「人見知りが強い」「内弁慶で外に出ると借りてきたネコみたいにおとなしい」「泣き虫」‥‥うちの子は受験には不向きではないかという相談をうけます。しかし、最初からものわかりがよくて、親の言うことを素直に聞いて、思いやりがあって、我慢強くて、人から話しかけられたらハキハキと答えて‥‥なんて子はいません。
どんな子にも、親の目から見れば「困った性格」はあります。しかし、受験に不向きだから「困った性格」なのであって、ふだんはそれほど困ってはいないケースが多いのです。しかも、子どものいろいろな性格を「受験に不向き」と勝手に思いこんでいるのです。
打てば響くように反応する子・反応が鈍い子。集団の中でひときわ目立つ子・存在感のうすい子。真っ先に手を挙げる子・少し遅れて手を挙げる子、運動が得意な子・苦手な子、感情表現が豊かな子・そうでもない子‥‥いろいろなタイプの子どもがいますが、「受験に向き・不向き」はありません。
明るくて、ハキハキしていて、好奇心が強くて、リーダーシップがあって、人見知りをしないでどんなお友達ともすぐ仲良しになる‥‥私立にはそういう子が向いていると思っているのなら、近く私立小学校か志望校の門の前で学校に通う子ども達を観察してください。チャンスがあったら話しかけてみてください。誤解というか偏見がいっぺんに解消します。
各校とも同じタイプの子どもばかりを合格させるはずがないのです。おとなしい子もいれば活発な子もいる、意地悪な子もいる、勉強は嫌いだけれど体操は大好きという子もいる、お友達を気遣うやさしい子もいれば自分勝手な子もいる、そういう集団の中でそれぞれの学校が目指す方向で子どもを育てようとしています。
私立にはそれぞれ建学の精神とか教育方針、あるいは校風があって、それに合う家庭や子どもを合格させているではないかと反論が出るかもしれません。しかし、「教育方針に合う子を合格させているのではなく、合格した子を教育方針に沿って教育する」ということです。ここを間違えないでください。そもそも試験を受けた家族や子どもが学校の教育方針にあうかどうかはチェックのしようがありません。それに「本校が期待する子どもとは」などということを口にする校長はいません。
わが子の性格がどうであれ、「志望校に向いている・不向き」とか「受験に有利・不利」と決めつける必要はまったくありません。そもそも性格や個性などというものは簡単に変えられるものではないのです。「○○ちゃんは○○校向きね」などという「お受験通のアドバイス」は無視するのが賢明です。
ただ、性格・個性の中には、そのままほったらかしにしておいたら、ハタ迷惑になるし本人が困るという場合があります。それは自分でコントロールさせなければいけないでしょう。自分の思い通りにならないと泣きわめくようなところがあるのなら、世の中には思い通りにならないことがたくさんあるんだと、とにかく我慢することを教えなければなりません。抑制心の弱い子に育ててしまったのですから、自分をコントロールする精神力を身につけさせるのも親の仕事です。受験に不向きだからではなく、わが子が小学校に入ったときに困るからです。
5歳6歳の子どもというのは、成形前の粘土のような状態です。親が手をかければかけた分だけ「困った部分」は修正できます。
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