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ママ、合格した! 我が子を名門・難関校に合格させた親たちの記録

●合格校 湘南白百合学園小学校
●両親の学歴 父親は医大卒 母親は国立大学附属看護学校卒
●両親の仕事 父親は勤務医 母親は専業主婦
●家族構成 両親と子ども3人の5人家族
●通った幼児教室・期間 富士チャイルドアカデミー 5歳から1年半
 


●冬の明け方四時、みんなで彗星を見に行きました
――お子さんは三人ですね。
ええ。今回は長女が受験しました。妹は年中で幼稚園に通っています。一番下の男の子は、二歳です。
――教室に通うのが大変でしたね。
ええ。一人を背中におぶり、もう一人の手を引いて教室に通いました(笑)。
――いいですね、お子さんが多いというのは。
主人は子供は多いほうが良いと言っています。私も三人という数は、人間関係を覚えたり、社会性を身につけさせるにはいいかなと思っています。それに二人が喧嘩をしても、もう一人が仲裁に入りますし、もし、三人のうち誰かが外でいじめられたりすれば、結束して仕返しに行くんじゃないかと(笑)。

――ご主人と子育てについて話し合うことはありますか。
大袈裟なものではないんですが、長女がお腹にいるときに、どんな子供に育ってほしいか、ちょっと話したことがあったんです。そのときは、健康で素直に育ってくれればいいと、ただそれだけでしたけれど(笑)。お互いに、子供が好きだということはわかっていましたから、改まって、夫婦の考え方を確認し合う必要はありませんでした。女の子、男の子の別なく、ある程度のレールは親が敷いてあげるとしても、あとは自分でしたいことを見つけさせるとか、目標ができたときに、親が少しだけ手伝ってあげればいいと考えています。経済的には、親がしてあげられることは限られていますが、とにかく、小さいうちにいろんなものを見せてあげたり、経験させてあげたいと思っています。主人も、ちょっとでも暇があると、いろんなところに連れて行ってあげるようにしていました。主人は子供ができたらこんなことをしてあげたいとか、こんなことを教えてあげたいとか、いろいろ夢があったようです。

――どんなことですか。
主人は小さい頃、いろんなものを集めるのが好きだったようです。例えば、いろんな形の石とか珍しい葉っぱを集めてきて、それを図鑑で調べて、標本にするとかしていたようです。貝殻の名前なら、今でも何でも知っているんじゃないでしょうか(笑)。主人の実家に帰ると、そういったものがみんな残っているんです。おばあちゃまが大切になさってくれていて、「あなたがたのお父さんは、小さい頃こんなことをしていたのよ」と子供たちに話してくれます。
星も好きですね。以前、大きな彗星が地球に近づいて来たときは、明け方の四時頃に早起きして、みんなで川岸まで行きました。私はまだ流れ星というものを見たことがなかったので、「ぜひ見たいわ」と言ったら、じゃあ行こうって。主人も出勤前だったんですけど(笑)。冬だったので外は真っ暗です。寒いから毛布を持って行きました。一番上が幼稚園で、真ん中が二歳で、末っ子はまだ生後三か月くらいでした。みんな半分寝ぼけ眼でした(笑)。
――楽しかったでしょうね。
一番張り切っていたのは主人でした(笑)。子供に買ってきた星座の本を夢中になって見ていたのも主人です(笑)。

――すばらしいお父さんですね。ご主人のお仕事は何ですか。
整形外科の勤務医です。仕事が不規則で宿直もあったりします。
――お子さんが熱を出したら、すぐ病院に行くんですか。
逆ですね。あまり病院には連れて行くなと(笑)。熱が出るのは、体の中で菌と戦っているためだから、少し様子をみて安静にしておけばいいと。むろん熱の出方が普通でなかったら、病院へ行きますけれど。

