●絵に物語性を持たせていました
――お子さんが成長したと感じた時期はいつですか。
年中の夏休み明けですね。それまで、教室では、モジモジするところもあって、先生がお返事をしましょうというときでも、自分から大きな声で挨拶をすることは少なかったです。
――何がきっかけでモジモジすることがなくなりましたか?
やはり先生方から上手に指導されたと思います。また、夏休みの間は、幼稚園や教室の先生やお友達とは別の人と知り合うチャンスをたくさんもてたことが良かったのだと思います。夫婦それぞれの実家に、お盆にお墓参りに行きました。そこで、全く知らない大人の方から、君は何歳、何というお名前とか聞かれて、息子が、きちんと答えられたところを見て、成長してきたなと思いました。
――通っていた幼児教室には慶應幼稚舎コースがありましたか?
いや、ありません。自由制作やペーパーのある基本コースを受講し、年長からは絵画コースも受講しました。
――慶應幼稚舎コースがないことに不安はなかったですか?
ええ。学校別コースは必要ないというのがこの教室の先生方のお考えですが、同感できましたし、それに長男のときもこちらにお願いして慶應幼稚舎に合格していますから、まったく不安や迷いはありませんでした。
――幼児教室には週何回通いましたか。
週に1回です。1日に2コマ連続で受講していたので、年長になってからも日数は変わりません。
――絵画コースを受講した理由は幼稚舎の試験を考えてのことですか。
いえ、試験のためというより、息子が絵が好きだったことが理由です。絵画の授業は、テーマと使える色は決まっているのですが、それ以外は、自由に描かせてくれました。自由といっても、好き勝手に描かせるだけではなく、注意したほうがいい場合は、こうしなさいではなく、どうだろうか? と子ども自身に考えさせるような指導法でした。顔や体はこう描かないとダメという教え方はまったくなかったですね。そういうこともあって、息子は、暇さえあればお絵かきしていましたね。
――ご夫婦も絵がお好きなのですか。
ええ。主人がデザイン会社を経営していて、私も結婚前はデザイン関係の仕事をしていました。だからなのかどうかはわかりませんが、息子はすごく絵が好きですね。上手下手ではなくて、すごく楽しく描いていました。家族で美術館に行く回数も多いですね。
――美術館に行くとお子さんはどんな感じですか。
本人が感じたままに喋りますね。これ、ヘンとか、黄色が多いよねとか、感じたまま思ったままのことを言っていました(笑)。
――お子さんが、最初に描いていた絵はどうでした。
ぐるぐる丸を描いて点でした。一歳半くらいのときには、自分でペンを持って描いていました。
――描いた絵は、お母さんに見せますか?
ええ。描いたら、すぐ見せに来ます。今でも、逐一報告に来ます(笑)。
――どんな絵を描くのですか。
主にヒーロー系のキャラクターですね。でも、既存のヒーローではなく、自分の頭の中で考えた空想のヒーローを描きます。面白いと思うのは、絵に物語性を付けているところです。例えば、主人公の男の子がいて、隣には魔法使いや海賊がいて‥‥といった絵です。息子は、その絵を私に見せながら、「ここで魔法使いが出てきて、海賊と戦って、そのとき‥‥」と説明してくれました。虫とか車も描きましたが、模写というよりは、自分のイメージしたものを描くことが多かったですね。
――お子さんは、誰に言われるわけでもなく、イメージした絵を描いて説明するのですか。
ええ。自然とそうしていました。あと、砂や風や水とか、従来、無機質なものをキャラクターにしていたこともありました。キャラクターそれぞれに性格も付けていました。その絵を見て、私は、かわいいと思ったので、Tシャツにプリントして、息子にプレゼントしました。
――お子さんは喜んだでしょう。
とても喜んで着ていましたね(笑)。
●少し喉の調子が悪いと息子は一人で病院へ行きました
――絵画のほかにも、お子さんのよいところを伸ばそうと思われたのは?
スポーツは得意という訳ではないのですが、外でよく遊ばせていました。そのお陰でしょうか、健康良好で、ほとんど風邪を引かないんです。兄弟二人とも、幼稚園のときに皆勤賞を頂きましたし。年少のとき怪我をして、お休みをもらう事はありましたが、病気で休むことはありませんでしたね。
――全く風邪を引かないお子さんだったのですか。
そうですね。たまに風邪を引きそうなときもありました。しかし、体調が悪いかなという時が、決まって金曜日とかの週末なのです。ですから土曜日の朝にかかりつけの病院に行って一日静かに過ごしていると、すぐ回復していましたね。すごくありがたかったです。
――お子さんが健康だと、育児も楽でしたね。
ええ。小さい子がいるわりには、病院へ行く回数が少なかったです。近くにかかりつけの小児科があったことも良かったですね。ちょっと咳が出ているかな、というときは、お薬を貰って治すといった感じですね。
――病院の先生とお子さんの会話はありますか。
ええ。年配の女医さんなのですが、二人とも生まれたときから診てもらっているので、色々話します。女医さんは、祖母の様な役目をしてくれます。私が息子と一緒に行っても、子供から話をさせる方です。女医さんが、何処が痛いのという問いかけに対して、息子は喉が痛いと答える感じです。
――それは、病院の方針ですか?
ええ。当たり前の事は、当たり前にしなさいというところです。初めて会った子でも、うるさくしていると叱る先生ですね。
――周りの環境が良かったのですね。
そうですね、今では二人とも、少し喉が痛かったりすると、一人でその病院へ行きますね。歩いて五分もかからないくらいですし。
――子供が一人で病院に行く事は珍しいですね。
安心できる病院ですし。町の小さな小児科という感じです。
――では、受験に向けて、特別、体調管理に気を使う事も少なかったのですか。
ええ。今になって思えば、特別に何かをしなかったのもよかったのかな、と思いますね。食事にしても、息子は好き嫌いが全くないのです。野菜の形を変えたり、味付けを甘くしたりもしません。メニューの中で、主人が好みで辛さを調整するとかはありますが、家族全員が同じものを食べます。
――それは、お子さんに嫌いな食べ物をつくらせないためにですか。
いえ。元々、私も主人も好き嫌いがないんです。ですから、その食生活を続けていたことが良かったのかな、と思いますね。息子は、食べ物のアレルギーもありませんでしたし。それが、結果的に体のバランスを良くして、幼稚園や幼児教室にも元気に通えたのだと思います。
――ご主人の帰りは何時ごろでしたか。
正確には決まってはいませんでしたが、遅くても八時前には帰ってきましたね。もし六時半まで待って、主人から今日は遅くなるという連絡が入れば三人で食事を採りましたね。七時くらいまでに戻れば、必ず全員で食事をしていました。
――朝は全員で食事をしましたか?
ええ。息子は、主人に、昨日あった出来事とかを話していました。