点は何ですか。
山岸 男子合格者はケジメとメリハリのある行動をする知的な子、リーダーシップがとれる子が多かったです。女子は頭がよく感受性が豊かな子たちでした。たとえば、模擬テストの行動観察で、音を聞かせて何の音かを答えさせるという場合でも、この子たちは、どんな音が聞こえてくるのかと目を輝かせたり、表情がとてもイキイキしているんですよ。知的な表情や反応のすばらしさに思わず見とれてしまうほどです(笑)。

知的好奇心を育てるためには、知的なことに取り組んで、楽しかった、わかった、うれしいといった経験を積むことが大切です。慶応会ではお子さんが小さな成功体験を多くできるよう工夫します。その結果、「もっとやりたい!」という思考回路が脳内ででき上がっていきます。お子さんに自信をもってもらうためにも、私たちが見抜いたお子さんの長所はお母様にもどんどん伝えます。そういう子は言葉にも表情にも行動にも、すべてにメリハリがあるんですね。たぶんご家庭の教育でも、ほめる、教える、叱るといった躾にメリハリがあると思います。

行動面でケジメがつく子は幼児教室へ来ても伸びが早いですね。ここはあらたまった席だからキチンとわきまえた行動をしょうとか、この時間は集中しなければいけないといったことが自然と身についています。躾については、お子さんは理解する力をもっていますから叱る必要はありません。きちんと教えて理解させることを根気良く繰り返すことです。

それに、お子さんを適切に躾けているご家庭というのは、やはり3歳くらいまでの間に楽しい経験やうれしいことをたくさん経験させています。笑顔が輝いている子どもは文句なしに魅力的です。そして場に応じたわきまえができれば大人は目を見張ります。楽しいことと躾やケジメはワンセットだと思います。

――いつの時代でも、合格する子の必須条件はありますか。
山岸 やはりバランスよく知・徳・体の基礎力があるお子さんは複数の学校から合格通知をいただいています。
――基礎力とはどういうものですか。
山岸 知育面のことだけでなく、生活経験が豊富で年齢相応に自立しているということでしょうか。そのためには過保護にせず、なんでも経験させることです。家庭ではプラス1歳の生活能力、精神年齢、運動能力が身に付くように毎日の生活を充実させて欲しいと思います。また、大事なことですが、慶應に限らず入試の内容というものは突然変わることがあります。学校も発展するために、毎年入試を見直し、いい子が欲しいと願っています。ですから、過去のデータや志望校の対策も大切ですが、その土台となるバランスの良い基礎力が大切なのです。

●個人別指導歴の積み重ねが合格に結びつく

──こちらでは、子ども一人ひとりの性格、能力などを分析した上で指導プログラムを立てているようですね。
山岸 ええ。
――教室独自の模擬テストを実施されているようですが、志望校への合格の確率は予測できますか?
山岸 私どもの模擬テストはペーパーだけでなく集団行動、制作、絵画、子どもだけの面接を含んだテストです。過去15年間のデータだけでも、主要校については、この模擬テストの結果によって合格の可能性はほぼわかります。たとえば、慶應幼稚舎を例にとると、男子では57〜58点以上、女子では72〜73点以上の成績をとらないと合格はむずかしいのが実際です。

――模擬テストによって、各分野の得意不得意がはっきりしますね。
山岸 ええ。私たちが得意なことは、苦手なことが克服できるようにする特別プログラムと個人レッスンです。たとえばペーパーで伸び悩んでいるけれども感受性の豊かなお子さんには「アートアカデミー教室」で絵画制作を飛び抜けて得意にしてあげることができますし、さらに個人レッスンでは、巧緻性が苦手の子には技術を指導しながら制作の楽しさを教えてあげるとか、頭は良いのに表情がぱっとせず暗い印象の子にはリトミックや身体表現で、わっと心を解放するような指導をするなど、その子のためだけのプログラムを開発して個人レッスンを行うことも多いです。

また模擬テストの結果をクラスレッスンでの指導にフィードバックするので、個人別に得意不得意は何か、不得意なジャンルについては、その後の指導でどの程度改善されているかなどがわかります。1人の子どものテスト結果を4人の先生でチェックしますから、このデータをもとに親御さんに最適なアドバイスができます。そして4人の先生がその子の弱いところを把握すると、たとえば夏の合宿では、今まで苦手だったところを自信がつくように指導するといった方針が決まります。みんなの前で発表するのが苦手というのであれば、自信をもたせ発表できる場を作ります。

リーダーシップがとれる子には、そういう場を作ってあげて成功体験を積み重ねる。そうじゃない子は、その子の得意分野とか長所をみつけて、同じように成功体験を積み重ねる。この時期の子どもというのは、自分に自信がもてるとどんどん伸びます。そういう指導の積み重ねがあるから、親御さんの期待に沿った結果が出せるのだと思います。

●自分のことができれば思いやりは自然と生まれる

──こちらでは毎年箱根合宿(2泊3日)を実施していますが、何人くらい参加しますか。
山岸 約40人です。教師は7〜8人、事務スタッフも同人数が同行します。また、小学校をそっくり借ります。授業は教室でやり、体操は体育館を使用します。つまり、本番の入試に慣れさせることもできます。

──子どもたちにはいい経験になるでしょうね。
山岸 実際の入試に慣れることがメリットのひとつですが、初めてご父母と離れて、それぞれの目標に向けて努力する生活を送ることが子どもを成長させるのです。合宿での内容は、入試の全分野を網羅しますが、何より生活面での自立ができるようになります。合宿では自分一人でやらないといけないという経験を山のようにします。家ではお母さまに頼りがちだった子でも目標をもって頑張りますから、お母さまがご覧になったら感激で泣いてしまうかもしれません(笑)。

教師が適切な言葉かけをしますので、自分のことが早くできた子は他の子の世話をしてあげられるようになります。とくに、もともと家の中で役割をもっていた子は違いますね。そういう子は試験官がみればすぐわかります。受験というと、ペーパーを何枚勉強させたらいいかということばかりに関心が向きがちですが、実は、家庭生活も幼児教育の教材の宝庫なんです。

――教室の指導以外にも、さまざまな指導の要素があるようですね。
山岸 そうですね。どんなご家庭でも願書の書き方や面接については多くのご不安がおありだと思います。また小学校入試では「正確でない情報」を多く耳にします。慶応会では正確な情報をお伝えし、とくにお母様方の不安を和らげることも私の重要な役目だと思っています。そのための毎月の父母講座や面談を重視しています。お子さんの行動観察や面接もテクニックではないとおわかりいただけると思います。では、どうやって「心と態度」を育てて仕上げていくのか、私は絶対の自信をもって、ご家庭をご指導させていただきます。

――ありがとうございました。


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