連載企画 願書・面接資料の書き方

第2回



学校説明会に出席するときのチェック・ポイント

いよいよ学校説明会のシーズンですが、願書を書くときのネタ探しのつもりで出かけてください。というのも、いざ、願書に書く段になると、何を書いたらいいのかわからないという人が少なくないからです。わからないというより、ほとんど記憶に残っていないのです。校長先生の話に感動したとしても、2〜3日すると、感動したという記憶はかすかに残っていめけれども、話のどの部分に感動したかがわからなくなってしまうのです。3〜4校の学校説明会に出席したような場合は、学校別の情報を正確に記憶しておくのはなかなかむずかしいでしょう。「出席した」という記憶しか残っていません。

これでは、願書の志望理由欄が書けません。面接のときに、「学校説明会にご出席いただいたときの感想は如何ですか」「わが校のどんなところに共感していただけましたか」と聞かれても的確に答えられません。本命校や第2志望校であれば、学校説明への出席が入試のスタートと考えたほうが収穫は大きいのです。

単なる「学校見学」ではなく「取材に行く」という気持ちで学校説明会に参加するのもいいと思います。取材ですから、後でレポートにまとめなければなりません。となれば、校長先生の話を聞く姿勢も違って来ます。漫然と授業を見学することもないでしょう。先生の教え方のどこが上手だと思ったか、子どもたちは授業に集中していたか、ぼんやりしている子はいなかったか‥‥チェック・ポイントはいくらでもあります。

チェック・ポイントは何かがわからないという人もいますが、あまり大袈裟に考えなくてもいいのです。とりあえずは、目についたこと、感じたこと、耳に入ったことを、何でもアットランダムにメモしておきます。大事なことかそうでないかの判断はしないで、何でもメモするくらいの気持ちでいいのです。

●校庭にゴミが落ちていなかった
●教職員の応対がキビキビしていた
●守衛さんが丁寧に挨拶してくれた
●参加した親の多くは何となく上流階層の雰囲気があった
●校長の話の中で「○○○○○」はとくに印象的だった
●校門のすぐ前が交通量の多い幹線道路、子どもの飛び出し事故が心配
●公立小学校より授業時間が○○時間も多い
●授業中、居眠りをしていた子がいた
●先生の教え方が上手だった
●廊下ですれ違ったとき、どの生徒もきちんと挨拶をした
●パソコンは生徒1人1台とIT教育に力を入れていた
●どの生徒もノビノビと育っているという印象をもった

こうしてメモした項目が40〜50くらい集まると、志望理由に関連する項目が多いことに気づくと思います。それまで漠然としていた志望理由が次第にはっきりしてくるのです。「自然が多く残っている教育環境のよさに感動しました」というより、「校庭にゴミひとつ落ちていないことに驚きました。ここまで子どもの教育環境に気を配る姿勢に感銘しました」というほうが、聞く側は好感をもちます。

逆に、「参加した親の多くは何となく上流階層の雰囲気があった」という印象は、最終的に志望校を決める際のポイントになるかもしれません。わが子を6年間預けるのに値する学校かどうか、しっかりとチェックしてください。その上で決めた志望校であれば、説得力のある志望理由になります。


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