●息抜きをしたければ、その間、僕が子供の面倒を見ると言ってくれました
――今、お子さんは上から七歳、四歳、二歳ですね。よく喧嘩しますか?
いえ、ほとんどしません。ただ、おもちゃの取り合いはよくしています。一番上と下は、年齢が離れているためか喧嘩にはなりません。真ん中と下の子がよく喧嘩するんですが、上の子が仲裁しているようです。
――食事時はどういう状況ですか?
朝は、主人は私が作ったお弁当を持って仕事場に行きますので、みんなが一緒に食べるのは夕飯のときです。みんな揃ったときは、とても賑やかです。娘たちがいっせいに「パパ、聞いて、聞いて」「ちょっと待って、順番に」と(笑)。

――ご主人は、何時頃帰りますか。
まちまちなんですけど、早ければ七〜八時頃です。たいてい子供たちは起きて待っています。ちょっと遅くなるときは、「先に食べていいよ」と職場から電話をくれるんですが、子供たちが「パパ、何時になる?」「八時くらいかな」「じゃあ、待ってる」と。一緒に食事がとれなくても、食事をとっている主人を子供たちがとり囲んで、「パパ、パパ」とまとわりついています(笑)。
――お子さんの相手をする順番はあるんですか? 例えば長女の話から先に聞くとか。
いいえ、ばらばらです。くっついてきた順番というか。二人同時に話しかけてきたら、同時に(笑)。子供も興奮してしまうので、夜が遅くなってしまって‥‥。

――ご主人のお休みは?
日曜日だけです。月の終わりの日曜日には仕事が入りますので、実際に休めるのは三日間だけです。毎週末、三人分の自転車を車に積んで、あちこちの公園に行っています。先日、主人は、真ん中の娘(四歳)が自転車の補助輪をはずすと宣言したので、実は長女も年長さんのときに補助輪がとれましたので、丸一日かけてひたすら自転車の後ろを押して走り回っていました。これは「父親がやるもの」と思っていたようです。朝食をとってから夕方まで、丸一日、家族みんなで応援しました。

――たまにはご主人に三人を預けて、息抜きをしたいと思いませんか。
それは、ないですね。結婚してしばらくの間は、仕事をしないで家にこもってしまったので、自分が世の中のどこにも所属していないという不安がありました。そのときに主人が、家にこもる必要はない。だからといって働けという意味ではないけれど、家にいてもできること、例えば、通信教育とか子供連れでいけるカルチャーセンターとかに通うのもいいと思う。もし、どうしても息抜きをしたければ、その間、僕が子供の面倒を見るから、と言ってくれています。
――理解のあるご主人ですね。
はい。

●受験のために厳しくトレーニングされることが一番心配でした
――さて、なぜ私立校を受験させようと思いましたか。
主人の知り合いの方が、お子さんを私立に入れたということを聞いていました。たまたま、うちでも都内に転勤することになりましたから、私立の受験も選択肢の一つとして視野にいれておいたほうがいいと思っていました。ただ、その時点では、受験させるかどうかに迷いがあったので、体験談とか塾紹介の本を片っ端から読みました。家から通える範囲内で、本人に受験を意識させずに、勉強が楽しめて、その延長線上に受験があるのなら、幼児教室に通わせてもいいと思っていました。

――ずいぶん慎重でしたね。やはり「お受験」のイメージがあったんですか。
ええ。主人も私も、受験のために厳しくトレーニングされることが一番心配でした。上から抑えつけるような指導では、子供が萎縮してしまって、個性が潰されてしまうのではないかという不安もありました。また、大人の顔色をうかがうような子供になってしまうのも困ります。ですから、教室選びにはずいぶん慎重になりました。

