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『石井式漢字教育 0歳からの脳内開発』より(抜粋)


●なぜ、脳障害児は漢字が読めたのか

脳障害児や精神薄弱児の場合、言葉に対する反応が鈍いのが一般的な傾向です。言葉を教えても脳に蓄積されません。ところが、漢字を与えると、びっくりするほど吸収します。たとえば「猿蟹合戦」の話をしたとします。「猿」「蟹」「蜂」「栗」「臼」という漢字のカードを書いておきます。「山から猿さんがトコトコと下りて来ました。川が流れていて、その川の中から蟹さんがジャブジャブジャブと岸に上がってきました。山から下りてきた猿さんと、川から上がってきた蟹さんがひょっこり出会いました」

というように話を進めていきます。「猿さんが・・・・」というところで、「猿」という漢字カードを見せます。蟹の話のところでは「蟹」の漢字カードを見せます。こうして話が終わった後で、これらの漢字カードを見せると、ちゃんと読みます。今までひらがなも読めなかった子どもが、「猿」や「蟹」という漢字は容易に読めるのです。

脳障害児の場合、どうしても言葉が少ないのです。これを増やしてやらなくてはいけないのです。目に輝きがないのは、脳が働かないからです。頭を使うことを覚えれば、目の輝きが違ってきます。今の日本では、脳が弱いという理由でかなしか教えませんが、この子たちにとって、つかみどころのない抽象的な「かな」は非常にむずかしいのです。

どんなに足の弱い子だって、使っていれば足の筋肉が発達して足は丈夫になります。ところが足の弱い子どもは走ったり歩き回ったりすることが嫌いです。ところが、10メートル歩ける子に毎日10メートルずつ歩かせていれば、そのうち20メートルの距離を歩けるようになるのです。

脳も同じです。初めから過大なことをやってもできません。脳に障害がある子どもにとって、かなを覚えることは、たいへん無理な仕事です。苦痛です。そういうことを要求されるから嫌になってしまうのです。このため、1年たっても「い」の文字ひとつを覚えることもできないのです。ところが、漢字はその場で覚えてしまいます。自分で覚えることができるから、たいへんな喜びを感じます。

これを毎日やっていれば、自然と障害のない箇所の脳が働いてきて、目に輝きが出てくるようになります。漢字を覚えて本が読めるようになると(漢字が読めるようになると、かなやカタカナは自然と覚えるようになりますが、これは後で説明します)、ますます頭が回転してきます。つまり漢字によって、脳の別の部分が代替えしてくるのです。言葉をつかさどるのは左脳ですが、漢字の場合は右脳も働いています。とすれば、もし左脳の一部に欠陥があったとしても、右脳で補うこともできるわけです。


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