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以下の志望理由をご覧ください。
息子は自然科学的な事柄に大変興味をもっており、小さな頃から親子で山に石集めに行ったり、石の科学館へ行ったり、簡単なキットを使った実験を楽しんでおります。学校説明会の折に、「目標を達するためには我慢や粘り強さが大切」という校長先生のお話をお伺いし、この先生の下でお育ていただきたいと考え、志願いたしました。
実は、上記の志望理由はあまり「いい」とは言えません。志望校のことをどれくらい理解しているのかが触れられていません。学校説明会の校長先生の話に共感したということでしょうが、「目標を達するためには我慢や粘り強さが大切」の部分は、いわば当たり前のことであって、ここを志望理由にするには説得力が薄いのです。
しかし、この志望理由のよさは、一つは、どんな子育てをしてきたかがよくわかる点です。休日になると、父親と一緒にリュックを背負って山に石集めに行ったり、子供向けの科学実験キットに夢中になっている、そんな光景が目に浮かびます。
もう一つは、この志望理由には、「どんな石を集めますか」「石集めの楽しさは何ですか」等々、質問材料がいろいろあるという点です。就学前の子供が石集めが好きというのは珍しいケースでしょう。面接官の印象も強かったと思います。余談ですが、たまたま面接に立ち会った校長先生も石集めが趣味だったようです。話が弾んだでしょうね。
もう一つ、志望理由を紹介します。
志願者の父である私は、13代目の住職として○○宗○○派の寺院を営んでおります。娘は寺に生まれ育ちましたため、「狭い世界(視野)で生きている」という側面が否定し難くあるように思います。貴校において、特にキリスト教の教えに触れることは娘の世界観を広げ宗教的精神を養うことに大なる影響があると確信いたします。キリスト教は一つの宗教という枠を越えており、貴校が実践されようとする宗教教育にとても魅力を感じております。
この志望理由のよさは、「キリスト教の教えに触れることは娘の世界観を広げ宗教的精神を養う」と志望理由がきわめて明確であることです。あいまいな点はまったくありません。志望理由が明確です。そして、一読しておわかりのように、キリスト教の学校にお寺さんの子供が入学したいというのですから、質問材料はたくさんあると思います。
志望理由を書くときは、たくさんの願書の中の1枚であることを忘れないでください。人気校になると、面接官は1000枚近い願書に目を通します。ほとんどの願書は、学校のことをしっかり理解できていて、家庭の教育方針との一致点があるなど、願書でチェックが入るケースはないのです。そういう中で、ひと味の違いを出そうと思ったら、その方法の一つは、願書は面接の質問材料と割り切ることです。
志望理由を書くときは、志望校の教育方針と家庭の教育方針との一致にこだわると思いますが、質問材料が盛り込まれているかどうか、面接官の立場に立って見直してください。どんなにいい志望理由であっても、質問材料が何もないというのは、試験官の印象には残りにくいとお考えください。
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