――体験授業は何教室くらい受けましたか。
二か所です。富士チャイルドともう一か所です。最初に体験させていただいた教室は、子供が一〇人くらいで先生がお一人、補助の先生がお一人でした。すごく張りつめた緊張感があって、一時間の間、子供は手を膝の上にきちんと乗せて私語は禁止だったんです。先生が「〜しましょう」と言ったときに、「あのね」と先生に話しかけた子がいたんです。そうしたら、「ダメです。今は先生のお話をきちんと聞きましょう」と叱られてしまったんです。そのお子さんは、何か言いたかったと思うんですけど、ピシャリと遮られてしまったんです。また、手にもった鉛筆で遊んでいたお子さんがいたんですが、「この手はダメよ」と先生が注意しました。何か、四六時中、先生が目を光らせているという雰囲気でした。うちの子は、「お休みで楽しかったことをお話してください」と先生が言われたときに、他の子といっしょになって「はーい」と手をあげました。子供がしゃべった後に、すぐに先生が「それは、こういうふうにお話をしましょう」と訂正したんです。そういう授業風景を見ていて、うちの子には合わないと思いました。

――どうしてですか。
本人が一生懸命言いたいことややりたいことがあるときに、それを頭から否定するという指導法はどうかと思ったのです。いったんは「そうね」と聞いてから、「そんな時には、こういうふうにお話するともっといいわよ」とか「こういうことを付け加えると、とてもよくわかるわよ」というような注意の仕方だと、子供もなるほどと思って、次から安心してお話ができるようになると思うんです。

●教室選びは子供に任せました
――お子さんの反応は?
体験の終わりのほうで工作の時間がありました。母の日が近いのでお母様へのプレゼントをつくりましょうと、カードを作ったんです。カーネーションの形に切って、それを開くと花束の形になるような工作です。うちの子は、真ん中に私の顔を描いて、その周りにお花をつけてくれたんです。それを見た先生が「花束だから、真ん中にお花を置いてはいけません。開いたときにお花が見えるように、お花は上につけましょう」と言ったんです。

そのとき子供は、素直に「はい」と先生の言うことを聞いていたんですけど、後で聞いたら「母の日だから、お母さんをお花で飾ってあげたかったの」と言いました。あのとき、子供の言い分をちゃんと聞いてくれたら良かったと思ったんです。そんなこともあって、すべてのことをああしなさいこうしなさいという教え方は、私と主人の考え方とはちがっているので、体験の後にお断りしました。

――富士チャイルドは、どうやってお知りになりましたか。
本です。教室の紹介と合格者のお母様の声が載っている本を主人が本屋で見つけて来ました。まず資料を取り寄せて、お電話をしました。「私どもは受験そのものを迷っていますし、私立の学校についての知識も全くありません。それでも体験を受けさせていただけますか」と申し上げました。そうしましたら、「あなたが疑問に思っていることやお悩みのことは、お話できると思います。都合のよいときにいらっしゃってください。下のお子さんがいてもかまいませんから」と、おっしゃっていただいたのです。

――体験授業を受けたときのお子さんの反応はどうでしたか。
そのとき、授業を受けたのはお子さんが三人いて、うちの子を含めて四人だったんですけど、いつもは周囲の様子を慎重に観察する子が、すごく積極的に先生やお友達に反応していました。それが生き生きとして、とても楽しそうだったんです。おはじきを使って数を数えるとか、絵を描くとか。スッとみんなの中に溶け込んでいました。先生がうまくリードしてくださったんですね。
――なぜ、スッと溶け込めたんですか。
とてもいいお子さんばかりでした。先生が「新しいお友達が来ました」と声をかけてくださったら、「お名前なんていうの?」「一緒にやろう」とすぐに言ってくれました。上手に先生がリードしてくださったと思います。ですから、私の中では、どちらかを選択するなら絶対にこっちだなと思っていました。
――お子さんはどうでしたか。
「私はここの先生がいい、すごく楽しかった」と言っていました。
――ほかに何か所か、体験を受けてみようとは思わなかったんですか。
ええ。娘がこっちに行ってみると言ったので。
――五歳のお子さんに幼児教室を選ばせたんですか。
ええ。主人にも資料を見せて、体験の様子を話したんですけど、最終的には子供に選ばせてもいいと言っていました。もちろん、私も納得した上でのことですけど。

