――(合格するのは)5人に1人という割合ですが、差をつけるのはむずかしくはないですか。
長松 子どもだけでなく親も訓練されていますからね。私は主に親の面接に携わっていますが、バブルのころは、お目にかかっただけで、この人はうちには合わないというのがはっきりしていたケースもありましたが、今は平均化していて、差をつけるのはなかなかむずしいですね。ですから、親の面接が原因で不合格というのはほとんどありません。
親の面接の場合、中には緊張して、こちらの質問にまともに答えていただけない場合もありますが、だから減点するということはありません。お話しになるときの態度や受け答えの様子で、この人は本校に受け入れていいかどうかを判断します。
また、仕事が忙しいお父さんもいらっしゃる。例えばお医者さんの場合、小さなお子さんを持つお医者さんですと年齢的に第一線でやっておられる方たちがほとんどですから、なかなか面接の準備は出来ないと思います。
――準備不足は不利になりますか。
長松 むずかしいところですね。面接になれてないとか、口べたという場合、営業職をやっておられて話の上手な方と同じレベルで比べるわけにいかないのです。
一般的に、お母さんは堂々として受け答えが上手です。でもお父さんのほうは、人と接することの少ない職業の場合、受け答えがスムースにいかないこともあります。しかし、質問に対して的確なお答えがなかったという理由だけで不利になるようなことはしていません。
子どもの教育に対してどう思っておられるか、あるいは学校についてどの程度の理解をしておられるかということで判断します。上手に答えられなくても、正直に言っていただければ、それでいいのです。
――子どもはしっかり訓練を受けていますから、なかなか地の姿を見せないのではないですか。
長松 ただ、共同作業をやらせますと、やはりふだんの姿が出てきますね。たとえば、道具を独占したり、次の人に渡さなければいけないのに、わざと渡さないというような形で出てきます。集団でやると、どうしても地が出てしまうので、その辺ははっきりします。
それと、この学校を第一志望にしている子は一生懸命だけれど、そうではなくて試し受験だという子は、やはり態度は良くないです。これはもろに出ますね。
――子どもなりに試し受験だとわかっている‥‥。
長松 ええ、わかっていますね。それをはっきり口に出す子もいますから。今回も、たまたま私のそばにいた子がそういう話をしていました。子どもというのは敏感ですから、たとえ親が滑り止め受験と言わなかったとしても、わかっているんでしょうね。
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