慶應義塾幼稚舎 これが合格のセオリー●12人の母親の合格体験記

事例8(その1) 

編集者から
*このインタビューは、単行本換算で約30ページ分あります。記事掲載に際しては、編集者との一問一答をできるだけ忠実に再現しています。何気ない一言、話の流れには関係なくふいに飛び出てきた言葉の中に、ああ、ここが合格のポイントになっているという場合が少なくないのです。1回で読み捨てにはしないで、ときどき目を通してください。キラリ光る言葉が発見できると思います。


【データ】
父親の仕事―会社経営
母親の仕事―専業主婦
家族構成―両親と子供(長女・長男・次男)三人の五人家族
幼稚舎受験者―長男
合格年―二〇〇五年 
教室への通学期間―五歳から一年間
通った幼児教室―バンビーニ幼児教室(現)



バンビーニ幼児教室
150-0012 渋谷区広尾5-9-9 プレステージュ広尾301
電話03-5789-1088
http://www.bambini-js.jp


●息子のほうから「幼稚舎を受験したい」と言いました

――受験を振り返ってどうですか?
 息子は日々勉強で大変だったと思
いますし、私は下の子の出産後すぐに、幼稚舎の受験が控えていましたから受験は大変なものでした。でも、子供とのスキンシップがはかれて良かったと思います。
――ご両親の助けもありましたか?
 いえ。私の体調が悪い時は、主人に会社へ行く時間をずらしてもらって、夫婦だけで乗り越えました。
――幼稚舎の合格発表当日はご自宅にいましたか?
 ええ。息子を習い事に送って行った後、通知が届くのを待っていました。いざ通知が届くと、手が震えてしまって、すぐには開封できませんでした。受験番号も、合格者の欄から見る勇気がなくて、補欠の番号が書いてある下の段から見ていきました。

――合格がわかって、すぐに誰かに伝えましたか。
 主人にすぐ伝えようと思ったのですが、感極まって泣いてしまって。気持ちを落ち着かせてから電話をしました。
――ご主人は何と言っていましたか。
 受かると思っていたよ、と‥‥。その後は、お世話になった先生方に連絡しました。習い事から帰ってきた息子に合格を伝えると、とても喜んでいました。
――お子さんも幼稚舎に通いたがっていたのでしょうか。
 ええ。もともと息子が幼稚舎を受けたいと言い始めたのです。みなさん、驚かれますけど(笑)。

――なぜお子さんは、そうと思ったのでしょう。
 幼児教室に通い始めると、たくさんの学校があることを知るようになって興味を持ち始めてはいたんです。そんなある日、息子が一番良い学校を教えてと言ってきたんです。それで私は、一番、二番と順番は決められないけれど、慶應義塾幼稚舎というところがあって、みんなが行きたいところだと思うと言いました。すると息子は、「そこに行く」と言いました。それから幼稚舎のホームページや学校案内を見せ、幼稚舎の話をするようになり、ますます「幼稚舎に行きたい」と言うようになりました。家族の中に幼稚舎出身者もいませんから彼の力で合格を掴み取って欲しいと思いました。

――小学校受験に抵抗はありませんでしたか。
 なかったですね。チャレンジ精神で受験させたい気持ちがありました。私立なら慶應か早稲田、国立なら筑波と考えていました。もし、不合格だった場合は、公立も視野に入れていました。
――いつから小学校受験を意識していたのでしょうか。
 上に女の子がいて、その子も小学校受験をしたんです。私たち夫婦が受験を意識し始めたのは、その頃からです。長女の時も受験をさせようと思っていたわけではなく、自分から受験をさせてと言ってきたんです。当時は小学校受験がどういったものかわかりませんでしたから、受験本や幼児教室に資料請求をして情報を収集しました。

――上のお子さんの受験はいかがでしたか。
 受験対策に取りかかった時期が遅くて、長女に合った幼児教室を選ぶことができなかったんです。満足のいく結果が出せずに悔しい思いをしました。ですから、息子には十分な準備をして受験に挑ませたい、そう思いました。そこで息子には、年中から受験を目的とした学習塾に通わせました。
――学習塾ではどんな勉強をしていたんでしょうか。
ペーパー問題です。

