トップページへ

 

短期集中連載 大丈夫ですか? 面接対策

「子供の成績には関係なく合格する」という父親の職業


「評価基準」とは何なのかをもう少し考えてみましょう。というと、何か門外不出の秘密が明らかになるのかと期待されると困るのですが、種を明かせば、なんだ、そんなことは当たり前じゃないかと叱られるかもしれません。しかし、世間の常識が通用しにくいのが、小学校受験の世界なのです。学校の関係者に有名なデザイナーがいるから、そのデザイナーの洋服を着て面接したほうがいいと真剣に信じるお母さんもいるのですから。

父親の職業によっては、「子供の試験の成績には関係なく合格する」というケースがあります。それはどんな職業かはあえて言いませんが、逆のケースを考えれば、何となく推測できます。

たとえば、父親の勤務先が破綻が懸念されている会社という場合、子供本位で合否を決めるかどうかです。もし、あなたがその学校の理事長だったら、どんなに優秀な子でも、合格させることにはためらいが出るのではないでしょうか。というのも、月謝の滞納や退学が恐いからです。資金面の不都合だけでなく、月謝を払えない親が多いとか退学者が続出しているという噂がでることもマイナスイメージになります。欠員補充をすればいくらでも生徒は確保できるとはいうものの、月謝滞納者や退学者は出ないほうがいいのです。

校長ではなく、「理事長だったら」と仮定したのは理由があります。理事長というのは、「民間企業の経営者」としての視点が当然求められているからです。理事長から、校長をはじめとする教職員に対して、この不況下、リスクは芽のうちに摘み取れという方針が出ていたとしても、すこしも不思議ではありません。それどころか、当然あり得る話です。

こういうときに例にあげたら叱られるかもしれませんが、父親が公的資金を投入された金融機関に勤務しているのであれば、当然、学校側は警戒します。面接の際に、仕事のことを聞かれるのは必至であり、学校側の不安を払拭する「答弁」を用意しておかなければ合格はむずかしいでしょう。
この父親なら、リストラの対象にはされないだろうし、かりに職を失ったとしても月謝の滞納や退学という事態はさけられるだろうと安心させなければなりません。面接時間は、せいぜい5分か10分です。その間に、学校側の不安を払拭するには、相当の準備が必要です。こう聞かれたら、こう答える。さらに突っ込んだ質問が出たら、こう答える。二段三段構えの対応が必要です。「保護者の仕事」に関する質問にどう対応したらいいかは、いずれ各論で詳しく説明します。

会社の業績がいいから、そうした心配はないと思っても、安心できません。経済は生き物です。数ヶ月先がどんな状況になっているかはわかりません。極端なようですが、もし、SARS(新型肺炎)が国内で発生した場合、自分の勤務先や仕事はどんな影響がでるかも考えておく必要があります。新型肺炎に感染していた台湾人医師が国内を旅行したときの騒ぎを思い起こしてみれば、安閑としていられるはずもありません。現に、その台湾人医師が宿泊したホテルでは数千万円の減収になったほどです。

そんな質問は出ないと思っても、こればかりはわかりません。校長は「教育者の視点」で子供と親を観察しますが、理事長は、「経営者の視点」によりウェイトをおくはずです。国内で新型肺炎が流行した場合、父親がどんな会社に勤めているかは要注意という方針が理事長から出るかもしれないことは、そう荒唐無稽な話とはいえないのです。

こう考えてみると、「子供の成績には関係なく合格する」という、父親の職業が何であるかは推測できると思います。一つは、父親がゼッタイに倒産しない会社や仕事についている場合です。たとえば、父親が公務員であれば、月謝の滞納や経済的理由による退学などのリスクが少ないでしょう。同じ公務員といっても、地方公務員よりも国家公務員、上級職合格者ならなおけっこうということです。また、その子供の父親と良好な関係をもつことで、さまざまなメリットがある場合も、その子の入学は歓迎したいということになるでしょう。祖父は日銀の理事、祖母は有名大学の教授で組閣のたびに入閣が噂されるという家系なら、子供の成績はあまり関係ないでしょう。

ある幼児教室のトップは、「面接の目的は一つしかありません。月謝を払い続けることができる親かどうか、それを見極めるためです。学校の教育方針を理解しているかどうかといった問題は、経済力をクリアした上での話です」と指摘しています。

こう書いてくると、金持ちしか入れないじゃないか、そもそも小学校受験のための準備なんか必要ないと思うかもしれません。むろん、
「フリーパスの子供」はごく一部です。大半は、試験の成績順で合格が決まります。受験準備を一生懸命したほうが合格に近づくことは当然です。しかし、「子供の成績には関係なく合格する」ケースがあり、残った席をみんなで競い合うというのが、一方の現実だということも知っておいてください。


第1回

トップページへ


Copyright (C) 2003 小学校受験・幼稚園受験「お受験やっほ〜い!」蔵書房