●家で宿題をするという習慣がなかったのです
――教室に行くのを嫌がったことは?
いえ、まったくありません。それにお友達とか先生を嫌いになったことはなかったですね。ただ、宿題がなかなかできませんでした。先生にご相談したら、そのうち本人が自分だけ宿題をしていないと気づくようになります。そうすれば親が厳しく言わなくても、自然にやってくるようになります。それまで待ちましょうと言ってくださいました。宿題といっても、プリントを何枚かいただいて、それを家で復習するだけのことですが、宿題をコンスタントにこなそうという習慣がなかったのです。でも、先生は、本人がその気になるまで待ちましょうと言ってくださって。そのうち、周囲のお子さんが「先生、やってきたよ〜」というのを見て、自分だけやってないことに気がついたようです(笑)。

――先生の言う通りにしたんですね。
ええ。無理に宿題をやらせては絶対にいけないと、先生から注意されていましたから。親が叱って宿題をやらせようとすれば、子供を勉強嫌いにさせてしまう。もう少し待って、例えば机に向かうのが嫌なのか、勉強がわからなくて嫌なのか、そういうことを見てくださいと言われました。
――「やりなさい」ではなく、別の動機づけはしたのですか。
はい。時々プリントをみて「あら、これはな〜に?」と聞きました。「何か書かなければ、いけないのかしら?」とか「これ、今日、先生が教室でやっていたわね」「これは、どうやればいいの? ママ、わからないから、教えて?」とか(笑)。それから、お菓子を分けたいとか、いろんな絵が混ざっている中にヒヨコが何羽いるかという問題があるんですが、そんなときは、「わあ、こんなにいるとわからないね。どうやったら、数えられるの?」と聞くと、得意気にサインペンを持ってきて、「こうやって消していくと、数えられるんだよ」と(笑)。そうこうしているうちに、宿題は半分くらいやろうという気になりました。

――よく焦らなかったですね。
いえ、焦りました。でも先生から、「喜んで教室に来るし、やっていることもよくわかってちゃんとこなしているから、大丈夫ですよ」と言っていただきました。教室に行くのが嫌だとか、授業についていけないということではないので、しばらく様子を見ようと‥‥。

――宿題の件は、ご主人に相談しましたか。
はい。「うちの子だけ宿題をやらないのよ、先生は様子をみたほうがいいというんだけれど」と。ときどき主人も、「今日、どうだった?」と宿題には触れずに聞いてくれました。本人も「あれやってね、これやってね」と嬉しそうに話していました。「へぇ、面白そうだね」「ああ、そうなんだ」と上手に話を引き出してくれました。「教室からお土産をもらってくるの?」と遠回しに聞いたり(笑)。本人が「ある」と言って、宿題のプリントを出してくると、「ふ〜ん。真っ白なんだね」と。それ以上は言いません。そして、宿題をコンスタントにこなすようになってから宿題を見せると、主人はものすごくほめるんです。「すごいな、すごいな、こんなのパパにはできないよ」と。それで、娘もやる気が出て、「パパの前で宿題をやろうかな」とか「パパと一緒にやろう」とやる気になってくれました。

●「どうして、テストをしないと学校に入れないの?」
――受験するまでの間、どんな不安、苦労がありましたか。
私どもの教育方針に合う学校があるのかどうか、学校の選択にすごく迷いました。こちらの教室でいろんな学校の説明会に行ったり、受験を体験された方のお話をお聞きしたりしました。学校の評判と実際の生徒さんはどうなのか、その辺も確認しました。富士チャイルドの先生から、「この学校がお子さんの性格に合っていると思います」と受験を勧めていただいたところを受験しました。ここはうちの子では無理、高嶺の花だと思っていました。

主人にその話をしたら、「とてもいい学校だと思う」と言って、娘と一緒に学校の周辺を歩いて、どう思う? と聞いてみたりしてくれました。学校に行って、生徒さんの作品をみて、本人はすごく感動しました。「ママ、この学校に来るとこんなにいいものが作れるの?」「先生やお姉さんたちに教えてもらえるかもしれないわね」と言ったら、「ここに入りたい」と。

