例年、9月に入ると、教室選びに迷っているというお問い合わせを数多くいただきますが、こればかりはお母さん(お父さん)が幼児教室をいくつか回ってみて、その上で決めていただくしかありません。インターネットや口コミ、知り合いからの紹介など、いろいろなキッカケがあると思いますが、教室の責任者に会って、どんな考え方で指導するのか、またどんなカリキュラムか、費用はどれくらいすかかるのか、さらには授業を体験する、その上で決めたほうがいいでしょう。知り合いのお子さんが合格したからという理由だけで入室を決めるのは早計です。
というのも、子どもの性格、志望校などによって教室選びのポイントは変わってきます。子どもの性格によって合う合わないがあるというのは、たとえば知らないお友達の中に入ると緊張するタイプのお子さんであれば、まだ、「個」が十分に確立していないのですから、大勢の子どもと一緒に授業を受ける塾スタイルの教室は不向きです。1クラスの人数を意識的に少な目にしている教室か1対1の指導スタイルがいいでしょう。知らないお友達ともすぐに仲良しになれるような社交的な子どもであれば、1クラスの人数が多少多くても問題はないでしょう。
ただ、うちの子は恥ずかしがり屋だからなどと決めつけないようにしてください。1人っ子で、内弁慶、外に出るとお母さんの手を握って離さないなど臆病なところがある‥‥と思いこんでいたら、事実、そういう性格だったとしても、体験授業では、こんなにイキイキと動き回って、リーダーシップがあって、自分の言いたいことをはっきり言えるお子さんはめずらしいとホメられたというケースもあります。親の目は一番正確ですが、子どもというのは多様性があります。まさか‥‥という一面もありますから、いろいろなタイプの教室を覗いてみたほうがいいでしょう。
志望校に安定的な合格実績をもつことも教室選びの大切なポイントになります。小学校受験は宝くじをひくようなものといわれていますが、そんなことはありません。特定の学校に対して、「安定的な合格実績」を維持してきたということは、どんなタイプの子どもが合格しているか(不合格になっているか)、どんな問題が出ているかの分析と対策が的確だったと思います。受験指導はこうあるべきだとする考え方や指導方法が特定の学校の教育方針や「ほしい子ども像」に合っていたということも言えます。
もう1つ大事なことは、幼児教室の先生とお母さんとの相性です。中学受験とちがって、小学校受験は教室と家庭との共同作業です。先生の考え方や教え方は自分には合わないと思ったら、考え直したほうがいいでしょう。受験準備は1年〜2年と長丁場です。お子さんの伸びが思わしくないときは、家庭での過ごし方や勉強法に問題があると指摘されます。
ときには、両親が呼ばれて、子育てに対する考え方や方法を改めてくださいと厳しく指摘される場合もあります。先生との信頼関係が強固なものでないと腹も立ちます。教室の指導法や教師に対する不信感があれば子どもが戸惑います。この先生なら全面的に信頼できる、指摘されたことに対しては素直に従えるかどうか、その辺も大きなポイントになります。