「一緒に遊んでいたお友達がケガをしました。どうしたらいいですか」
「水たまりの中で遊んでいたら、通りかかった人に泥水がかかってしまいました。あなたならどうしますか?」
「デパートでお母さんとはぐれてしまったらどうしますか」
「レストランの中で走り回っていたら店員さんに見つかってしまいました。どうしますか?」
昨年、出題された問題です。そろそろお子さんの面接練習をしていると思いますが、これに似たような問題は想定していましたか? 試しにお子さんに質問してみてください。
「電車の中でお年寄りが乗ってきたらどうしますか?」は答えられると思います。「公園の中で困ったことをしているお友達に○をつけてください」という問題にもパッと答えられると思います。どちらも練習しているからです。でも、練習していない問題に対して、お子さんはどんな対応をしますか?
「一緒に遊んでいたお友達がケガをしたらどうしますか?」という質問に対して、「近くの大人に知らせる」「僕(もしくはお友達)のママに知らせる」と答えられたら、とても上手にお子さんを育てられたと思います。
市販の本の多くは、これらの問題を「常識」とか「社会性」という捉え方をしていると思いますが、「とっさの機転」「状況判断力」と考えてください。「常識」とか「社会性」となると、交通ルールのように知識として教えればいいと暗記させてしまいます。「とっさの機転」「状況判断力」となると、出題例を暗記させればいいというわけにはいきません。
「ペットボトルの底にある一円玉をペットボトルに手をふれないで取りなさい。ストローと割り箸を使ってもいいですよ」という問題が出ました。「応用・工夫力」が問われています。同じ問題は出ないでしょうから、これも事前に練習できません。
なぜ、こうした問題が出るようになったのかというと、大きな理由は、事前に練習できないという点にあると思います。練習できる問題では、子どもの資質をチェックするのはむずかしいでしょう。といって、難問奇問を出すわけにはいきません。5歳6歳の子どもでも答えられて、しかも事前に練習できない問題は何か‥‥という視点から、「とっさの機転」「状況判断力」「応用・工夫力」というジャンルからの出題が注目されたとも言えます。
「とっさの機転」「状況判断力」とか「応用・工夫力」は、事前に練習できないだけでなく、いろいろな能力が基礎にないと発揮できないところに特徴があります。「とっさの機転」「状況判断力」を身につけるには、いま、自分がどんな状況におかれているかを的確に判断しなければなりません。それには観察力や注意力、予測力などに加えて行動力も必要になってきます。「応用・工夫力」についても、おなじようなことがいえるでしょう。
子どもの資質、潜在的な能力を知るにはどうしたらいいか。少子化の一方で進む小学校の新設ラッシュの中で、各校とも生き残りをかけて「優秀な子の掘り起こし」に躍起となっています。「学校がほしいと思う子ども像」を固定的に考えるのは賢明ではありません。
出題例が少ないのに勉強させる必要はないと思うかもしれませんが、ときどき子どもに問いかけたり、考えさせるだけでも効果はあります。たとえば、このケーキを切り分けるのに、ナイフも包丁もないときはどうしたらいいと思う? と聞いてください。答えられなければ、糸で切り分けられることを見せてあげてください。
子どもの手が届かないところにあるものを取らせるのもいい方法です。踏み台をもってくるか、棒を探すか、どんな行動をするか観察します。どうしてもダメだったら、こうすれば取れるとお父さんがやって見せてください。一つ、知恵がつきます。受験のためというより、子どもが生きていくのに必要な知恵と思えばムダにはなりません。
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