――この学校に入るためには、試験があるということをどう教えましたか。
年長になったとき、先生から「どうして教室でお勉強しているかというと‥‥」と子供に話してくださいました。私からも「この学校に入るには、今やっているようなテストを受けるんだよ」と話しました。そうしたら、「どうして、テストをしないと入れないの?」と聞くんです。「お友達がいっぱい集まってくると、みんなが良い子だから、校長先生がテストをするのよ」と話したら、試験を受けるという意味がわかったようです。
――落ちることもあるということも、わかったんでしょうか?
テストを受けて、学校に行けるお友達と、行けないお友達がいるのよと話しました。落ちるということではなくて‥‥。

●一対一の面接になると緊張して答えられない!
――その時点での、合格の可能性は?
先生からは、今のまま安定していれば大丈夫といわれました。でも、年長さんの夏休みの直前に成績がガタッと落ちました。先生から「受験を意識したことがプレッシャーになったかもしれません。あるいは疲れが出たのか‥‥。とにかく、夏休みを盛り上げてあげて、がんばりましょう」とおっしゃってくださいました。

湘南白百合の場合、ペーパーテストではなく、一対一でお答えするという個別テストで、うちの子は、どちらかというとペーパーテストが好きなんです。一対一の面接になると緊張して答えられなくなってしまうんです。特に初対面の場合、わかっていても答えられないほど緊張してしまうことがありました。それで、先生から、聞かれたら答えられる状態を作っていきましょうということで、一対一の特訓といったら大袈裟ですが、先生が質問して、それに答えるという練習をしていただきました。上手に答えられたら、すごくほめて盛り上げてもらいました。

また、全く知らない方とも話せるように、例えば、ご近所の方にお裾分けのお使いを頼んでみたり、同じマンションの方にお会いしたら、簡単な会釈でもいいから必ず挨拶しようねとか、幼稚園に行ったら、先生にもご挨拶しようと、本人と話し合って決めました。先生からそうしたほうがいいと教えていただきました。
私にもパパにも、朝とか寝る前にはご挨拶するようにさせました。恥ずかしいからしないのではなくて、しないことのほうが恥ずかしいんだよと意識づけをしました。できたときには、すごくほめました。こうして、少しずつ、聞かれても答えられるようにして、後は夏休みにある程度ペーパー問題をこなして、できたときにはほめてあげました。

●夏場は週一日だけ「勉強をしない日」をつくりました
最終的には、何冊か終わった問題集を目の前に置いて、「夏休みの間にこ〜んなにたくさんのことが、全部頭に入ったのね、すごいね〜」とほめてあげました。「競争しようか」と一緒にやって「やはり、あなたのほうが早くできたね、すごいね〜」と盛り上げました。後は、勉強づくめにならないように、週一日だけ、全く勉強しない日をつくりました。午前中に勉強をしたら、午後は必ず私が外に連れだして遊ばせました。そういう感じで夏を乗り切りました。受験の二か月前ですね。

この時期が一番大変でした。教室に通うのは週一回でしたが、夏期講習の期間は、八月の前半と後半の五日間毎日通いました。それまで週一回だけでしたので、これがプレッシャーになってしまったようです。この時期は、前年の合格者の方の体験談をお伺いしました。どんな問題集を使ったのかとか、夏場をどんなふうに乗り切ったのかとか。白百合に合格された方からも、いろいろとアドバイスをいただきました。塾からいただく問題集とは別に、三週間でこなせるように作られている問題集などを夏休みに終わらせるようにしました。

本人にも「夏休みの間にこれは全部やってしまおう」と言いました。「毎日コツコツやると、一日では、たったこれだけでも、全部終わるよ」と。「毎日、午前中にやろうね。でも、日曜日は一日中遊ぼうね」と本人と約束しました。後は夏期講習で間違えたところを繰り返し繰り返しやりました。

