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『小学校受験 目からウロコの合格ノウハウ』より(抜粋)
ポイント氈u自由に、のびのび育った子」は試験に落ちる!


「しつけ」ができていなければ有名校の合格は難しい
有名小学校の入学試験を受けようとして教育相談に見えるお母さんたちの大半は、判で押したように、こう言います。

 「うちの子は好奇心が強く、やる気もあるので、公立小学校よりもレベルの高い国立の附属小か有名私立小学校を受けさせたいと考えております。でも、無理な受験勉強をさせて子どもの個性や人間性を損なったら大変です。子どもの自主性や自発性を尊重して、子どもが自分から喜んで勉強して合格できるように指導していただけませんか」

その母親に連れられて来た五、六歳の幼児が、これまた不思議なくらいタイプが似ています。
 一つ 落ち着きがない。
 二つ しつけが悪い。
 三つ 親の言うことを聞かない。
 四つ 先生の話を聞いていない。
 五つ 物事にすぐ倦きる。
 六つ 創造力・想像力がない。

母親ばかりが張り切っていて、当の子どもはさっぱりやる気がないのです。こういうタイプの親子連れがたくさんいます。母親は、親の欲目と視野の狭さで、「うちの子は頭がいい」と思い込んで受験させようとしていますが、肝心の子どもの態度を見ていると、残念ながら合格する可能性はあまりないのです。「好奇心」が強く、「やる気」があっても、「しつけ」ができていなければ有名校の合格は難しいのです。

失敗する可能性が高い親子のタイプ
小学校の入試は五、六歳児が対象ですから、合否の責任は子どもではなく母親にあります。子どもの頭脳とは関係がなく、母親のしつけ方が問題なのです。それが小学校受験の特徴です。

次に、失敗する可能性が高い親子のタイプを、過去の経験から割り出して箇条書にしてみました。
 一つ わが家の教育方針は「自由に、のびのび」です。
 二つ 「腕白でもよい、たくましく育ってほしい」と願っています。
 三つ 子どもの「自主性、自発性」を尊重することが本当のしつけだと信じています。
 四つ 教育学や心理学の本を読んで、我が家では「新しいしつけ」をしております。
 五つ 「英才教育」によいと思う教育玩具や教育機器を十分に子どもに与えております。

自称進歩的で、新しがり屋の母親に育てられた子どもは、どちらかというと受験には向いていません。ましてや、その子が通っている幼稚園が「自由保育」とか「新しい教育」を看板にしていて、「子どもの自主性を尊重します」などと自慢しているような幼稚園でしたら、まず、名門小学校の受験は諦めたほうがいいようです。

なぜなら、「新しがりやの母親」とか「自由保育の幼稚園」で保育された子どもは、遊びと勉強、ふざけとまじめ、集団と個人、わがままと規則等の区別がつかないのです。また、この種の母親や教師には、表向きの教育方針とは裏腹に、子どもの一挙手一投足に至るまで、うるさく口出しする人が多いのです。

「新しがりやの母親」に育てられた子どもの共通項
口先では、「自主性、自発性」を云々しながら、実際には自分の理想の型に子どもをはめようと強制して、逆に子どもの個性や創造性を殺してしまっている実例がたくさん見受けられます。

こういう母親の元で育った子どもに共通するのが、次のような点です。
 一つ  物事のけじめや節度がわからない。
 二つ 集団生活のルールや協調性を体得していない。
 三つ  親や教師の話を落ち着いてじっくり聞く習慣が身についていない。
 四つ 辛抱強く、一つのことを最後まで完成させる根気が足りない。
 五つ  好きなことには熱中するが、嫌いなことは最初からやる気がない。
 六つ 我慢や反省をする気持ちがなく、自己中心で、友達があまりできない。  
 七つ お天気屋で、都合の悪いことは、すべて他人のせいにしたがる。
 八つ 集中力がなく、試験官の説明や質問を聞いていない。
 もし、あなたのお子さんにもこういう傾向があるようでしたら、自分たちの子育てはいまのままでいいのか、ご家庭でよく話し合ってほしいものです。

「少年犯罪の多発化」は「自由に、のびのび」が原因
ずっと前の話です。私が教育講演に呼ばれて、青森駅の近くのホテルに泊まっていたときのことです。朝食の際に何気なくNHKのテレビをつけたら、お坊さんの格好をした人と若い女性のアナウンサーの姿が映りました。

