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わかりきったことですが、志望理由とは、なぜ志望校に志願したのか、その理由は何かをあきらかにするということです。その理由がはっきりしていればいるほどいい志望理由になりますが、志願者の多くは、このわかりきったことを書くのに四苦八苦します。というのも、文章が苦手というのではなく、「有名校だから」とか「通学に便利だから」などと本当の志望理由が書けないためです。
そこで、幼児教室で教えられていることは、「志望校の教育方針と家庭の教育方針の一致」というパターンです。学校説明会などの場で、「本校の教育方針をよく理解した上で志願してほしい」と説明されていますから、誰もが、この図式に沿った志望理由を書くようになりました。むろん、それでもいいのですが、このパターンには弱点があります。みんなが同じようなことを書くということと、もう一つは、質問材料がないということです。たとえば、次のような例です。
子供1人ひとりの「個」を大切にし、自主的な発想や好奇心を引き出すという御校の教育方針に共感を覚えました。いろいろな体験を通じて、創造力を発揮させるという本人の特性を御校のご指導の下、さらに伸ばしていただきたく志願いたしました。
何も問題はないようですが、この志望理由の弱点は質問材料が見あたりません。前半は志望校の教育方針です。質問するとすれば、後半の「いろいろな体験を通じて、創造力を発揮させるという本人の特性」の部分ですが、この箇所はあまりにも抽象的であり、面接官の興味・関心を引きません。何か聞いてみたいという気にはならないのです。
こうした場合、面接官はどうするかというと、面接時間が短いため、「『いろいろな体験』とは具体的にどういうことですか」などと、抽象的に書かれた部分を掘り下げて質問するということはしません。突っ込んで質問がでることを期待して答を準備していてもカラ回りすることが多いのです。
「学校説明会の感想をお聞かせください」とか「願書に書かれていることのほかに、本校のどんなところに魅力をお持ちになりましたか」「どんなお子さんになってほしいですか」などと、誰に質問してもいいようなことを聞くと思います。
志望理由をじっくり読んで質問する‥‥という丁寧な対応はできないのです。このため、さっと斜め読みして、何も興味を引くような記述がなければ、当たり障りのない質問をするということになります。
保護者面接がこういうやりとりで終わった場合、大きなミスをしないかぎり、プラス点はつけにくいでしょう。しかし、合否はどんな基準で決められるかは各校とも公表していませんが、ある学校の場合、子供の成績プラス親の面接評価点の合計としています。
親の面接は合否に影響させないと言い切っている学校もありますが、「原則として」であることは言うまでもありません。面接をする以上、親の評価が高ければ合否に影響させることは当然でしょう。合格点に達している子供が定員をオーバーしている場合、親の面接点が影響することは言うまでもないでしょう。逆に、親に何らかの問題があるとチェックが入った場合は、たとえ、子供の成績が合格点に達していたとしても、合格はむずかしいと思います(「この項、つづく)。
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