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『小学校受験ここまでやれば大丈夫! 面接対策編』より(抜粋)
親の面接は合否にどれくらい影響するか
●重視する学校・しない学校

ほとんどの学校は合否に関する情報を公開していません。問い合わせても一切答えてくれません。ペーパーテスト、行動観察、面接などの得点配分も、むろん一切不明です。このため、「ペーパーテストは満点、行動観察もミスはなかったのに、なぜ落ちたのかわからない」という不満が不合格となった保護者の中に毎年のように出て来ます。小学校受験というのは、中学高校受験のように試験の成績次第で合否が決まるというスッキリしたところがないためです。すっきりしない理由の一つが親の面接評価です。

問題は、「親の面接を重視する学校」とそうでない学校はどこかですが、一般論としては、系列校をもつ小学校の場合、親の面接を重視するのは容易に想像できます。最低でも6年間、大学まで行かせるなら16年間のつきあいとなりますから、「どんな親か」はしっかりと見極めたいところでしょう。

私立校というのは、「保護者というスポンサーで成り立つ学校」です。保護者と学校は、公立校のように卒業すれば縁が切れるという関係ではありません。保護者同士の結びつきも強いのです。たとえ、子どもの成績がよかったとしても、「保護者というスポンサーの和を乱す」というタイプの親であれば面接の段階でチェックが入ります。親の面接をしないある小学校の場合、「好ましくない親」をなぜ合格させたのかと保護者から突き上げられた校長もいます。

では、「親の面接は合否に影響させていません」という学校なら安心かというと、そうとばかりは限りません。どんな親でもフリーパスではないのです。これは常識です。

「学校によっては30%くらいのウエイトをもたせている」(幼児教室教師)ところもありますが、一般的には、面接の得点配分はせいぜい10%といわれています。幼稚園から大学までの系列をもつある小学校(関西地区)では、面接には校長が立ち会っていますが、「原則として、合否には影響させていません。子どもの考査だけで決定しています。ただし、現場の教師から校長の判断を求められた場合は、私なりのランク付けを伝えています」(小学校校長)。

つまり、面接は「どんな父親と母親かをたしかめるだけ」であって、よほどのことがない限り、親の面接で合否が左右されることはなさそうです。ある首都圏の小学校校長はこう言います。

「親の面接に対してランクづけをしたくてもできないのが現実です。面接時間はせいぜい10分です。父親だけでなく、母親にも子どもにも質問しますが、ボロを出すとか答えられなくて立ち往生するという親はほとんどいません。子どもも同じです。しかも、質問に対して予め答え方を練習していますから、親の面接に関してはランクづけはむずかしいのです」

そうなると、わずかな差が合否をわけることになりますが、その「わずかな違い」とは何なのか。実は、意外なところをチェックされているケースもあります。

朝、幼稚園に行くとき、お母さんには何と言って挨拶しますかと聞かれた子どもが、「行って来ます」「行って参ります」と答えた場合です。受験する学校によっては、「行って来ます」はマイナス点がつく場合があります。「行って参ります」と答えた子どもの場合、普段からきちんとした敬語を使っている家庭と見なされるのだそうです。

「まったくミスのなかったうちの子が落ちて、鉄棒の逆上がりができなかった○○ちゃんが合格した」という不満の声が入試後に必ず出てきます。子どもの指導歴が30年近いある幼児教室の教師は、こう指摘します。

「各校とも、ペーパーテストは何点、行動観察は何点‥‥といちおうの配分は決めてありますが、最終的な合否は親の面接次第というのが実状です。子どもの成績がずば抜けて優秀な場合は別ですが、大きな差がない場合、親の面接次第では、成績の上位者が落ちる場合もあり得ます」

たとえば、どんなケースか。
「実際にあったケースですが、女性の社会進出についてどう思うかと聞かれた父親は、一般論としてはあえて反対しませんが、わが子の場合ということでしたら、やはり、女性は家庭を守り、子どもを育てることに専念すべきだと思います」と本音で答えてしまったのです。受験した小学校は女性の社会進出に熱心に取り組んでいますから、この父親の答え方では、子どもの成績がどんなによくても合格させるわけにはいきません。どうぞ落としてくださいと言っているようなものです。母親は試験が終わった後、2年間も頑張ったのに、夫の一言で苦労が台無しになったと泣いていました。面接試験は決して侮ってはいけません」


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