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『小学校受験ここまでやれば大丈夫! 基本編』より(抜粋)
◆「親の願いに子どもが協力している」のが受験と知ること


「どうして子どもさんを受験させようと思われたのですか?」
親御さんに、そうお尋ねすることがあります。返ってくる理由はさまざまです。ご両親のどちらかがその学校の出身であるとか、中学受験を見据えて、そのために幼稚園・小学校に入れたいとか、近所で評判がよいとか、荒れた公立の小学校に行かせたくないからといった声が聞かれます。ときには、制服がかわいいからという理由もあります。

そもそも、幼稚園・小学校受験について、兄や姉が行っている場合を除いては、子ども自身からの希望というのはほとんどありません。小さな子どもに大きな負担を強いる受験の「生」の現場を歩いて来た人間として、幼稚園・小学校受験を検討していたり、その決心をされようとしている親御さんに、ここで次のことを、ぜひ確認しておいていただきたいと思います。

子どもは、お母さんお父さんが大好きで、無意識に両親の希望に添いたいと努力をします。お母さんが「○○小学校に行こうね」と笑顔で言えば、本当はお友だちと同じ学校に行きたいと思っていても、たいていは「行く」と答えます。本当にいじらしい限りです。「私は△△小学校のほうがいい」と言えるのは、ごくわずかな気持ちの強い子です。まして幼稚園の場合は、ほとんどあり得ません。要するに、幼稚園・小学校の受験は、あくまでも親の希望によるものであり、子どもの希望ではないということをまず知ってほしいのです。

あえてこの当たり前のことを申し上げるのは、受験準備の間、ややもすると模擬テストの成績の下がった子に対して、「一体、誰のためにお母さんは毎日頑張っていると思っているのよ。全部あなたのためでしょ。それなのに今回のこの成績は何なのよ! いつもできている問題で点が取れていないし、その上、お行儀の欄にもチェックがついてるなんて!」という、子どもが一番苦しむ言葉をできるだけ減らしたいという願いからです。

日頃のお母さんの努力を目の当たりにし、わが子を思うお気持ちも、辛いお気持ちも十分わかるのですが、つい出てしまうこの言葉で、子どもは大好きなお母さんの期待に応えられない自分を責めます。これは指導する立場の人間にとっては一番辛いことですし、何よりも小さな子どものこれから先の人生を思うと心が痛みます。受験というのは、お母さんやお父さんの願いに子どもさんが協力している、それが現実なのです。



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