●お母さん達で声を掛け合って、情報交換の場を作っていました
――私立小学校は、何校受験しましたか。
五校です。
――第一志望は?
幼稚舎に入れればいいな、と‥‥。
――近くに幼稚舎に通っている方はいましたか?
いませんでした。受験参考書や幼児教室の先生から話をうかがって情報を集めました。幼稚舎は他の小学校と違い、わからないことも多かったので不安でした。
――幼稚舎がいいと思った理由は何ですか。
息子がのびのびと小学校生活を送れて、将来の目標を見つけやすい環境が整っていると思いました。息子は幼稚舎に通えることがわかると、スポーツ選手になりたいとか、将来の夢をたくさん話すようになったので、嬉しいですね。
――受験前、小学校受験のことをお子さんにどう話しましたか。
受験前は、受験するという自覚をもたせるためにきちんと話をしました。「受験」という言葉は使わずに、「みんな同じところに通いたいから、試験を受けるのよ。いろいろな学校の試験を受けて、あなたの一番好きな学校を選びなさい」と言いました。
――お子さんは、なぜ受験するのかと疑問は持ちませんでしたか。
なかったですね。息子の周りには小学校受験をする家庭が多かったので、受験自体に疑問はなかったと思います。幼稚園が終われば皆さん、幼児教室へ向かう感じでしたし。
――お母さん達で情報交換をするようなことはしましたか?
ええ。幼稚園が早く終わる日は、子供を連れて公園に集まっていました。子供も親も受験のことばかり考えていると疲れちゃうので、時間が合う日は、声を掛け合って、遊ぶ時間を作っていました。いつも5、6人のグループで、子供のことや世間話などいろいろ話していました。
――お子さんは小学校に通えることがわかると喜んだでしょう。
息子は、小学校に通えることについては喜んでいましたが、はしゃぎすぎるようなことはなかったです。大人しい子ではないのですが、小さいときから、障子を破いたり、物を壊したりすることもありませんでした。前々から絵や字を書く時は、新聞紙や画用紙を出して、そこに書くのよと教えていましたので、それがしつけになったのかもしれません。やっていいことと悪いことは自分で判断できていたようです。
●友だちの絵を真似て描いていることが心配でした
――お子さんは、絵を描く事は好きでしたか。
絵画はあまり好きじゃなかったと思います。自由に描くのは好きだったと思うのですが、テストや課題になると、緊張して思うように描けないようでした。小さい時はお友達の絵を真似て描いている時期もありました。最初は、どう注意していいのかわからず心配だったので、先生に相談しました。先生からは、「お子さんはお友達の良いところを見て、上手く描こうとしているのだから褒めてあげてください」と言われました。
――お子さんを褒めましたか?
ええ。ちょっと友達の絵を見ちゃったかなというときでも、上手く描こうという気持ちがあったのだ、と思って褒めました。褒めるだけではいけないと思ったので、「これはどういう気持ちで描いたの?」と、描いたときの気持ちを聞くようにしました。こういうことを繰り返していったら、息子の力だけで描くようになってきました。上手く描けるようになってきたら、「すごいね、お母さんは思いつかないよ」と褒めてあげました。
――お子さんは嬉しかったでしょうね。
とても喜んでいました(笑)。
――初めて描いた絵からすれば、お子さんの絵は成長しましたか。
歴然ですね。初めは、顔を描くつもりでマルを描くくらいだったのが、輪郭をきちんと描けるようになっていました。色使いや、描き方、筆圧も変わりました。好きじゃなかった絵をここまで描けるようになったのですから、ずいぶん頑張ったと思います。幼児教室では、絵画のテーマに春が出題されたこともあり、以前なら何を描いていいのかわからなかったと思うんです。しかし、そういったフレーズから絵を描くことができるようになってきて、想像力も成長したと思います。
――春がテーマだと、春に咲く花などを知っておかないといけないですね。