アナウンサーが「園長先生、連続日本一のお絵かき賞おめでとうございます。園長先生はどんなご指導をしておられるかお聞かせ下さい」と質問しました。
園長先生は「私の指導の基本は自由にのびのびでございます」とニコニコ顔で大きな声で答えられました。

すると、アナウンサーが「園長先生、自由にのびのびとおっしゃいますが、連続日本一の賞をおとりになったんだから、なにか特別のことがあるのではありませんか」と再度質問しました。園長先生は、こう言ったのです。

「さようでございます。私の幼稚園はお寺さんでございますから、お絵かきを始める前に正座して精神統一をします。次に、姿勢を正しくして描くことを指導します。その次に、線の引き方や塗り方の基本をしっかり指導します」
ホッとしました。「自由に、のびのび」と描かせたら、連続日本一になれるはずがないからです。

アナウンサーが「自由に、のびのびとではなくて、何かがあるのでは」と聞いてくれたおかげで、「自由に、のびのび」の前に、やるべきことをしっかりやっていることを引き出してくれたのです。正座したり、線や塗り方の基本をしっかり教えてから絵を描かせているという話を引き出してくれたのです。この話がなければ、「自由に、のびのび」だけが一人歩きしてしまう恐れがあったのです。

その日の講演会で、私は次のような話をしました。みなさん、「自由に、のびのび」という教育ほど悪いものはありません。幼稚園の園長さんも、小学校の校長さんも、大学の教授も、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌のマスコミでも、日本中どこでも、子どもの教育といえば「自由に、のびのび」という言葉が飛び出してきます。とんでもないことです。無責任な言葉です。おそろしいことです。「自由に、のびのび」ということ、それ自体が悪いのではなくて、「自由に、のびのび」を間違って解釈している人間が悪いのです。

私は著書でも講演でも「しつけの崩壊」「教育の荒廃」「少年犯罪の多発化」の元凶は、「自由に、のびのび」という教育にあるということを主張してきました。大袈裟なようですが、「自由に、のびのび」が流した害毒は、ペストやコレラのバイ菌と同じです。

三歳くらいまでの幼児には自主性も自発性もない
日本中には数えきれないほど多くの「自由に、のびのび」を指導方針としている幼稚園があります。それなのに、なぜ、「正座」をさせて、「線や塗り方の基本」から教えているお寺さんの幼稚園だけが連続日本一の栄冠に輝いたのでしょう。

その理由は簡単です。お寺さんの幼稚園は、子どもたちに「自由に、のびのび」と絵を描かせているのではありません。お絵かきの前に幼児に精神統一や基本的技術をしっかりと教育しているのです。その結果として、子どもたちは自分の天賦の才能を、「自由に、のびのびと発揮できる能力」を身につけることができたのです。

くどいようですが、「自由に、のびのび」と描かせるのではありません。それではまともな絵が描けるはずがなく、落書程度のものです。賞をもらった幼稚園では、描く前に、基本的なしつけ・訓練・教育をしたから、絵を自由に、のびのびと描けるようになったのです。

三歳くらいまでの幼児には自発性も自主性もありません。ほったらかしにしておけば、それこそ「狼に育てられた少年」のように動物的本能だけが発達してしまうのです。生まれてから五歳くらいまでの間に、自主性や自発性が育つようにしつけをしなければ、世の中に出て苦労するのは子どもなのです。

幼児期のしつけがいかに大事かは、大きな社会問題となっている「学級崩壊」「家庭内暴力」「子どもの非行」を考えれば明らかです。

有名小学校がペーパーテストよりも、行動観察や親の面接を重視するようになったのも、きちんとしつけられている子どもかどうかをチェックするためです。教育は学校でやるから、親はきちんとしつけてくれと言っているのです。

「自由に、のびのび」の放任教育では自主性も自発性も人間性も育ちません。豊かな人間性の養成が先で、その後に、本物の自主性と自発性が育つのです。自由保育・自由教育論の最大の間違いは「幼児は生まれつき自主性がある」と思い込んでいることです。幼児に生まれつき備わっているのは自主性ではなく動物的本能だけです。


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