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校長インタビュー

暁星小学校校長

佐藤正吉さん



●ペーパー難関校とは思っていません

――御校はペーパー難関校といわれていますが‥‥。
佐藤 まあ、ペーパー難関校というより、一次試験で受験者約600名のうち二次に進めるのが200名くらいしかいないこと、そして、一次試験はペーパーの成績だけで決まる、つまり、父親が卒業生などのいろいろな事情は一切斟酌しないということから、厳しい=難関校というイメージが強いのかもしれないと思っています。

私自身、本校に来てから2年目であり、それ以前は公立校の校長をしておりましたが、港区という中学受験の激戦地で教育に携わってきたこともあって、本校のペーパー問題は他校の入試問題と比較したり、私自身、問題を解いてみましたが、ことさらに難関校といわれるほどむずかしいとは思っていません。

短時間に答えなければならないなど、いろいろな理由から難関校といわれていることは承知していますが、一次試験では一定の学力をもつ子を求めているとご理解いただきたいと思っています。

――御校の募集定員は120名ですが、競争倍率はどれくらいですか。
佐藤 受験者数約600名ですから5倍というところでしょうか。内部進学を含みますから、一般の倍率は7〜8倍ですね。

――幼稚園からの内部進学(約40名)は無条件で進学できますか。
佐藤 いや、かつてはそうでしたが、22年4月以降に入ってくるお子さんからは必ずしも100パーセント進学できるわけではないと事前にご説明しています。小学校への進学に際しては一般の受験生と同じように試験を受けていただきます。

その結果、何人かは進学できないというケースも出てくると思いますが、小中高の12年間、わが子を暁星に託していいのかどうかを、小学校入試を機にもう一度考えていただきたいと思っています。例年、お父さんが転勤したとか、あるいは幼稚園は2年保育ですから、この間に、たとえば男女共学に通わせたいなどの理由で小学校進学をやめたというケースもあります。

●出題の狙い=「入学してほしい子ども像」

――ペーパーテストの出題の狙いはどの辺にありますか。
佐藤 ペーパーテストは、スピーカーから一斉に放送された質問を聞いて、答えるというスタイルですから、試験が始まったら、気持ちを切り替えて、集中して質問を聞き、理解し、答えなければなりません。その辺のメリハリが必要です。質問を聞き逃したりどうしていいか戸惑ったりしている子には、補助の教員が対応しますが、まずは話を集中して聞くことができる、それが大切です。

それから出題意図ですが、具体的な出題例を出してお答えすることはできませんが、どんな学校でも出題の狙い=「入学してほしい子ども像」だと思います。マナーに関する問題が多ければ、家庭できちんとしつけられている子が欲しいということでしょう。昔話を題材にした問題を毎年出題するのであれば、小さい頃から昔話を読んであげたり話してあげているかどうか、その辺の親と子のありようを知りたいというでしょうね。

――御校は高校までの一貫校です。中学高校に行ってから伸びる子かどうか、その辺も意識して問題をつくっているのですか。
佐藤 ペーパーテストだけでなく、二次の行動観察や運動についても、こういう問題なり課題に対応できる子が欲しいという意図のもとに問題をつくっています。「足きり」のためにペーパーテストを実施しているわけではありません。
――出題ジャンルがコロコロ変わるということはありませんか。
佐藤 ええ。当然です。

●学力ではなく、学習の習慣が身に付いているかどうかが問題

――幼児教室では暁星の出題傾向に対応した指導をしていますから、一次試験に関してはペーパー問題に慣れた子が有利ということになりますね。

佐藤 幼児教室で練習しているような問題はできるだけ出さないようにしています。というと、意識的に幼児教室の指導とは逆の問題をつくっていると誤解されると困るのですが、そんなつもりはありません(笑)。基本的な方針として、ここまではだれでもできるが、ペーパーの問題をたくさん勉強してきても対応しにくいような問題も意識して盛り込ませてあります。

たとえば、おまんじゅうを人数分に分けるというときでも、受験を意識した決まり切った方法ではなく、いろいろな解き方があることを気づかせるような育てられ方をした子が有利になるような問題です。

ですから、ペーパー難関校だからとペーパー問題ばかりを勉強させるのではなく、中学高校に行ってから成績が伸びるような育て方が暁星のテストには役立つと思います。ほとんどの子は大学受験をしますから、中学高校で伸びる可能性をもった子が欲しいという思いをもっています。

将来伸びるかどうかは、単にペーパー問題の数をこなしてきたというのではなく、もっと基礎的な、集中力があるとか難しい問題には果敢に取り組むような精神的な逞しさがあるとか、あるいは着眼力や想像力、ひらめき力、気づき力、そういったものが家庭の中で自然に身に付いている子のほうが中学高校に行って大きく伸びる可能性が高いと思います。

――中学高校に入ってから伸びるような育て方というのは‥‥。
佐藤 将来伸びるかどうかは10歳までの学習力で決まると思っています。学力ではなく、学習の習慣が身に付いているかどうかですね。学習力というものは家庭で決まります。いちいち勉強しなさいと叱らなくても、自分から進んで机に向かう子というのは、やはり家庭でしかできないことです。

●那須合宿では10キロ以上歩かせます(4年生)

――ところで学校行事の年間スケジュールをみると、合宿がやたらと多いですね(笑)。
佐藤 4月から10月までの半年間に、ほぼ毎月のように那須合宿(学年別)が組み込まれています。いきなり一年生から合宿が始まるのではありませんが、2年生になると合宿を体験させます。那須の合宿ではどこへ行くのも歩きです。4年生では10キロ以上、5年生では茶臼岳登山も行います。

