今年も各校の校長先生方にインタビューしましたが、志望理由を重視する傾向が一段と強くなったという印象です。その理由の一つは、合格辞退者の続出です。「合格しても入学する気のない受験者」が年々増えており、いったい、何人の補欠を出したらいいか予測がつかないと嘆いている学校が多いのです。
たぶん、みなさんは、第一志望校以外に「滑り止め」と「試験慣れ」のために3校〜4校を受験すると思います。3校受験してすべて合格すれば2校は入学を辞退します。当然じゃないかという気持ちはわかりますが、学校側は「合格しても入学する気のない受験者」に警戒心を強めているということを知っておいてください。当然、入試のありようにも微妙に影響してきます。
ある学校では、これまで学校説明会に参加しなくても合格するケースがたくさんありましたが、その学校の校長が「学校説明会にも出席しないというのは非常識だ」と言っています。第一志望校かどうかはともかく、受験する以上、せめて学校説明会には出席したほうがいいでしょう。それが志願者のマナーかもしれません。
校長が「非常識だ」と怒るもう一つの理由は、学校説明会というのは、校長の話、教職員たちの応対の様子、教師たちの指導法や子ども達の表情などを見て、十分に納得した上で受験してほしいという思いが込められているからです。一人でも多くの応募者を確保したいという、いわば「学校のPRの場」ですから、校長はじめ、すべての教職員が全力で準備したはずです。だから、学校まで足を運んでほしいのです。にもかかわらず、学校説明会に出席しないで受験するというのは「非常識だ」ということになるのでしょう。
「もし、子どもの成績が同点であれば、本当にこの学校に通わせたいという熱意のある保護者を合格させます」と言い切る校長もいます。「同点であれば」というのは建て前でしょう。入試問題と合否に関しては一切答えないとする学校が多いのですが、最近の「合格しても入学する気のない受験者」に腹を立てているのかもしれません。教育方針に対する理解の度合いと熱意は、子どもの成績と同じレベルで評価の対象になっていると思ったほうが賢明です。
いずれにしても、各校とも、言葉は悪いのですが、「合格しても入学する気のない受験者」の「あぶり出し」に神経を尖らせています。子どもに対して、「ここと同じような試験をうけたことがある人、手をあげて」とストレートに聞いたケースもあります。「合否には関係ありません」とは言いますが、それは建て前です。
保護者が合否にかかわりをもつのは、願書と面接の場だけです。志望理由を安易に考えていたことが原因で子どもの足を引っ張った、という事態だけは何としてでも避けなければいけません。入試まで10か月、親が卒業生とかきょうだいが在校生という場合は、すでにプラスアルファされています。そういう家庭と競争するのです。熱意と本気の度合いをどう願書に書くか、面接で訴えるか、そんな時間があるわけではありません(この項、次回に続く)。 |
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