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1歳半で「1つ」「大きい」「赤い」などの
修飾語が入った言葉遣いができるようになります。


りんごの木幼児教室
石井美香さん




りんごの木幼児教室
223-0061 神奈川県横浜市港北区日吉2-4-2
電話 045-563-4444
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●自宅から学校までのアクセスの確認が見落とされがちです

――こちらの教室では、毎年、第一志望校への合格率が90%以上となっていますね。
石井 ええ。
――第一志望校の合格にはこだわりますか?
石井 はい、それは当然です。ただ、合格だけを目的にした指導というのは、実は、そんなにむずかしいことではありません。私立小学校の求めている子供像は、基本のところで変わらないものがあります。躾や自立心、年相応のことがきちんとできるなど、充実した毎日をしっかり積み重ねることです。

しかし、どんな小学校に入るのかは、子どもだけでなくご両親にも大きく影響します。私立というのは、独自の教育方針をもち、校風もそれぞれ違っています。保護者の家庭環境も違います。入学後に、こんなはずではなかったと後悔するようであれば、学校選びのアドバイスが間違っていたということになります。ですから、ご両親の教育方針やその子の資質・性格に本当にあっている学校なのかどうか、その辺をご両親とよく話し合うようにしています。

通学に便利だとか、有名校だから‥‥そんな理由で志望校を決めるケースも少なくありません。その学校の教育方針は何か、入学後6年間の生活はどうなのか、授業はどう進められているのか、また、実際にご自宅から学校まで足を運んでいただくこともお願いしています。意外と学校までのアクセスの確認が見落とされがちなのです。

小学校の場合、通学時間が1時間を越えるのはお勧めできません。自宅から1時間に2本しかないバスに乗って15分ほどかけて駅まで行き、電車での乗り換えが2回あり、学校まで最寄り駅から徒歩で15分ということになると、小さなお子さんには無理です。時間だけでなく、乗り換えるのに階段がたくさんあったり、満員電車に乗らなければならないこともあります。

●志望校によっては親の生活態度を変えてもらうことも必要

――志望校を考え直してもらうこともありますか?
石井 基本的にはご両親のご希望通りにしますが、合う学校があればこちらの学校も受験なさってみては、とお勧めします。早くから志望校選びに時間をかけるということは、受験対策にもなります。しつけに厳しい学校を受験するのであれば、ご家庭でもお子さんのしつけに厳しくしていただくだけでなく、ご両親にも、正しい言葉遣いや挨拶、振る舞いなどに気をつけていただくことになります。ご家庭や学校のいろいろな行事にも関心をもっていただくことになります。祖父母への接し方も考え直す必要があるかしれません。

また、学校行事や運動会などに参加すれば、在校生の親だけでなく、受験生の保護者に会いますから、入学したときはこういったお母さん方の仲間入りをすることになります。一緒に学校行事のお手伝いをすることもあります。お母様同士のおつきあいが始まることも考えられます。気後れしたり気詰りなことはないのか。学校選びに際しては、そうしたことも考える必要があります。

――石井先生は学校訪問にも熱心なようですね。
石井 この教室は1歳児からお預かりしていますから、この子たちがどんな学校に入るのか、どんなお考えの先生に教えていただくのかは大いに関心があります。というより、知っておきたいのです。ですから、できるだけ多くの学校に足を運ぶようにしています。わが子を送りだすような気分です(笑)。

●四肢の筋力がバランスよく発育していない子もいる

――こちらは1歳児から受け入れていますが、この時期の幼児にはどんなことを教えているのですか。
石井 まず体づくりが基本です。身体の機能がバランスよく発育しているお子さんは意外と少ないのです。歩行がしっかりできること、四肢の筋力がバランスよく発育していることが必要です。このため鉄棒にぶら下がったり、バランスボールに乗ったり、平均台や跳び箱も行います。跳び箱といっても上からジャンプしてみる程度のことです。

