はじめての幼稚園・小学校受験



           第20回●最短時間(安い費用)で合格するには発想の切り替えが必要


わが子を私立に行かせたいと考えたとき、真っ先に考えてほしいことは受験校の絞り込みです。「私立に行かせてみようかな?」とただの思い付きの段階の人もいれば、年少から幼児教室に通わせるなど、早くから受験準備を始めている人もいます。もし、まだ受験校が決まってなかったら、受験校を3〜4校に絞り込む作業を早めにスタートすることをお勧めします。

それが「最短時間(安い費用)で合格する」ための秘訣です。時間もお金もたっぷりあったとしても、「最短時間(安い費用)」を強調するのは、お母さんと子どもに無駄な努力をしてほしくないからです。

「正しい受験準備に無駄なことは何もない」といわれていますが、なかなか理屈通りにはいきません。むしろムダ・ムリが多すぎるのです。私立校の多くは合格発表の直後に入学手続きをしなければなりません。合格しても行く気のない学校に50〜60万円もの入学金を払い込むのは、どう考えてもムダです。テストに慣れさせるための授業料としては高すぎます。受験校を最初から絞り込んであればこういう無駄は省けると思います。

幼児教室の費用にもムダがあるかもしれません。大手の幼児教室のほかに個人教室、さらにはプライベートレッスン、体操教室に絵画教室‥‥入試が近づくと4つも5つもの教室通いは珍しいことではありません。入試が終わってみれば、アレとコレはムダだったと気づくのですが、それは冷静さを取り戻してからの反省です。どんなに賢いママでも、入試が終わるまでは冷静に物事を判断するのはむずかしいのです。

お金だけでなく、不必要な疑問や迷い、不安に頭を悩ませるのも、無駄と言えばムダです。今、通っている教室でよかったのか、志望校に入るには○○教室のほうがいいと知人は言っていた、もっと成績をあげるには個人レッスン専門の教室に通ったほうがいいのか‥‥10人中7〜8人のママは一度や二度はこの迷いにとりつかれます。「○○校は関係者が多くて一般枠はほとんどないらしい」などという噂も耳に入るようになります。

受験校が決まっていないというのは、ゴールがどこにあるかを知らないで走り出すようなものです。走っている途中で、この方向で間違いないのか、このスピードでいいのかなどと迷いや不安が出るのは当然です。受験校を絞り込むメリットの一つは、こうした迷いや不安をすこしは解消できる点にあります。

受験校の絞り込みは早いほうがいいという最大の理由は、受験校に合わせた準備ができるという点にあります。ペーパー重視校であれば、家庭学習の重点をペーパーの勉強にウェイトをおくことになるでしょう。日々の生活の中でも、ペーパーで勉強しなければならないようなテーマはできるだけ体験させたり、子どもとの会話の中に意識的に数や上下左右に関係する言葉を入れたりするなどの工夫も必要になってきます。幼児教室を選ぶときも、受験校に多数の合格実績をもつかどうかを判断基準にすれば、何カ所も体験授業を受けるというムダを省くことができます。

ペーパーテストがないとか行動観察重視校であれば、同じ年頃の友達と遊ばせる機会を多くつくるなど、ポイントを絞った受験準備ができます。最近の傾向として、ペーパーテストの有無に関係なく、友達と仲良く関わることができるとか思いやりがあるかどうかなどを重視する学校が増えています。5歳6歳の子どもに「思いやりが大事」と言い聞かせても理解できないでしょう。オモチャを貸してあげて喜ばれたり、仲間はずれになっている子どもに一緒に遊ぼうと話しかけたり、どうしたの? と慰めてあげるような体験を何回も積み重ねていないと、「思いやり」は身に付かないのです。

受験校がほしいと思っている子ども像が、かりに「自分の考えをもち、自ら行動する」であれば、もし、これまでの子育てが「おんぶに抱っこ式」だったとしたら、子育ての方針を軌道修正する必要があります。手間がかかるのは覚悟して家事を手伝わせるとか、子どものやることにいろいろと口出しをしないようにしなければなりません。アノ手コノ手で子どもの自立を促す必要があります。

願書の「志望理由」を書くときでも、最初から受験校に合わせた育て方をしてきたのですから、「志望理由」や「家庭の教育方針」などの書き方で頭を悩ませることはなくなります。保護者面接で苦労することもないでしょう。願書対策については、別項で説明します。




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