●息子は何か尋ねられても、すぐに答えられる子ではなかったんです

――幼児教室は、いつから通い始めましたか。
 年中の十一月です。塾に通っていた親御さんから、体操の先生(現バンビーニ幼児教室)を紹介してもらったんです。それまで塾では、ペーパー問題だけで体を動かすことがなく、息子の表情も暗かったんですね。息子は、体を動かすのが好きだったので、気分転換にもいいんじゃないかと思って通い始めました。息子は、いきいきとした良い表情を見せるようになってきました。この先生との出会いは大きかったです。

――幼児教室では、どんな授業を受けていたのでしょう。
 運動と行動観察対策です。内容は、ボールを使った遊びから縄跳び、マット運動、跳び箱、鉄棒と盛りだくさんでした。運動を併せた指示行動もたくさんやっていました。
――幼児教室の先生に、幼稚舎を目指していることを伝えましたか。
 すぐに伝えました。どうしても幼稚舎に向けて頑張りたいということを伝えると、一緒に頑張りましょう、と言って下さったので心強かったです。

――お子さんはどんな子ですか?
 人見知りする子でした。大人しくて自分を表現することが苦手だったと思います。家庭では、息子が楽しく物事を表現できるように、常にスキンシップを心がけました。息子は、本がとても好きだったので、本をたくさん読んであげることも心がけました。
――1日何冊くらい読み聞かせていましたか?
 1日3冊と決めていました。時間が空いた時と、寝る前に必ず1冊。私が用事をしている時は、一人で絵本を読んだり絵を描いたりする習慣をつけさせていました。

――お子さんは、一人で本を読んでいて寂しがりませんでしたか?
 寂しそうな素振りは見せませんでしたね。息子は一人で何かをすることに抵抗を感じない子でしたので、平気だったと思います。
――受験前のお子さんは、どんな子でしたか。
 人と話すことが苦手で、家族以外の人から話しかけられると黙ってしまう子でした。祖父から何か質問されても、すぐに答えられる子ではなかったんです。じっくり考えて、うなずくだけのときも度々ありました。
――おじいちゃんは何か言っていましたか。
 祖父は、子供は大人しい方が良いという考えでしたから、注意をすることはありませんでした。息子が返答に迷っていると、こう言いたいんでしょ、と先に答えを言ってしまうんです。すると、息子は黙ってうなずくだけです。
――お母さんは、不安になりますね。
 ええ。家族だけでは息子を甘やかしてしまうので、幼児教室の先生に相談しました。

――幼児教室の先生からは、どんなアドバイスがあましたか。
 自分で答えられたという達成感を味わわせてあげて下さい、と言われました。息子が黙ってしまってもとにかく待つこと、意味がわからない様子だったら、答えを言うのではなく、ヒントを出して下さい、とも言われました。子供は母親に聞いてもらえると楽しくなるから、と。あと年長から、個別で面接の練習もお願いしていました。

――面接のある学校も受ける予定だったのですか。
 ええ。親子面接のある学校も受験する予定でしたし、聞かれたことはしっかり答えられるようになってもらいたいと思いましたので。面接の練習では、先生と息子が向かい合わせに座って、「今何をして遊んでいるの」「ここまでどうやってきたの」などということを聞いてもらっていました。「電車できました」と言うだけでは話が終わってしまうので、「来る途中にお花が咲いていました」など会話をつなげられるようになって欲しかったんです。先生から家でもしっかり練習をして下さいと言われていたので、家でも幼児教室の面接結果を見ながら、面接の練習をしました。

――ご主人も面接の練習に加わることがありましたか。
 ありました。私が食事の準備をしている時に、この内容を聞いて、と言って手伝ってもらっていました。息子は主人と面接の練習をしている方が楽しそうでした(笑)
――ご主人の面接の仕方は、お母さんと違ったのでしょうか?
 主人は仕事が忙しくて息子と喋る機会も少ないので、受験を意識した面接ではなく普段の会話の感じでいろいろ聞いていたんです。今誰とどんな遊びをしているの、今どんな食べ物が好きなの、おいしそうだね、と。息子と主人は会話を楽しんでいたんだと思います。

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