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『新・幼児の脳教育』より(抜粋)
プロローグ
スーパーエリートはこうして育つ!


●「帰りのお迎えをお願いします」と母親に挨拶してから教室に入る

――教室に入ると、どの子も、まず先生に「よろしくお願いします」と挨拶をして、母親には「帰りのお迎えをお願いします」と大きな声をかけています。2〜3歳くらいだと口が回らないし、自分で何を言っているのかさえも理解できていないと思いますが、それでも挨拶をさせるのですか?
岡田 ええ。ここには遊びではなく勉強するために来たということを意識づけるためです。教室に入る前と入った後では気持ちに区切りをつける必要があります。大人の場合はすぐ気持ちの切り替えができますが、幼児はそれができません。「できない」というのは脳に学習させていないからです。そういうことは自然に覚えると思っている親が多いのですが、脳に学習させなければ何歳になってもわかりません。

レストランで走り回るのも、それはいけないことだと学習させていないためです。幼児期のうちから、気持ちに区切りをつけるということを教えておかなければいけません。だから指導者に対してはきちんと挨拶をさせます。また、授業が終わった後、迎えに来てもらう母親に対しても、「ママ、またね」とか「バイバイ」ではいけません。きちんと「帰りのお迎えをお願いします」と口で言うだけでなく頭を下げるように指導しています。相手が母親であっても、時と場合に応じて、正しい言葉遣いと態度を使い分けなければいけないということを小さいときから教える必要があります。年齢は関係ありませんね。

●空いている机や床の上に座り込んで勝手に勉強を始めた子どもたち

――教室の中の様子も、一般的な塾とはだいぶ様子が違っていますね。
岡田 どんなところですか?
――多くの幼児教室では、授業が始まったら、それぞれ自分の椅子に座って、先生から、今日はこういう勉強をしますと指示があります。こちらでは、子どもたちは、教室に入ると、指導者の指示がなくても自分で教材を棚から持ち出してきて、空いている机や床の上に座り込んで勉強をはじめていますね。
岡田 ええ。次ページ写真(省略)をみると、手前の男の子は観察力を高める勉強をしていますが、左奥の女の子は別の学習をしています。さらにその奥で後ろ向きに何かをやっている子もいます。入園して日が浅いとか、あるいは年齢が低い子の場合、指導者が声をかけたり2〜3人で一緒に授業を受ける場合もありますが、ここでは基本的に集団の授業はありません。

また、教室の指導者が一人ひとりの子どもに対して、今日は何の勉強をするかを指示することもありません。というのも、個人別にカリキュラムが決められていることと、今日は何と何の勉強をするかが、それぞれわかっているからです。いちいち指導者に聞く必要はありません。むろん、最初は、これはこうする、終わったら、この用紙に時間を書くなどと、やり方を教えますが、その後は、いちいち指示することはありません。

――週1回の授業は1時間で、その日のうちにいくつかの基礎段階のことを勉強させますから、今日はどんな勉強をしたらいいかわからないという子どもはいませんか?
岡田 皆無とはいいませんが、めったにいません。過保護に育てられた子どもの場合、すべて親がお膳立てをしてくれますから、自分から自主的に何かをするという訓練ができていません。しかし、ここでは、同じ年頃の子どもが自分で何でもやっていますから、勉強とはそういうものだと学び方学びます。これは大事なことでしてね、勉強というのは親や先生から言われるからするのではなくて、自分から進んでやるものだということを、幼児期から当たり前のこととして脳にインプットさせておく必要があります。ですから、ここで学んだ子は小学校に入ってからは、母親から勉強しなさいとか宿題を終えてから遊びなさいと叱られることはありません(笑)。

●わずか2年で高度な集中力と記憶力を身につけた5歳の女の子

――向こうの女のお子さん(写真省略)は何をしているのですか。パズルのような教材ですね。
岡田 私どもでは「16型」と言っていますが、丸や四角、三角など、いろいろな形の切片をケース(型枠)から出して、それをバラバラにしてから、元のケースに戻しています。丸は丸い穴に、四角は四角の穴にハメ込みますが、台形、二等辺三角形、菱形など、子どもには紛らわしい形がありますから、最初のうちはうまくはまらずに苦労します。全部で16種類あります。それを間違いなく元のケースに戻すには高度な集中力と記憶力、思考力が必要です。

