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出題範囲がない‥‥これが小学校受験の最大の特徴です。ペーパーテストのほかに集団行動・制作・絵画・運動などがあり、これらのテストの最中に試験官が子どもにいろいろと質問する学校もあります。親の面接では、月謝を払い続けていくだけの経済的な基盤はしっかりしているか、6年間つきあっていけるような世間の常識をわきまえた親か、些細なことで学校にクレームをつけてくるようなことはないかといったことが合否の判定材料にされます。
テストには関係のない、例えば待ち時間、移動時間の態度もしっかりと見られています。守衛さんに挨拶をしたかどうかをチェックした学校もあります。文字通り、学校の門を入ってから出るまでのすべてが考査の対象になっています。さらに最終的な合否決定の会議では、縁故の有無や寄付金の額などの要素がからんでくることもある‥‥要するに、小学校受験というのは、子供のテストの成績だけで合否が決まるのでないのです。
もうひとつ肝心なことは、試験を受けるのはわずか5歳か6歳の子どもです。体調十分の状態で試験を受けるとは限りません。試験当日、風邪を引いて熱があれば普段の力を発揮するのはむずかしいでしょう。集団行動のときに、たまたま隣の子から意地悪をされて泣き出してしまえば致命傷になります。個別考査のときに、質問してきた試験官のヒゲが怖くて、きちんと答えられなかった子もいます。そう考えると、受験した学校すべてに合格するのは並大抵のことではありません。宝くじを5枚買ったら、すべて当たりくじだったようなものです。
ところが、毎年、受験校オール合格の子どもが何人かいます。この子たちはどの学校もほしがるスーパーキッズなのか、それともたまたま運がよかっただけなのか。昨年、最難関の幼稚舎を含めて6校すべてに合格した子どもの母親から、「うちの子は精神年齢が高いと思います」という話を聞いたことがあります。
取材当時、実は、この言葉がキーワードになっていたことに気づかなかったのですが、その後、幼稚舎に合格した子どもの母親(10人)に取材したとき、合格したポイントは何と思うかという質問に対して、「責任感が強い」「気配りができる」「思いやりがある」「その場の状況判断ができる」などの言葉が返って来ました。実は、これらは「精神年齢が高い」とは表裏一体だったのです。次回からは、どう精神年齢を高めたらいいかの具体策に触れます(この項つづく)。
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