「バランスのとれた子」という言い方があります。性格は穏やか、積極性もほどほどにある、探求心は強い、リーダーシップはとくにあるわけではないが、全体のまとめ役的な存在、困っている子がいれば声をかけるやさしさがある、本が好きで4歳くらいからは1人で絵本を読む、親の言いつけはよく守る‥‥わが子は、そんないい子であってほしいと思いますか?
30代から40代というと、社会人になって15年〜20年、世の中というものがわかっていますから、本気でわが子がカドもトゲもない人間に育ってほしいと思っているのかどうか、ちょっとくらい人間的にクセがあったほうがいいと思っているのではないでしょうか。
仕事柄、いろいろなジャンルで成功した人に会いましたが、みんな強烈な個性の持ち主です。我が強い、自説を曲げない、協調性がない、敵が多い、思いやりとかやさしさはない、感情の起伏が激しい、自分勝手、自己顕示欲がつよい、出しゃばり、一匹狼(集団行動を嫌う)‥‥あなたの身近な人でヤリ手とか凄腕といわれる人はみんなこういうタイプではないですか? ひょっとするとあなた自身、そうなのかもしれませんが‥‥。
そう考えてみると、成功している人の多くが「受験に不向きな性格」ということになります。皮肉なことです。わが子が格差社会の中で「勝ち組」の中に入って、幸せな人生を送るには、一流大学を出たほうが有利、それには小学校から私立へ‥‥というストーリーを考えての小学校受験だと思います。しかし、「バランスのとれた子」にこだわると、ちょっと矛盾したことになります。
成功する人の性格の大半は、世の中に出てから身につけたものという見方もあります。たしかに、子どもの頃はおとなしくて、親の言いつけには逆らったこともないという人が、世の中に出てからは「業界の異端児」だとかいわれるケースがあることも事実です。しかし、幼児期はどんな子どもだったかを聞くと、たとえば、おとなしくて素直ないい子と見られていたが、いったん言い出したらテコでも動かないところがあったなど、原型は幼児期につくられていたと思える節があるのです。
どんな子でも性格に凹凸はあります。凹は引き上げて凸はへこますと、理屈の上ではそうであっても、もって生まれた性格や個性は、たとえそれが受験に差し障りがあったとしても直そうとはしないほうがいいのです。お調子者で、時と場所に関係なくはしゃぎ出す子がいますが、はしゃいだり騒いではいけないときは叱ればいいのです。そのうちここは走り回ってはイケナイ場所だ、ここは静かにしていたほうがいいと自分で自分をコントロールできるようになります。
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