小学校受験でも幼稚園受験でも、多くの学校で試験科目の中に運動能力を取り入れていますが、身体的な機能がバランスよく育っていない子が多いためです。1歳の時点でまっすぐ歩けないとか、握力が十分ついてなくて筆圧が全くなかったとか、意外とお母様方はそういうところまでは把握されていない場合が多いようです。4〜5歳になってから、握力が弱かったり、平均台の上を歩けなかったりすることに気付くケースが少なくないのですが、この段階から訓練を始めるのでは子どもへの負担が大きくなります。

●1〜2歳児から正しい言葉使いをインプットする

――体づくりのほかには?
石井 1歳からお預かりしても、すぐにお勉強が始まるわけではありません。最初のうちは自由に遊ぶ時間をつくります。遊んでいる子どもたちのそばに行って、「先生にリンゴを1つくださいね」などと話しかけます。話しかけをすることによって語彙を増やすのが目的です。同時に、会話というのは言葉のやりとりなのだということを理解させます。

この練習をしておかないと、4〜5歳になっても相手の話を聞かないで、自分のことばかり言うという子になってしまいます。もし恥ずかしがっていて私どもとお話ができないときは、縫いぐるみや教室で飼っている小動物を介してお話をします。そうするといきなり話し出す子もいます。その子の発育状態や性格などによってさまざまなので、お母様方と相談しながら進めていきます。

このときに大切なことは、なるべく正しい言葉・正しい言葉遣いを心掛けるようにしていることです。「リンゴは?」「リンゴ、食べる?」ではなく、「リンゴを食べますか?」と一つの文章として伝えていきます。赤ちゃん語は使いません。1〜2歳児に話しかけても無意味だと思うかもしれませんが、この子たちは、話せなくても頭の中にたくさん言葉を貯めています。だから、ある日突然堰を切ったように言葉が出てくるのです。

そのときに、いろいろな言葉が正しい言葉遣いのまま出てきてほしいと思っています。機能的な問題以外にも、赤ちゃん語の時期が長いためにあいまい音がずっと残る子もいます。
唱え歌や詩の音読等で確認していますが、サ行がタ行になってしまうケースが目立ちます。舌足らずな言い方ですね。おうちでまだブーブーとかクックと言ったりしているご家庭もあるので、3歳までにはなるべく取れているように指導しています。おうちでも「てにをは」を正しく使ってほしいとお願いしています。

●「大きい」「赤い」などの修飾語は1歳半でも使える

――1歳児への話しかけはむずかしいでしょうね。
石井 でも、1歳児からの働きかけがあると、2歳児でも修飾語が使えるようになります。「リンゴをください」から始めて、1歳半では「1つ」とか「大きい」「赤い」などの修飾語が入った言葉遣いができるようになります。3歳になると、今度は反対語や適切な動詞などを意識的に入れていきます。私どもでは月齢別につくっているカリキュラムに即して指導していますが、その子なりの成育歴もありますので、それを加味した上で進めていきます。

そういう言葉のやりとりに慣れてきたら、「とてもうれしかった」とか、「少し悲しかった」など、「感情を表す言葉」を使えるようにします。早くから通っている子どもの場合、年長のときには、語彙が豊富なだけでなく、いろいろな言い回し方がきちんと使えるようになっています。

さらに、いつ、だれが、どこで、何をした、どのような気持ちだったかといった要素を意識した話し方も指導します。早いうちから、この練習をしておかないと、年長になっても文章が正しく作れないという状態になります。

私どもの教室では、体験学習に力を入れているので、普段ご家庭では見ることのできないものや体験できないことを多く取り入れています。その「感動」があるからこそ「話したい」「表現したい」という欲求が生まれるのだと感じます。

――年長になって、あと1年しか準備期間がないときに最初から教えるのは大変ですね。
石井 そうですね。やはり1歳から積み上げている子にはかなわないと思います。1歳から通っている子たちは、3歳のときには簡単な小冊子をつくっています(笑)。自分で文章と挿絵もかいて、表紙も標題もつくって、物語をつくっています。

