小学校受験 お父さんのための直前講座

9回
子どもに演技をさせるな●すべてが演技かと不信感をもたれる


あるテレビで8歳の男の子が二重瞼の手術を受けたケースが紹介されていました。一重瞼だった男の子は、手術後、くっきりとした二重瞼の男の子に「変身」。手術後、医師から鏡を差し出されても男の子は自分の顔を見ようとはしません。家に帰っても、壁のほうを向いたまま家族と顔を合わせようとはしません。恥ずかしかったのでしょうね。

バカらしくて途中でテレビを切ってしまったのですが、何のために二重瞼の手術を受けさせたのかは不明です。タレントにするつもりだったのかもしれません。手術をした医師、付き添っていた母親、家で待っていた父親‥‥この人たちはいったい何を考えているのかと腹立たしくなります。子どもの心にどんな影響を与えるか気になります。8歳というと、小学校2年生か3年生でしょう。クラスメイトがどんな反応を示すか、他人事ながら気が重くなります。

ふと、「お受験」のために、わが子の瞼を二重にしたいと考える保護者がいるかもしれないと思いました。入試が間近になってくると、どんなに常識的な親でも合格のためには「ナンデモアリ」という心理に追い込まれます。入試が終わった後、なんであんなことをしたのか、思いついたのかと自分のことながら不思議になることが少なくないようです。わが子の顔をいじるようなことはしないでください。ご両親のどちらかが客観的にならなければいけません。

受験のために整形手術をする、そんな馬鹿げたことはあり得ないと思うのがフツーの感覚です。しかし、「お受験」の世界では、志望校に合わせて「活発そうに見せる」とか「お嬢様っぽく見せる」ために、洋服のデザイン、色、柄などに工夫を凝らすことがあります。試験官に話しかけられたときは、女の子であれば、首をちょっと傾けると可愛いといったアドバイスもあるようです。しかし、子どもに演技を強いるのはそこまででしょうね。どれほど効果があるかは疑問ですが‥‥。

ある校長が、「最近、同じような表情をする子どもが多くなった」と言っていました。「つくり笑顔」のことです。写真を撮るときの「はい、チーズ!」です。小さな子どもですから、タレントのようには上手に演技できません。「こわばった笑顔」になります。どう思いますかと聞いたら、子どもにそんなことをさせる必要はまったくないと笑っていました。

元校長にこの話をしたら、「行き過ぎた演技は不信感を持ちます。親の態度も子どもの様子もすべてが演技かと思うから、そんなことはさせないほうがいい」と言っていました。同感です。こんな小さなうちから演技など教えなくてもいいのです。大人になればイヤでも演技しなければなりませんから。これもお父さんのチェック項目の一つです。




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