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『小学校受験ここまでやれば大丈夫! 面接対策編』より(抜粋)
クライスアカデミー(JET幼児英才教育研究所) 朝倉 梢さん
受験校の教育方針をしっかりと理解する。
そして、家庭の教育方針とつき合わせた結果であることを強調する、
これが志望理由のポイントです


(子ども編)
――将来、何になりたいかと聞かれて、子どもが「仮面ライダーになりたい」「お猿さんになりたい」と答えてもいいですか。
朝倉 そういうユニークな子どもをほしがる学校もあるといわれていますが、どうでしょうか。仮面ライダーはテレビの中の主人公です。現実には、そういう人はいません。また、お猿さんになりたいといっても、人間は猿にはなれません。言葉の遊びとしてなら、ゾウさんになりたいとか魔法使いになりたいというのはいいんですが、面接の場で、将来、どんな人になりたいですか、どんな仕事をしたいですかと質問されたときは、きちん答えさせたほうがいいに決まっています。代々お医者のお子さんが「自動車の運転手になりたい」と答えて、なぜと聞かれて、「だって、運転したいだもん」と言ったとしても、これは子どもらしい答え方です。

――どうしてこの学校に入りたいと思ったのかと聞かれたとき、「お母さんに言われたから」ではいけませんか。
朝倉 めったにない質問ですが、いちおう準備しておいたほうがいいと思います。ただし、大人が考えるような答え方では、練習させられた答えと思われて逆効果になります。「運動会がとても楽しそうだったから」でもいいのです。答え方を教えるのではなく、受験する学校の運動会などに連れて行き、ずいぶん楽しそうだけれど、こういう学校に入れたらいいねくらいの意識づけをしておいてはどうでしょうか。

――試験に合格しなければ入れないと子どもにはっきりと教えたほうがいいですか。
朝倉 試験を受けるということは言ってもいいと思いますが、合格したら入れる、落ちたら入れないという言い方は避けたほうがいいと思います。私どもでは、その学校に入れるかどうかは、試験は受けるけれどクジで決まると教えています。どの子どもも一生懸命に親の期待に応えたいと頑張っていますから、ダメだったときには子どもなりに責任を感じてしまうのです。これから長い学校生活がスタートするというときに、最初から「不合格」というトラウマを抱えさせてはいけません。お父さんやお母さんは、本当は別の学校に入れさせたかったのだと子どもはわかっています。そんな気持ちをもたせたまま通わせるのは子どもにかわいそうです。むろん、精神年齢が高い子どもにははっきり言ったほうがプラスになる場合もありますが、大半のお子さんは試験が大きなプレッシャーになるということを知ってほしいですね。

(保護者編)
――第一志望ですかと聞かれた場合、どう答えたらいいですか。
朝倉 面接で知りたいことは、学校のことをよくわかっていて、なおかつ本当に入学したいと思っているのかどうかです。お子さんの成績がかなり良くても、うちは第一志望ではないとわかれば、当然、合否に反映します。ですから、本当に第一志望であるならその気持ちを伝えるべきです。第一志望ではないときですが、正直に言うのは、やはり失礼でしょう。大人の対応が必要です。

――志望動機について。
朝倉 多くの学校で志望動機を聞きますが、学校の教育方針を十分に理解しているのか、家庭の教育方針との一致が見られるのか、そこを知りたいためです。どう答えたらいいかは、模範解答はありません。10人10通りの答え方があって当然です。ただし、近所の子どもが通っていて、しっかりしつけができているので感心した、わが子も御校のような教育環境の中で学ばせたいというケースが少なくないのですが、そもそもしつけや行儀は家庭でするものです。学校に期待するのは間違いです。

 それをきっかけとして、いったいどんな学校なのか、どういう教育方針なのかを調べたり、学校行事に参加してみた結果、受験する気になったというならいいと思います。ただ、その場合でも、「当校のいいところだけをご覧になったようですが、ご家庭の教育方針と合致しますか」と突っ込まれたときの答えも準備しておく必要があります。志望動機については、受験校の教育方針をしっかりと理解する。そして、家庭の教育方針とつき合わせた結果であることを意識的に強調するのがポイントです。

――お子様には将来どのような人間になってほしいですかと聞かれたら‥‥。
朝倉 高い学歴やりっぱな職業に就くよりも、人間的に思いやりのある大人になってもらいたいと答える親御さんが多く、それでもいいと思います。「国際化時代に対応できる教育」を全面に打ち出している学校であれば、国際的な視野をもった人間に成長してほしいといった点を付け加えたほうがいいことは当然です。

――父親のあり方について。
朝倉 どんな家庭をつくりたいのか、そのために日頃、どんなことを気を付けているのか、実行するようにしているかを率直に話せばいいと思います。普段、考えてもいないようなことをしゃべってもすぐボロが出ます。最近の若い世代の場合、夫婦の役割分担を平等と考えているようですが、受験する学校によっては、一家の大黒柱は父親であって、母親はそれを支える存在でありたいと考える学校もあります。私立小学校というのは、保守的な一面もあります。いちおうそのことを含んでおいたほうがいいでしょう。どうしてもそういう学校を受験したいというのであれば、家の中でもそうした家庭づくりが必要だと思いますが、学校の教育方針に無理に合わせるというのはあまり賛成できません。学校選びが適切なのかどうかをよく考える必要があります。

――不況業種に勤務している場合、どう答えたらいいか。
朝倉 この質問に対しては、私どもの教室でも、お父様方にいろいろアドバイスさせていただいています。破綻が噂されている会社に勤務しているのであれば、必ず仕事に関する質問は出ます。その場合、世間ではいろいろ言われているけれど大丈夫ですと不確かなことを言うよりは、万が一、倒産した場合、家族の生活を支えるのに具体的にどんな思案をもっているのか、それがどれくらい現実性があるのか、その辺をしっかり答えたほうがいいと思います。学校が知りたいのは、月謝がきちんと払える親なのかどうかです。ですから、たとえば、親族が事業を経営しており、何かあったときは手伝ってくれと頼まれているなど、具体性のある答え方が必要です。

――転勤の有無については。
朝倉 一般的な質問であれば、「転勤はないと思います」でいいと思いますが、勤務先や仕事の内容によっては、常識的に転勤があるのは当然という前提の質問であれば、それなりの答え方が必要になります。その際のポイントは、転勤の期間は短いこと、土日には必ず家に戻ること、父親が不在の間には、祖父母や親戚が近くに住んでいて、母子だけになることはないということを強調することが大切です。

――共働きの母親の場合、保護者会への出席については、どう答えたらいいですか。
朝倉 私立を受験する以上、仕事よりも育児を優先させる覚悟であることを強調するのが原則です。仕事の性質上、学校行事への参加はむずかしいのではないかと突っ込まれるケースもあります。育児か仕事かのどちらかを選ぶとしたら、躊躇なく育児を選択するとはっきり言うべきでしょう。
――その他、何かつけ加えることがあれば‥‥。
朝倉 5分や10分の面接時間で何がわかるという人もいますが、入室した時点で、少なくともどんな家庭なのかくらいのことはわかります。また、2、3のやりとりがあれば、「借り物の知識」か、どの程度理解して話しているのかも見当がつきます。わが子の受験に対して、父親の協力の度合いもわかります。ですから、ありのままを自分の言葉で語ることが大切です。


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