●「どっちがいい?」と選択させることで思考力を養う

石井 1〜2歳児クラスでは、1時間の授業の中で、半分は自由遊びですが、どの教材を使って遊ぶかは子どもに任せています。最初は次から次へと教材をひっぱり出します。1歳ですから、出すのが好き、壊すのが好きです(笑)。でも、どんな子でも1カ月経つと、手当たり次第に出すということはなくなって、きょうは粘土がしたいとか、ハサミを使いたいなど、自分で選ぶようになってきます。

このとき子どもは自分の意思で選択したのです。おそらく幼児の頭の中では、これが刺激となって、いろいろな能力が活発に動き出すのではないでしょうか。ですから、お母様たちにも、おうちに帰ったら、今日はこれを着せよう、これを履かせようと決めていらっしゃると思うけれども、明日の朝からは洋服を2種類用意して、どちらを着るか子どもに決めさせてくださいとお願いします。

子どもに選択させるという場面は、生活の中にたくさんあると思います。おやつも、「どっちがいい?」と聞く。多いほうと少ないほうを用意して、「どっちにする?」と子どもに選ばせる。自然と数や大小の比較ができるようになります。子供の言いなりになるという意味ではなく、子供自身の考えを引き出すことが目的です。

●言葉で解決する方法を教えればいじわるはなくなる

――友達をぶったり、いじわるをするということはないですか。
石井 ないですね。ここはそういうことをしてはいけない場所だと理解できているようです。最初のうちは、教具の取り合いをしたり、お友達に対して物を投げたりすることがあります。しかし、これは言葉が出ないことが原因になっています。こういうふうに言ったらいいのよと、私どもが見本を示します。

例えば取り合いになったら、「ちょっと待っててね」とか「次に貸してあげるからね」という言い方を教えます。相手の子にも「いいよ」とか「これと取り替えて」などという言い方を教えます。言葉で解決するという方法を実際にやって見せて教えていきます。

ちょうどことしの田園調布雙葉(幼稚園2保)の受験で、親子面接の最後に、お子さんがお母様から受験票を受け取って面接官に渡すという場面がありました。受験票を相手方から見やすいように向きを変えて、両手でどうぞと机の上で渡せるかどうかがチェックポイントです。

2保ですから、かなり高度なことだと思いますが、ふだんからもののやりとりをきちんと教えられている子にはなんでもないことです。私どものところでも、年長の子はペーパーの向きを変えて私に渡してくれます。それは当たり前のことなので、子どもたちもすごいことができていると意識してないですね。

――1〜2歳児の指導経験は、4〜5歳児の受験指導に役立ちますか。
石井 私どもは入会時に調査票を出していただくのですが、その中で成育歴を書いていただきます。今どんなものに興味があるとか、病歴とか、おばあちゃまと過ごしていた時期が長いなど、差しさわりのない程度ですけれども具体的に書いていただきます。子どもの生育環境を把握しながら、ふだんの授業で気になるところがあれば、細かくお話を伺いながら授業を進めていきます。

その子が今までどういう場面で、どういう態度を示したのかを知ることは指導する上でとても大事なことです。強く指導してもいい子もいるし、ちょっとでも叱ると萎縮してしまう子もいます。少人数で一人ひとりの状況を把握しながら、お母様たちと十分にお話ししながら、ということが望ましいと思います。

ペーパーなど具体的な受験指導についても、たとえば、おままごとの中で「リンゴ2つとメロン3つください」といったことを1歳児から遊んでいますので、「2つと3つで5つ」というのは頭の中のイメージとして持っていますから、あとは楽です。数の認識もそうですし、物の比較問題もスムースに理解できます。

ここで育った子の何よりの強みはボキャブラリーが豊富ということですね。会話力・表現力がかなり発達しています。大人に対しても「ですます」の丁寧語が使えるだけでなく、私どもに話すときとお友達同士の言葉遣いを変えています。おうちでずっとそうかというと、そうでもないらしくて、お父様やお母様には普通に話しているようです。

言葉を使い分けができる子というのは、場の雰囲気を読むこともできるようです。お母様方にお聞きすると、レストランや電車の中で走り回ったりすることがなくなったらしいのです。ここは大きな声を出してはいけない場所だと、教えられなくても理解できるようです。

――ありがとうございました。




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