小学校受験 お父さんのための直前講座

11回

教えるな、先生になるな●わが子を5歳で数検6級に合格させた指導法

5歳6歳の子どもにとって勉強が楽しいものとは限りません。「ボクが(私が)勉強すれば大好きなパパとママが喜ぶ」から勉強するのです。志望校に合格したいために努力するのではありません。5歳6歳の子どもの場合、一生懸命勉強しなければならない動機がないということを知っておいてください。

5歳のわが子が数学検定6級(小学校6年生レベル)に合格したという父親の場合、どう算数への興味を引きだし、やる気を持続させたのか。数学検定6級のテストでは、以下のような問題が出ます。計算能力だけでなく、問題の意味がわからなければ答を出せません。小学校6年生レベルの読解力が必要です。答えを「書く能力」も必要です。

「計算技能検定」(電卓の使用は不可)
62.1÷23=
6−5.05=
4.56÷1.9=
( )÷5+8=11
6×[( )+13]=120

「数理技能検定」(電卓の使用は可)
「ふみさんとあつしさんの組の学級文庫には本が40冊あります。6月中にふみさんは学級文庫の本を4冊読みました。また、あつしさんが読んだ本の冊数は、学級文庫の15%にあたります。次の問いに答えなさい。
1 ふみさんは、6月中に学級文庫の本を何%読みましたか。
2 あつしさんは、6月中に学級文庫の本を何冊読みましたか。


5歳の子どもがここまでのレベルに達するにはかなりハードな勉強をしてきたと思いますが。実は、この父親の場合、子どもに付きっきりで算数を教えたということはなかったようです。2歳4か月のときに、たまたまパソコンで「かずのあそび」という自作のソフトの遊び方を教えたところ、この遊びを面白がったので、それならばと算数のドリルを買い与えたら、それに夢中になったと言います。

早期教育にはほとんど関心がなかったこともあって、オモチャ代わりにパソコンをいじらせ、ドリルを与えたというのが実際だったようです。実は、この子のお母さんは早期教育には反対だったこともあって、父親が家で本格的に加減乗除の計算の仕方を教えることはなかったし、そもそも子どもが「この字は何と読むのか、どんな意味か」と聞いて来ないかぎり、こちらから教えることはなかったようです。

幼児教育に携わる多くの専門家が指摘するのが、「教えない」という指導法です。教えようとすればどうしても「押しつけ」が入ります。遊びに夢中になっているときに「勉強しなさい」といわれれば、勉強とはつまらないもの、苦痛なものという先入観を植え付けることになります。また、何かを教えれば、きちんと理解出来たかどうかを確かめたくなります。何回教えても理解できなければ叱りたくもなります。この「押しつけ」と「試す」ということが、子どものやる気を阻害する最大の要因といわれています。

この父親の場合、ドリルの勉強は1日1ページと制限していたことも、算数の興味を持続させるポイントになっていたと考えられます。好きなだけやらせるとすぐ飽きるためと、算数への興味を持続させるためです。この子の場合、1日1ページのドリルが、朝の歯磨きと同じように生活の一部になっていたのです。

このお父さんはお子さんと一緒に数検のテストを受験しています。同じ教室でテストを受け、試験終了後、お互いに答え合わせをしています。会場付近のファミリーレストランや帰りの電車の中で答え合わせをしている父と子の姿は何ともほほえましい光景です。

お父さんよりも早く問題ができたときや、お父さんよりも点数が上だったときの子どものうれしさは格別だったと思います。次は満点をとりたい、もっと上のクラスに挑戦したいと思ったはずです。算数は面白い、もっといろいろなことを知りたい、もっと上を目指したい‥‥この好循環が子どもを算数好きにさせたのです。

子どもの意欲を引き出し勉強好きにさせるには、「教えない」「ブレーキをかける」「一緒に楽しむ」ことが大事ということを、上の事例は教えてくれています。お父さんが先生になってはいけないということかもしれません。





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