「来年、受験を予定していますが、何をどうしたらいいかわかりません」
「まだ2歳ですが、今から何をしたらいいでしょうか」
「書店で問題集を購入しましたが、この先1年でこういう問題ができるようになるのかとても不安です」
この時期になると、新たに小学校受験を目指すお母さん方からのお便りをいただきます。そのつど作文を書いてみてくださいとお勧めしています。意外に思うかもしれませんが、「書く」ことによって、「なぜ小学校受験をする気になったのか」「志望校をどこにしたらいいのか」「わが子をどう育てたいのか」「今からどんな準備をしたらいいのか」といったことが見えてくるようになります。
まだ志望校が決まっていないという段階なら、「なぜ小学校受験をする気になったのか」をテーマに書いてみます。「公立小ではいじめが心配」「中学受験に不利」「受験競争に巻き込まれたくない」といった内容になると思いますが、最初のうちは、1000字どころか100字程度で終わってしまうかもしれません。志望校が決まっていないために、私立に行かせたいという理由と、わが子をどう育てたいかという部分の接点がないために書く材料がないのです。
具体的に志望校が決まっているなら、「なぜ、この学校に通わせたいのか」というテーマで書いてみます。「両親のどちらかが志望校の出身者だから」「近所の子が通っているから」「大学までの一貫校だから」「通学に便利だから」「中学受験に有利だから」「女房がここがいいと言ったから」でも、何でもいいのです。この学校に入れたいと思ったきっかけを書いてみます。このテーマでも、実際に書いてみると、数行で終わってしまうかもしれません。志望校と家庭の教育方針の接点が明確でないためです。
もう、お気づきのことと思いますが、この作文づくりの延長線に願書と面接対策があります。「願書・面接対策」というと、入試直前に考えればいいのであって、まず幼児教室探し、ペーパー対策が先と思うかもしれませんが、実は、「願書・面接対策」を先に考えていただきたいのです。どの学校でも願書に「志望理由」を書かなければなりません。「志望理由」の欄がない学校でも、面接では必ず志望理由を聞かれます。
学校側が「志望理由」にこだわる理由は、志望校のことをどれくらいわかっているのかを知りたいためです。私立校の多くは、独自の教育方針をもっていますから、入学後にこんなはずではなかったとクレームを付けられては困ります。このため、最初から「うちの学校のことはどれくらいわかっていますか?」と念を押しているのです。
「うちの学校のこと」というのは、建学の精神とか教育方針だけとは限りません。学校説明会や運動会などの行事に参加を呼びかけているのは、どんな保護者が受験するのかも知ってほしいのです。入学後はさまざまな形で保護者同士の関わりができます。「こういう人たちとおつき合いをすることになりますが、よろしいですか?」という意味合いもあります。
多くの場合、「志望理由」を書く欄は、文字数にして4〜5行(200字前後)ですから、決まり切ったことしか書けないのが実際です。しかし、面接ではきっちり聞かれます。学校案内に書かれているような答えだと、その場で突っ込まれるか、一夜漬けの理解度と見なされ、お子さんの足を引っ張ることになりかねません。「そこまで本校を理解した上で受験してくれたか」と思わせるには、それこそ2000字3000字分の材料をもっていなければならないのです。