●幼児教室では、息子のいろいろな表情を見ることができます
――休日は家族で遊びに出かけることも多くありましたか。
ええ。公園に行ったらキャッチボールやサッカー。サイクリングに行って、スケッチをすることもありました。季節感を大切にしていました。春は桜を見に行き、夏は海、秋はどんぐり拾いにくなど、季節を体験できるように仕向けました。出かけた場所で息子の知らない虫を見つけたら、覚えておこうね、と言って、図鑑で調べることもありました。
――お子さんは、自然に触れる時間が多かったのですね。
ええ。息子がもう少し小さかった頃は、地方に住んでいたので、海も山も近くて、友達同士でいろいろなところに行っていました。行った場所で、よく絵も描いていました。家族みんな絵を描くことが大好きなんですよ。
――お子さんはどんな絵を描いていましたか。
息子は、何かを創造して描くというよりも、写生が好きでした。幼稚園に入る前に、私の似顔絵を描いたことがあって。ちゃんと顔の輪郭があって、目や耳もあったんですよ。親バカかもしれませんが上手だな、と思いました(笑)。
――おうちには、お絵かきセットを用意していましたか。
ええ。画用紙とクレヨンと色鉛筆。息子が描きたいとき、すぐ自分で取り出せる場所に置いてありました。
――お母さんは、幼児教室でお子さんの様子を見学することもありましたか。
できるだけ見学していました。家庭では見せない息子の表情を見ることができますから。入りたての頃は、見学するたびに息子の表情が変わっていくので驚きました。先生が息子の良い所を引き出して下さってその成長の過程を見ることができて良かったです。
●息子がおばあさんに席を譲ったんです
――おうちでの勉強時間は決めていましたか。
幼稚園に行く前の30分間は必ず勉強させていました。あと、塾で勉強したことは習った日のうちに復習して、間違ったところは息子と話し合いながら進めました。
――勉強を教える際、お母さんが心がけたことはありましたか?
息子は、じっくり考えて問題を理解するタイプなので、わからなくても急かさないことを心がけました。息子は、5分あれば解ける問題を1分で解きなさいと言われることが嫌だったみたいで、当時からペーパーのみの試験の学校は受験したくないと言っていました。
――お子さんの得意・不得意をあげるとすると?
体を動かすことが得意です。息子は幼児教室の生徒の中で、逆上がりも跳び箱も一番早くできるようになって喜んでいました。当時は嬉しそうに鉄棒ばかりしていました。不得意なことは暗記でした。話の記憶や話を聞いてそれに関係する問題を解きなさいといったものから、番号の復唱も苦手でした。あと、この建物を右側から見たらどう見えますか? という思考の問題は難しくて親子で苦労しました(笑)。
――ご主人は受験に協力的でしたか。
ええ。主人の手が空いているときは、勉強を見てもらうこともありました。基本的に、絵画とペーパーは私、体操は主人と決めていました。それから朝は必ず家族全員で食事をして、主人と息子が話す時間も積極的につくっていました。
――お子さんを連れて、よく外出しましたか。
ええ。息子と一緒に献立を考えて買い物に行っていました。スーパーには、季節外のものも多く並んでいてあまり勉強にはならないと思いましたので、果物と野菜は八百屋さんで買うようにしていました。お店では、息子に季節の食材を聞いてみたり、この野菜はこんな色をしているでしょ、と話しかけたりして覚えさました。
――お子さんを一人で買い物に行かせることもありました?
なかったですね。親が近くにいて子供の疑問に答えてあげることが大切だと思っていましたから。お店で私が頼んだものを取ってこさせるくらいのことはありましたが。私が、カレーを作るから何が必要だと思う? と聞いて、息子がジャガイモ、と。息子がジャガイモを持ってきたら、よくできたね、料理して食べようね、と褒めていました。息子に、店員さんに夏に美味しい果物は何ですか? と聞いてごらん、と言うこともありました。息子は、モジモジしながらですが、ちゃんと聞いていました。
――幼児教室や塾への移動手段は?
ほとんど電車でした。電車だと、公共のマナーも覚えられますし。
――どういうふうに、教えていましたか。
電車のホームに点字ブロックがありますよね。それを指差して息子に、これは何だと思う、と聞くんです。息子が知らないと答えると、これは体の不自由な方のためにあるんだよと、このラインからもっと離れて立つんだよ、と実物を見せて教えました。それから電車の中では、大きな声を出さない、混んでいる時はなるべく立っていること、自分が座っている時にお年寄りがいたら席を譲りなさい、ということも教えました。
――電車でのエピソードはありますか。
息子が、知らないおばあさんに席を譲ったことがありました。息子は、おばあさんが立っていることに気付くと、落ち着かない様子で、私の顔をチラチラ見てきたんです。私は顔を合わせずに、息子の反応を見ていました。すると、息子は立ち上がって、「席、どうぞ」と言ったんです。その時は感動しました。
――お子さんは、どんな様子でしたか。
おばあさんにありがとう、やさしいね、と言われて嬉しそうにしていました。受験がなければ、こういった経験はできなかったかもしれませんね。
――お子さんの人見知りも直ってきた感じですね。
ええ。年長になってからは人見知りが少なくなり色々な人と話せるようになりました。