面接対策31回●面接で何を知りたいのですか?

明星小学校校長 望月克彦さん

――こちらでは集団テストと個別テストがあり、いわゆるペーパーテストはありませんが、どんな点を気を付けてチェックしていますか。
望月 やはり行動面ですね。
――子どもの言葉遣いは重視しますか
望月 そうですね。「うん」と「はい」の返事には差を付けます。5歳6歳になれば、大人と話をするときは「ですます」くらいの丁寧語は使えて当然と思います。

――親としたら、どこまで受験準備をしたらいいですか
望月 どこの学校も同じだと思うんですが、最低限、「ありがとう」「ありがとうございます」は言えたほうがいいですね。ハンカチを借りたときは、きちんとたたんで返すぐらいの躾はほしいところです。ずいぶん厳しいようと思うかも知れませんが、私立を受験するしないにかかわらず、子育てに際してはこのレベルは当たり前と思っていただきたいのです。

――できているかいないか、その辺が合否を左右するポイントになりますか。
望月 ええ。むろん躾だけでなく、総合評価のうえで結果がでますが‥‥。面接はすべてAだったけれども、行動観察のときは乱暴な言葉遣いだったというケースもあります。子どもたちのいろいろな面を多面的にチェックしたうえで総合的に合否を決めています。

その際に重視しているのは、例えば、おしゃべりをしながら入室したとか、静かにしていなければいけない場面で歌を歌い出したとか、あるいはお友達を突き飛ばしたとか、そういった行動面に関しては重視しています。

――アンケートの記入項目の中に学校説明会への出席の有無があります。学校説明会に参加したかどうかは重視しますか。
望月 明星小学校への入学をどのくらい本気で望んでいるのかを知りたいのです。(中略)説明会に出席されない方は、やはり学校のことをよくご存じないので、本気で入学したいのかどうかはわかります。

――母親が仕事を持っているかどうかは合否に関係ありますか。
望月 まったく関係ありません。シングルマザーの場合も同様です。説明会のときに、シングルですけどどんなものでしょうかと相談をうける場合もありますが、ご両親が揃っていても、家族関係がしっくりいってない場合もあると‥‥(笑)。

――保護者面接では何を知りたいですか?
望月 家族のありようを知りたいと思っています。
――短時間のうちにどんなことがわかりますか。
望月 例えば、面接の場で親子で会話をしてもらいます。子どもの名前の由来について、お子さんに説明してくださいとお願いします。母親が子どもに話をして、それに対して子どもがどういう反応を示すか。お父さんはどういう表情をしているか。こういう場合は家族関係がいいとかよくないとか、数式を解くようなわけにはいきませんが、それでも、ふだんの夫婦関係のありようとか、父親と子どもの関係の一端をかいま見ることもできます。

――長年、数多くの志願者の面接をしているのですから、部屋に入ってきたときには大体見当がつくんじゃないですか。
望月 いや、そうはいきません。みなさん、面接を受けるときの態度や受け答え方はしっかり練習していますから、減点されるようなミスはほとんどありません。ノックして入ってきて、お父さま、真ん中に子ども、お母さまの順で、「はい、気を付け、礼」とまことに礼儀正しい(笑)。

――どんな場合にチェックが入りますか?
望月 やはり部屋に入るときはノックしてほしいですね。
――親が話をしているときに子どもの態度が悪いと、減点ですか。
望月 程度問題ですね。さきほど申し上げたように、総合評価で合否が決まりますが、あまりにも行儀が悪いと、時には致命的という場合もあります。話は逸れますが、保育園に通っている子どもたちはいいですね。受け答えが作為的というか演技ではなくとても自然です。とくに6年間通っている子は両親よりいい(笑)。
子どものほうがハキハキと答えてくれます。以前は、保育園育ちの子はお母さんべったりで話もまともに出来ませんでした。どこの保育園がどうだというのではないですけど、いい指導をしているなと思います。
(『平成20年度 お入学の本 首都圏版』より抜粋)

●6歳の子どもが答えられないようなことは聞きません
――志望理由について、みなさんどうおっしゃっていますか。
清水 やはり、学校案内などを丸暗記されているケースが多いですね。間違ったことを言ってはいけないと一生懸命なんですが、ご自分の言葉でお話いただいたほうが説得力があります。せっかく本校の教育目標を滔々と述べていただいても、じゃ、ご家庭で食事に対するお考え方は‥‥とお伺いすると、事前に予定していなかった質問だったためか、お答えに詰まったり、本校の教育方針と接点が見あたらないというケースもあります。

――お子さんをご覧になってどんな印象ですか?
清水 練習してきた問題に対しては、淀みなく答えるんですが、そうでない場合は、あっさりと「わかりません」(笑)。失敗をする前に諦めてしまうケースも少なくないですね。「今日、ここにくるまでにどんなものを見てきましたか」と聞いても、そんなことを聞かれるとは思っていませんから、即座に「わかりません」と答えてしまう。

たぶん、わからなければわかりませんと答えなさいと教えられているんでしょうが、我々だって、6歳の子どもが答えられないようなことは聞きません。思った通り、考えた通りに答えてもらえばいいんですけどね‥‥。

たまたま廊下ですれ違ったときに、「おはよう!」と声をかけられてパッと「おはようございます」と返事ができる子は、ふだん家庭でもちゃんと挨拶ができているなと想像できます。面接室のドアをあけて、きちんと「おはようございます」と言えても、練習して身につけたものかどうかは、すぐわかります。

――訓練された子は好ましくないですか。
清水 いや、そうとばかりは言えませんが、訓練された子というのは指示されたことは正確にできるのですが、自分で考えるということは苦手なようです。指示待ちになってしまうと応用力や創造力が育たないんです。それが心配です。自分から進んで何かをやろうとか、好奇心といったものが育ちにくいんですね。

――不況業種に勤務している場合、学校としては、当然、警戒すると思います。月謝を払い続けるという決意表明だけでいいのか、それとも何らかの裏付けが必要ですか。
清水 まあ、いつリストラされるかわかりませんとはっきり言われたら、困ります(笑)。でも、仮にそうなったとしても、こういう生き方をしたいというか、何とか切り拓いていきたい、その辺の決意をお聞かせいただければ、そういう親御さんであれば子どもさんもしっかりした考えや生き方を受け継いでいると思いますから、まったく問題にしません。むしろ、そうまでしても本校にお子さんを入れたいという熱意には頭が下がります。

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