――彼女の場合、一つのミスもなく、一気に16枚の切片を元に戻すことができたようですが、このトレーニングは何回くらい経験していますか?
岡田 現在、彼女は5歳です。この教室に入園したのは3歳のときですから2年間通っていますが、むろん、最初から、今日のようにパッパッとできたわけじゃありません。幼児の場合、「丸」とは何かがわかりませんから、最初は、丸い切片を手に持たせて、「これが丸ですよ」と教えて、次は、型枠の中の丸い穴を指でなぞらせて、「この丸い形はここに入るんだよ」と教えます。1回では覚えられませんから、これを何回もくり返します。
――終わると、自分でストップウォッチで時間を図り、それをノートに記録していますね。
岡田 ええ。前回よりどれくらい短縮できたのかを記録させています。彼女の記録を見ると、最初は8分かかっていますが、最近は40秒でできています。

――すごい集中力と記憶力ですね。
岡田 集中力とか記憶力、思考力というのは、生まれつきいい悪いがあるわけではなく、何度も何度もくり返すことによって強化されます。こういった能力は学習効果がありますから、まったく別の場所、別のことでも、たとえば、家で学習するときでも、集中しなければならないときはすっと意識を集中できます。

モノを見た瞬間から働く運動連合野は手足の運動の場合、実際に行動が始まる0・5秒ほど前から脳のほうでは準備を始めています。今日は調子が良かったので早くできた、調子が悪かったのでタイムが悪かったなど、その日の気分が影響することもあります。そのときの心理状態によって、運動のリズムまで変わってしまうのが子どもです。そのようなことのないように、ある段階からは、常に一定のリズムで完成できるように内面的に外面的に強化しています。

――子どもに集中力がないのは遺伝だとか性格だと諦めてしまっているお母さんが少なくないようですが、訓練すれば集中力を高めることができるんですね。
岡田 ええ。集中力や記憶力、思考力といったものは、正しい指導をすればいくらでも高めることができます。プロ野球の選手がバッターボックスに立ったときの集中力のすごさは理屈で覚えるものじゃありません。くり返しくり返しトレーニングすることで身についたものです。よくお母さん方がうちの子は集中できなくて‥‥とこぼすことが多いのですが、集中して何かをやるという学習をさせていないだけのことです。口で集中しなさいとか落ち着いてやりなさいと言っても無理です。集中するとか落ち着いてということがどういうことなのか学習していないのですから‥‥。

●目で見る、話す、聞く、触るなど五感で脳を刺激する

――いったんケースに戻した後、またバラして、今度は16枚の形の名前を口で言いながら、型枠に戻していますが‥‥(次ページ写真省略)。
岡田 ええ。切片の種類は、円、三角形、正三角形、楕円、長方形、菱形、台形、四角形、平行四辺形、二等辺三角形、正六角形、星形、直角二等辺三角形、正五角形、等辺六角形、三角形の16種類あります。
――別の場所で同じトレーニングをしている男の子は、目隠しをして、手で触って型の種類を言い当てていますが(写真省略)、これはどういう意味がありますか。
岡田 目で見なくても、手でさわっているものが何なのかを知るというトレーニングですね。丸とか三角などは簡単にわかりますが、複雑な形になると手で認識するのは困難です。しかし、くり返すことでだんだん手のひらの感覚が鋭くなっていきます。人間の皮膚というのは熱い、冷たい、固い、柔らかい、痛い、痒いなど、非常にたくさんの情報を脳に伝える役割を持っていますが、とくに手のひらの皮膚は情報感知器官としては抜群の機能をもっています。これを強化するためのトレーニングです。

――新幹線や携帯電話、天体望遠鏡など、最先端技術の中には職人の手の技でないとつくれないとか微妙な精度が出せないというものがありますが、人間の手の感触はコンピュータ以上の性能があるといわれていますね。
岡田 ええ。その通りです。世の中が便利になるにつれて、もともと人間に備わっていたいろいろな能力が衰えています。あの男の子は目隠しをして手の平だけで何の形かを当てていますね。そんなことをしても無意味だと思うかもしれませんが、そうではないのです。できるだけ多くの感覚器官を使ったほうが脳への刺激は格段に違うのです。

――要するに、五感をフルに使って脳を刺激しているわけですね。
岡田 ええ、目で見て、これは三角形とか台形などと「目から脳に」情報を送り込みます。次に、同じ作業をしながら、「これは三角形」「これは菱形」「これは二等辺三角形」など、いったん口に出すことによって、情報を「耳から脳に」伝えています。さらに男の子の場合は、手の「皮膚で形を判断して脳に」伝えているわけです。目で見る、話す、聞く、触るなど、人間の五感を使って脳を刺激しています。これが幼児期の脳を活性化させる一番いい方法です。
――ポケットの中の小銭が100円硬貨か10円玉かも区別がつかないほど、現代人の皮膚感覚は衰えていますね(笑)。
岡田 人間の五感というのは、意識して使わなければ衰える一方です。アフリカの狩猟民族の場合、視力が5以上というケースも珍しくないようです。中には視力8の人もいるらしい(笑)。(この項つづく)


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