朝は朝食が終わってしばらくしてから、本人に「どうする? やろうか?」と聞きました。九時半から一〇時くらいの間から、お昼ご飯の前まで。その後に間違えたところを二人で確認して、最初から意味がわからなかったのか、わかっていたのに間違えちゃったのか、本人と確認をしたりしました。

●大きくなったら仮面ライダーになりたい!
――一対一の面接の練習はどれくらいやりましたか。
毎日です。ときどき、ビデオを撮ってあげました。先生から、落ち着かなくて手がモゾモゾしてしまうとか、足がブラブラしてしまうと注意されていたんです。私が注意するよりも、本人が見たほうがいいと思いまして、私がビデオ越しに質問をして、それに答える自分の姿を本人に見せるようにしました。そのビデオを妹も一緒に見ていたんですけど、「足がブラブラしていて、おかしい」と(笑)。本人も「あれっ」と初めて気づいたようです。夏休みの後半は志望校の過去の面接の問題をやりました。夏休みの終わりには主人も入ってくれました。

――大変でしたね。
ええ。面接の練習といっても、こう聞かれたら、こう答えなさい、と教えることはできませんから。一番困ったのは、大きくなったら将来何になりたいかという質問だったんです。本人は、テレビのキャラクターの仮面ライダーになりたいと言うんです(笑)。それにはとっても困ってしまって(笑)。そんなのはダメというわけにもいかないし‥‥。「それはそれですごく良い夢だと思うけれども、仮面ライダーのどんなところが好きなの?」「かっこいいから」「なぜかっこいいと思うの?」「困っている人を助けるから」と言うので、「じゃあそれを加えて言ってみようか。初めてあなたの話を聞いた人は仮面ライダーがわからないから、仮面ライダーみたいに困っている人を助けたいとか、強くてかっこいい人になりたいと言うと、仮面ライダーって強くてかっこいいと相手の人にもわかるのよ」と。

先生には、「こんなふうに言ってみましたけど、どうでしょうか」と相談しました。先生はちょっとした時間にも面接の練習をしてくださいました。「それはどうしてですか?」と聞かれる場合と、なりたいものだけを聞かれる場合があって、ちょっと違うので、いろんな分野のことをあらゆる方向から考えてくださいました。

●堂々として、試験官の先生の目をしっかり見てお答えできました
――面接対策として、どんなアドバイスを受けていますか。
教室で面接の練習をしていただいたときは、先生方を試験官に見立てて、私たちがドアを入るところからチェックしてくださいました。まず、部屋に入ってきたときの親子の雰囲気であるとか、子供が話しているときの親の態度、とくに母親の視線であるとか、主人が答えているときの私の態度とか、私が答えているときの主人の態度とか、向こうはプロなので、そういうものは見ればわかってしまう。だから、それを少しでも態度で示せるような姿勢とか気持ちをもっていきましょうとおっしゃっていただきました。

――面接のとき、お子さんはご両親の間に座りましたか。
ええ、そうです。子供を挟んで親が座りました。面接していただいたのは、私のときは校長様と教頭様でした。一〇分間の面接で、私たちへの質問は一つか二つだけで、主に聞かれたのは子供でした。お名前は? という簡単な質問から入っていくんですけれども、それからはポン、ポン、ポンと質問されるので、それに対して正確にテンポよく答えられることが望まれていたようです。

――どんなことを聞かれましたか?
子供は、名前と住所、電話番号、通っている幼稚園の名前、クラスの先生の名前、仲良しのお友達の名前、そのお友達とどんなことをして遊ぶのが好きか、それはどうして好きなのか、兄弟の名前、何人家族か、兄弟の年齢、妹が幼稚園に通っているのか、通っているならその幼稚園の名前。テンポよく、どんどん聞かれました。どれも事前に練習していた問題でした。

――お子さんは緊張しないで答えることができましたか。
はい。しっかりと答えていました。練習では、下を向いてしまって、先生を上目遣いでチラチラと見る感じだったんですけど、本番になったら堂々として、試験官の先生の目をしっかり見てお答えできたんです。ちょっと手はソワソワしていましたけど、本人は途中で気がついて直していました。

