●幼稚舎の試験は息子次第だという気持ちが強かった
――幼児教室は何人くらいで授業を受けていたのでしょうか。
通常は八人です。クラスには女の子もいましたが、女の子は落ち着いていて話し方が上手だなと思いました。私自身、女のきょうだいしかいないので、男の子は元気すぎると思いました(笑)。
――絵本の読み聞かせは、どんな内容のものを選んでいましたか。
主に昔話を選んでいました。毎日、私が選ぶ昔話と息子が選んできた絵本の二冊を読みました。昔話と言っても、硬い感じではなく、かわいい絵本になっているので息子も楽しんでいました。リビングのソファで三十分くらい読み聞かせをしていました。
――絵本を読むときはどんなことに注意しましたか?
ええ。できるだけ感情を入れるように読みました。息子が、わぁ怖いと絵本に隠れるくらいの口調で読んでいました(笑)。
――お子さんは自分で絵本を読むこともありましたか。
いえ。自分で読むようになってきたのは受験が終わってからです。ました。
――幼稚舎の厳しさはどのくらい理解していましたか。
受験者が二千人以上いますから、競争が激しいことは理解していました。でも、幼稚舎の試験は面接やプリント問題がなく、息子次第という気持ちが強かったので競争倍率の高さはそんなに気にしてはいませんでした。息子をそのまま見てもらうしかないと思っていましたが、ただどの辺りを見てもらっているのか、それがわらないので不安でした。
――夏期講習は受けましたか。
ええ。午前中の十一時から午後の五時までを数日間連続で受けていました。息子が行きたくないと言ったらどうしようと不安はありました。このため、幼児教室に行く前に、ちょっとでも時間があれば、公園に行ったり、雨が降ったらデパートに寄ってカブトムシの博覧会に連れて行ったりしました。
――合宿にも参加しましたか。
二泊三日の合宿に参加しました。とても心配だったのですが、息子は楽しかったらしくて(笑)。ここの幼児教室は、小学校三年生まで合宿に参加できるので、息子はまた行きたいと言っています。
――幼児教室の先生から幼稚舎受験について、アドバイスはありましたか。
先生からは、幼稚舎なら、こういう感じの試験が出ていますよといった出題傾向を聞いていました。授業では、幼稚舎の試験に出そうなものを中心に進めてもらいました。幼稚舎だから、子供をこう育てなさいとか押し付けることはありませんでした。
――家で行動観察対策をしましたか。
着替えを一人で完璧にできるようにしました。ゲーム一つでもルールを守ってやりなさいとか、人の話を最後まで聞きなさいということを言い聞かせました。
●試験内容は幼児教室の先生から聞きだしてもらいました
――受験当日、お子さんはプレッシャーを感じていましたか。
あまりなかったと思います。息子は、ペーパー問題がないことを知っていたので気持ちはラクだったと思います。それに幼稚舎が最後の最後でしたので、友達と仲良く先生の話を聞いて楽しんでらっしゃい、と送り出しました。息子は試験の手順がわかっていたのか、息子はいつもと変わりありませんでした。幼稚舎の時も私は落ち着いていられました。
――ご主人はお子さんに何と言っていましたか。
楽しんでおいで、と。これまでやってきたことを出すしかないので、後は運だと思っていました。
――試験から戻って来たお子さんをどう出迎えましたか。
「お帰りなさい」です。息子は「とても楽しかった」と言っていました。試験内容は試験後に幼児教室に寄って、先生から聞いてもらいました。
――なぜ、お母さんから試験内容を聞かなかったのですか。
本当は真っ先に聞きたかったんですけど、最初のテストのとき、テストを終えたばかりの息子に、どんな問題だったか、あの問題は出たか、ちゃんとできたかとしつこく聞いてしまったんです。また、同じように聞いたら息子が嫌がるかなと思ったので、教室の先生に、「先生から聞きだしていただいたほうが息子も内容を話しやすいと思います」とお願いしました。
――どんな試験内容だったのですか?
梱包用のプチプチや画用紙を使って、自分の考えたキャラクターを作ってみんなの前で発表したと言っていました。幼児教室の先生からは、すごく楽しそうに話してくれたので、試験も楽しく取り組んでいたと思いますとおっしゃっていました。息子は試験を受けた中で幼稚舎が一番楽しかったと先生や私に言っていました。すごく調子が良かったんだと思います。元気すぎて羽目をはずさなくて良かったです(笑)。
●日々の生活で必要なことは、早くから教えた方が良い
――受験について、ご主人と話し合うことも多かったですか?
子供が寝てから、勉強を投げ出さなければいいねと話し合っていました。難しい問題が出てくると息子の表情も暗くなってきますし、これわからないんだよね、と自信をなくさないで欲しいと思っていました。そうなる前に、主人に相談して、ストレスの発散方法などを話し合っていました。たとえば、ちょっと行き詰まったかと思ったら、今週は、外で遊ぶことをメインにしようとかですね。
――お子さんにはスランプがありましたか。
年長の夏前くらいに少しありました。難しい問題も増えて、毎日が忙しくなってきましたから疲れた表情になってきました。当時は、受験間際だったので、私も力が入ってしまって、口出しが多くなったこともあります。間違った問題や少しでも目のつくところは黙っておけないことが多かったのです。
――お子さんの表情の変化に気付いたとき、どうしました?
ええ。言いたくても黙っておこうと思いました。私が落ち着かなければ、息子が疲れてしまうと気付きました。
――先にしたほうが良いことはありますか。
何を先にしたほうが良いかは、はっきりとは言えませんが、いろいろな物事を同時に始める必要はないと思います。複数のことを同時にできる子供ならいいのですが、そうでなければ、子供のストレスに繋がってしまいますから。洗濯物をたたむことなど、日々の生活で必要なことは早くから教えたほうが良いですね。今では、私が言わなくても、次男は長男を真似して自分が脱いだものはたたんでいます。
――下のお子さんが、お兄ちゃんと一緒に幼稚舎に通いたいと言ったらどうしますか。
そう言ってくる時期が来たら考えます。その子の性格で勉強の仕方も違うと思います。長男の経験があるといっても自信はありません(笑)。
――下のお子さんのときは冷静に見てあげられそうですか?
ええ。私も長男の受験を通して勉強になりましたから。次男の受験には、余裕を持って挑みたいと思っています。これは早めにやっておいたほうがいいのかな、これはこの時期でも大丈夫なということを選別していこうと思います(事例3 完)。