連載企画 願書・面接資料の書き方

第36回

願書をみれば学校の体質が透けて見えてくる 


各校の願書をつぶさに見ていくと、この学校は古い体質をそのまま引きずっているようだとか、お役所以上にカタい学校などと、何となく学校の「たたずまい」のようなものが透けて見えてくるような感じがします。「たたずまい」という曖昧な言い方をしたのは、単なる印象だからです。偏見や誤解が混じっているかもしれません。

さて、子どもの名前と親の住所くらいしか書くところがないという、単純明快な願書もあります。こういう学校は子ども本位で合否を決めていることが想像できます。当然、縁故入学が少ないことも推測できます。

逆に、なんでこんな細かいことまで記入しなければいけないのか、腹立たしくなるような願書もあります。「志望理由」「家庭の教育方針」「子どもの性格」「子どもの健康状態」など、幾重にもフィルターがかかっていて、これでは、いちおう試験はするけれど、ごく限られた子どもしか合格できないだろうなと推測できます。

願書には、大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、志願者の氏名、生年月日、性別、家族状況のほか、保護者の住所・氏名・緊急連絡先だけで、志望理由も家庭の教育方針も記入する欄を設けていない願書です。志望理由や家庭の教育方針はどうでもいいということではなく、面接のときに聞けばいいという姿勢でしょう。

もう1つの願書のタイプは、志望理由や家庭の教育方針、子どもの長所短所、さらには既往症や健康状態など、どんな家庭のどんな子どもが応募してきたのか、できるだけ詳細に知っておきたいという願書です。願書とは別に「面接資料・調査書」の提出を求めているケースもあります。この面接資料の中に、「志望理由」や「本校に期待することは何か」「子どもの性質・健康状態」「家庭の教育方針」などの記入を求めています。「記入・提出は自由」とあっても、提出しないという保護者はいないでしょう。

既往症や現在の健康状態だけでなく、生まれてから現在までの発育状態を面接資料や調査書として提出させているケースもあります。実際の記入例をみると、生まれたときの体重、予防接接種を受けた年月日、何歳頃、どんな病気で医師の治療を受けたかなどが、A4判の半分くらいのスペースにぎっしりと書かれています。

こういう極めてプライバシーにかかわる情報を、入学が決定してから提出させるならともかく、応募の段階から提出を求めるという「体質」に疑問を持ちますが、こんな無茶なことがまかり通るのも「お受験の世界」ならではのことかもしれません。

親の学歴や勤務先などを合否に関わりを持たせてはならないという行政指導があります。このため、各校とも、願書に「親の学歴」「勤務先」などの記入欄はなくなりましたが、たまたま父親の勤務先を記入する欄がある学校がありました。次年度の募集要項でも「父親の勤務先」欄があるのかと問い合わせをしたところ、電話では答えられない、まず質問状を提出して、学校に来てほしいと言われました。応募者からの問い合わせに対しても同じような対応なのか、そういう体質が気になります。

願書を目の前にして、さて、わが子をこの学校に通わせることが適当なのかどうか、疑問というほどはっきりしたものでなくても、何となくためらうものがあったとしたら、志望校選びが適当なのかどうか、考え直すことも必要です。この願書は書きにくい‥‥という親の直感は軽視しないでください。その学校には向いていなかったということもあり得ます。




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