●「本番だね!」と言って、娘は元気よく教室に入りました
――練習でできなかったことが、本番でできたんですか。
意外と本番に強いのかも知れません(笑)。実は、一週間くらい前の直前講習の面接の練習では、細かいことは注意されていましたけど、思ったよりよくできていたんです。こちらの先生に、すごく良くなってきたとほめていただきました。教室の先生だけでなく、理事長先生とか校長先生にもすごくほめていただいたことが、本人にはすごく自信になったようでした。私たちもびっくりしてしまって、すごいね、すごいね、とほめたんです。それで自信がついたようでした。
本番のときは、親のほうが緊張しました。主人に「どうしよう、どうしょう」と(笑)。

本人は、意外とあっけらかんとしていて、電車の中では受験には関係ない話をしていました。試験会場に着いてからは、待合室で、用意された本を本人が読んでほしいと言うので、ずっと読んで聞かせていました。呼ばれる直前に本が読み終わって、「すごく良いタイミングで呼ばれたね」なんて言っていたんです。待っている間は試験の対象ではなかったと思います。ただ、待っている大きな教室には、受付をしてくださる先生が一人いらっしゃいました。私たちを見ていたかどうかは、こちらも緊張していましたし、キョロキョロもできなかったのでわかりません。

本人は、本番の面接に関してはストレスはなかったようです。ニコニコと笑顔で、「本番だね!」と言って元気よく教室に入りました。私たちの顔はこわばっていましたけど(笑)。
――試験は面接だけですか?
いえ。九月〜一〇月にかけて親子面接があって、一〇月に、運動と個別テストがありました。先生がお聞きしたことに対して、指でさしてお答えするという試験とか、集団行動では、おもちゃやいろんな道具があるなかで遊んでいるところをチェックされるという試験がありました。親は入れないので、どういう状態だったかは、よくわかりません。

●夫は「よくやった」と私をねぎらってくれました
――終わったときのお子さんの反応は?
まっさきに「頑張ったね、よくやったね」とほめて、「どんな問題が出たか覚えてる?」と聞いたら「四つできなかった」と言うんです。何問あったか、わからなかったんですけれど(笑)。「でも、後のは全部お答えができたってことだね、すごいね」って。問題がどんなものだったのか、お食事中とかにさりげなく聞いたんですが、あまり覚えていなかったんです。
主人は、この子の顔が明るいので、きっと大丈夫だよと楽観的でしたが、私は夜眠れませんでした。

発表は一日おいた翌日でした。学校に行って全員が封書をいただきました。校舎のあちこちでご両親が開けているんですけど、合格の場合は、その中に必要書類も入っていますから、すぐわかります。発表の日は主人は仕事で行けなかったので、私が行きました。受かったら携帯にすぐ連絡くれと言われていました。真ん中の子は幼稚園の保育日で、下の子は一歳だったのでこの子を抱っこして学校に行きました。

合格がわかったときは、頭の中が真っ白になってしまって。とりあえず、主人に電話したんですが、ちょうど診察中だったので、「合格したわよ」とだけ言ったんです。主人は「うん、また後で」と事務的な口調で言ってすぐ切ってしまいました。三〇分くらい後に、「さっき、なんて言ったの?」って電話をかけてきました(笑)。「目の前に患者さんがいたので確認ができなかったんだけど、大丈夫なんだよな?」って。合格したわって言ったら、「よくやったな〜」と私をねぎらってくれました。娘も良く頑張ったけど、私も良く頑張ってくれたと言ってくれて‥‥。

その後、それぞれの両親に電話をしました。実は、主人や両親に電話をしたときは冷静に話せたんですが、塾の先生に電話をしたときは、感極まって、道ばたにしゃがみ込んで泣いてしまいました。先生も電話越しに大きな声で、「やったぁ! やったぁ!」って。こちらの先生のご指導のお陰で合格することができたと感謝しております。



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