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『石井式漢字教育 0歳からの脳内開発』より(抜粋)


●漢字で育った子どもの脳は3倍早く動き出す

1996年、電機通信大学の研究室と、NTTの研究所との共同研究によって明らかになったもので、とても興味深い実験結果があります。これは漢字を見たときに、脳がどのように働くかということを科学的に調べたものです。「漢字」を見た場合は、左脳も右脳も一緒に働いていることがわかりました。

ところが「かな」の場合には、左の脳しか働かないのです。しかも、左の脳で働く部分も、漢字のときに働く部分とは、ちょっと場所が違うこともわかりました。この研究ではっきりしたことは、われわれはものを見れば、漢字であろうとかなであろうと、見た瞬間に脳が働くだろうと思い込んでいたのですが、どうもそれは違ったようです。かなと漢字では、脳が働く始動の時間と場所が違うことがわかったのです。

つまり見た瞬間、といっても零コンマ何秒という時間ですが、漢字を見た場合とかなを見た場合では、かなのほうが3倍も時間がかかるのです。ですから、漢字で育った子どもとかなで育った子どもとは、脳が働き出すスタートが違うのです。漢字のほうが3倍も速く活動を開始しているのです。次の2つの文章を比べてください。どちらが早く、かつ正確に意味がわかるでしょうか。

「きよう、とうきょうえきにいもうとをむかえにいきます」
「今日、東京駅に妹を迎えに行きます」

零コンマ何秒という差はささいな違いじゃないかと思われるでしょうが、「ささいな違い」どころではないのです。本を読み出すようになってから、スピードに3倍の違いがあるということは大変な違いです。

私は脳を専門とする学者ではありませんから、くわしいことはわかりませんが、3倍も早く脳が動き出すということは、脳全体の性能も違うように思えてなりません。私たち大人はかなから学習したので、字を見て頭が働き出すのがいつも鈍いのです。そういう意味でも、幼児から漢字教育を始めることは大切です。

●NHKで取り上げた2歳の幼児の漢字力

96年11月に東京で国際会議が開かれました。ここで私は、中国や台湾、韓国の一流の学者を招いて、漢字の重要性を発表しました。中国においても韓国においても、漢字を覚える能力は幼児期が高いということが認められてきました。ことに中国本土では、大変な勢いで幼児の漢字教育が広まっています。北京に国際漢字教育研究会というのができて、私は名誉会長に委嘱されました。石井式幼児漢字教育を中国で普及したいという中国の学者が会をつくり、現在、中国では30万人の幼児が学習しています。

漢字教育は非常に重要である、と同時にその漢字を学習する最適の時期は幼児期である、ということを世界中に広めることがこの会の目的です。世界中の幼児教育は、まだ“成熟優位”の学説から抜け切っておりません。成熟優位というのは、年をとればとるほど学習能力は向上していくから、成熟を待って学習させるという考え方です。これが世界の幼児教育の基本的な考え方といっていいでしょう。

では、いったい生後10か月の赤ちゃんには、どうやって覚えさせるかと思われるでしょう。もちろんまだ1歳にもならない子どもですから、いくら「目」や「耳」と漢字を教えても口では言えません。ですから文字を書いて見せるのです。赤ちゃんは、耳という言葉を頭で受け入れることができなくても、文字は覚えることができます。信じられないかもしれませんが、ゼロ歳でも可能です。幼児は言葉が言えないうちから、漢字を識別することができるのです。

NHKの『くらべてみれば』という番組で、2歳の子どもにこんな実験をしました。まず、子どもたちにいろいろな絵を見せます。その絵の裏には、一方は漢字、もう一方はひらがなで単語が書いてあります。6人の子どもを半分に分けて、カードを何回か教えてから読ませて比べたのです。読むカードは3枚です。その結果は、漢字で習った子どものグループは、3人とも100%読めました。ところが、かな組は30%しか読めませんでした。

もちろん30%でも大したものだとは思いますが、この差は単に100%と30%の違いではなくて、漢字のほうが覚えやすいことを実証したのです。私が教えた中では、幼稚園の子どもでも漢詩をスラスラ読みます。このように、子どもは早くから漢字に対して興味を持ち、反応を示すということをわかっていただきたいのです。


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