子どもの中には歩き慣れていない子もいますし、総じて小さい頃から外で体を使って遊ぶなどの体験が少ないと言えます。また便利で快適な環境で育った子どもですから、耐える、我慢する、頑張るという体験が少なくなっています。合宿を通じて困難なことに耐える、我慢する、挑戦する心を育てるようにしています。

――子どもを庭に出すときは蚊除けスプレーを使っているお母さんも少なくないようですが、そんなひ弱に育った子は困ると‥‥。
佐藤 都会には蚊やアブはいませんからね、ひ弱だと一概に決めつけられません。ただ、ひょろっとした子にはしたくないと思っています。

――暁星といえばサッカーといわれるほど、サッカーには力を入れていますね。
佐藤 ええ。昭和39年10月、「男子らしい覇気を養成する」という目的でサッカー部が創設されました。保護者向けの設立趣意書には、「サッカーを通して児童に気力を養成し、勉学にもその根性を発揮させ、「勉強とスポーツ」の両立することを身をもって知らせることを目的」とするとあります。サッカーを通して学力優秀、品行方正な児童育成を目指しており、成績が落ちた児童は、練習参加を認められないという厳しい環境の中で精神性を培うようにしています。

――御校には、「困苦や欠乏に耐え、進んで鍛練の道をえらぶ、気力のある少年以外は この門をくぐってはならない」という教育方針があります。「やる気」と「鍛練」を重視していると思いますが、今の時代、過激ですね(笑)。
佐藤 小学校6年間というのは人生の土台をつくる時期だと思います。小中高の12年というスパンを通して考えると、この時期に何を学ぶか、どんな過ごし方をするかでその子の人生は決まると言っても大げさではないと思います。高い学力と心の鍛錬はクルマの両輪みたいもので、どちらか一方があればいいというものではないと思います。とくに高い学力は心の鍛練なしには達成できないと思っています。むろん「規律」も大事です。ですから、生活指導も厳しい学校といわれています。

――しつけに厳しい女子校の校長先生から聞いた話ですが、休み時間になると、子どもたちが猛牛のごとく廊下を走り回ると苦笑いしていました。
佐藤 微笑ましいというか、ある面、廊下歩行は永遠の課題ですね(笑)。

●体を動かすことが好きかどうかがポイント

――行動観察や運動のテストでは、積極性や協調性などのほかに、精神的にたくましく育っているかどうか、運動神経は発達しているかどうかもチェックしますか。
佐藤 暁星はサッカーを校技にしているほどスポーツには力をいれていますが、だからといって、ボールを上手に扱えなければいけないということではありません。何かができたかできないかという単純な評価もしません。

抽象的な言い方になりますが、体を動かすことが好きかどうかがポイントになります。先ほど申し上げたように、入学して6年間の間に何回も合宿があったり、スポーツ活動に熱心に取り組んでいますから、体を動かすことはあまり好きではないという子は本校には向いていないかもしれません。運動能力が優れているというより好きかどうか、その辺を見極めたいと思っています。

ペーパーテストの時間は30分程度ですが、行動観察や運動テストは3倍の時間を使って観察しています。行動観察は20人ぐらいの子どもが一緒に動きますが、積極性や協調性の有無、体験したことのないことに意欲的に取り組むことができるか、その辺を見ています。

考査中だけでなく、親御さんから離れて試験会場の体育館に行くところから、終わって親御さんのもとに戻るまでさまざまな面を見ることになります。子どもが戻って来たとき、お母さんがどんな態度を示すか、どんな言葉がけをするかなども参考になります。

●志望理由は必ず聞きます

――御校の願書には志望理由の欄がありませんが、志望理由は重視していませんか。
佐藤 いや、逆です。保護者面接はお子さんが二次試験を受けている間に実施しますが、たいていの場合、なぜ本校に志願していただいたのかをお聞きしています。本校の教育方針とお子さんとの接点もお伺いします。ただしお父さんが卒業生とか兄が在学しているなどが備考欄に書かれてある場合には、改めて志望理由をお聞きすることがないこともあります。

また、本校はキリスト教の理念に基づく教育をしていること、宗教教育がカリキュラムに組み込まれていること、さらには先ほど申し上げたような合宿やスポーツ活動に積極的に取り組んでいることなど、そういう学校であることをご理解の上で志願されたのかどうかを念押しのためにご説明するようにしています。

――保護者面接の結果は合否にどの程度影響しますか。
佐藤 まあ、わずかな時間ですし、皆さん、事前に練習されていますから、きちんとお答えいただいています(笑)。いちおう、どのようなお人柄なのかを確かめさせていただく程度のことです。

――学校に対する理解の度合い、あるいは熱意は評価の対象になりますか。
佐藤 首都圏の場合、私立小学校フェアが開催されますが、ここには2歳のときから参加していて、どうしてもこの学校に入れたかったとか、暁星のこういうところがうちの息子にあっているから志願したなどと具体的にお話をうかがえるとうれしいですね。そういうご家庭のお子さんに来ていただきたいと思います。

志望理由に関してご両親に申し上げたいことは、なぜ暁星にお子さんを通わせたいのか、よく考えた上で志願していただきたいのです。小中高の一貫校だからとか、サッカーが好きだからとか、有名大学への進学率がいいとか、まあ、そうした理由もあるでしょうが、わが子は将来どんな生き方をして欲しいのか、どんな大人になってもらいたいのか、まずそこからスタートして、だから暁星を志願したというところまで考え方を煮詰めてほしいですね。
――ありがとうございました。




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