そうです。そのためにも一般常識は大切だと思います。
――お母さんは、お家でお子さんに絵を描かせる習慣をつけさせましたか。
いえ。お絵かきセットは用意してありましたが、私から絵を描こうとは言わなかったですね。
――お子さんの意思で描いて欲しかったからですか。
ええ。息子が描きたいときに描いたほうがいいですし、気分が乗っているときの絵のほうがいきいきしていましたから。
――お子さんは、週に何回くらいお家でお絵かきセットを手にしましたか。
週一回くらいでしたね。自分でお絵かきセットを出して虫の絵などを描いていました。お絵かきセットを出さない時は、小さな紙に絵を描いていました。描いた絵は私に見せに来て、これはなんという虫で強いんだよとか、言ってきます。
●模擬試験の結果は、ずっと平均点でした
――年長になってから幼児教室に通う日数は増えましたか。
ええ。週二回になりました。行動観察重視の授業を受けさせました。
――どのようなことをしましたか。
平均台を使って、止まれ進めなどの指示行動です。他は生活面についてですね。普段の生活で必要な着替えの練習や弁当箱をナプキンで包んだり、エプロンをしめたりです。ちりとりでゴミを取るといったこともありました。
――お子さんは自分で着替えていましたか。
ええ。なるべく普段から自分でできることはさせていました。お風呂に入る時は、自分で脱いで、お風呂からあがったら自分で着るといったことはさせていました。年中の頃には自分から着替えていたので手は貸しませんでしたね。
――しつけは厳しくされたようですね。
ええ。細かいことまで言っていました。服をたたむときは雑にたたまないでお店に置いてあるようにきれいにたたむとか、靴下は右左そろえてしまう、脱いだ靴は向きをそろえて置くなどですね。きちんとできなければ何度か言い聞かせました。そのうち、自然とできるようになって来ました。
――自分で脱いだ服をたたまないときもありましたか。
幼稚園に遅れそうなときに「今日はたたまなくていいかな」と言ってくるときもありました。そういう時は「たたまなくてもいいよ」と。その後には「一分でも早く起きてたたもうねと」言っていましたけど。
――幼児教室以外に習い事をしていましたか。
ええ。勉強をたくさんしている分、体を動かせたいと思っていたので、水泳とテニスを週一回ずつ、今でも続けています。テニスは、息子の友達が習っているのを見て、どうしてもやりたいと言ってきたので習わせました。
――幼児教室とあわせて週4回習い事をして、お子さんは疲れますね。
ええ。疲れていたと思います。ですが、気分転換もかねて楽しんでいましたね。水泳だけは風邪をひくといけないので、受験間際は控えていましたが他は元気よく通ってくれました。受験間際だから辞めさるということをしないで良かったと思いましたね。
――お母さんは、受験と家事の両立で大変でしたね。
大変でしたね。幼稚園に送っていったらすぐに夕飯の準備をしていました。午後は息子を習い事に連れて行くので、洗濯物は常に子供を寝かしつけてから干していました。
――模擬試験は受けましたか。
ええ。こちらの幼児教室で月一回実施されていたものは、すべて受けました。他は全国模擬テストを春頃に一回受けました。幼児教室での試験内容は月によって、ペーパー問題、行動観察、絵画などの範囲がありました。結果はすべて点数で出て、テストを受ける前に志望校を書くと合格率も出ました。
――テスト結果はどうでしたか。
平均でした。何度かテストを受けましたが、上がりもせず下がりもせずといった感じでした。
――お子さんの成績に変化がないと、お母さんは不安でしょうね。
少しはありましたね。そのことを先生にお聞きしたら、点数に浮き沈みがあるよりも、維持できているほうがいいと思いますと言われたので安心できました。それからは点数は参考程度だと思うようにしていました。幼稚舎の合格率も出ましたが、そのテストでは、幼稚舎を志望校に選ぶ方が少なかったので、合格率も参考程度だと思っていました(つづく)。