連載企画 願書・面接資料の書き方

第42回

●「個性的な志望理由」を書くには秘訣がある


みなさんの願書で共通する弱点は、志望理由や家庭の教育方針があまりにも抽象的だという点です。特徴がないと言い換えてもいいでしょう。なぜ、そうなるかというと、もともとわが家の教育方針は何かなどということは、願書を書くまで考えてもいなかったためです。つまり、「願書と面接対策のためのわが家の教育方針」ですから、抽象的にならざるを得ません。当然、皆さんの願書は似たようなものになります。

その上、わが家の教育方針は志望校の教育方針に沿ったものにしなければいけないという思いこみがあります。そうすると、どんな「志望理由」や「家庭の教育方針」になると思いますか? 「えっ、うちの教育方針って、こんなにスゴイの?」というものができあがります。

どうしたら、抽象的な志望理由になるのを防げるか。「わが家の教育方針」などと大げさに考えなければいいのです。奥さんと(ご主人と)、「うちはどんな子育てをしてきたのか」と話し合ってください。10分や20分で結論を出さずに、何回も話し合います。

「どんなときに子供を叱ったのか・ほめたのか」というテーマでもいいと思います。「わが子が成長したと思ったのはどんなときか」でもいいですね。子供が嘘をついたときは1時間もベランダに出しておいた。あのとき、あなたは青筋を立てて怒ったといったことがあれば、二人がどんな考え方で子供を育ててきたかが少し見えてくるかもしれません。

子どもがカブトムシが欲しいと言い出したとき、まだ5月だからカブトムシは林の中にいないとわかっていても、日曜日の朝早く、2人でカブトムシを捕りに行ったということがあれば、いったん言い出したら親の言うことを聞かないためだけでなく、そこに子どもをどう育てて行こうとしているかの基本的な姿勢が隠されていると思います。この辺はじっくりと話し合わなければキーワードは出てきません。

「お子さんが将来、どんな大人になってほしいのか、どんな生き方をしてほしいのか」という切り口でも、志望理由が見つかると思います。父親の事業を引き継いでほしいのであれば、後継者を意識した育て方をしていると思います。父親が医者であり、自分が苦労して開業したクリニックを継がせたいと期待しているのであれば、どんな医者(人間)に育ってほしいのかは、自然とにじみ出ていると思います。それが志望理由であり、わが家の教育方針です。志望校の教育方針とすり合わせるようなものではないのです。




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