「白紙の子」って何? どの程度一般化している言葉かわかりませんが、「白紙の子」という言い方があるようです。受験する学校に何もコネがなく、実力だけで合格する子供のことです。多くの有名校の場合、白紙の子は1割前後と断言する人もいます
合格者の9割が何らかのコネがあるというのはちょっと大袈裟なようですが、その学校の理事長のお声掛かりとか校長の親戚といったケースもあれば、姉や兄が通っているケースもコネに含めています。また、幼児教室の紹介状も有力なコネの一つですから、あながち大袈裟とも言えない数字です。
なぜそんなに多いのかというと、学校と何らかの関係がある親の場合、学校のことをよく知っているために有利だということです。多くの学校が面接の際に、志望理由を聞くのは、どれくらい学校のことがわかって受験したのかを知りたいためです。教育方針が合わなければ、子供にとっては苦痛の6年間となります。途中退学になりれば学校側もイメージダウンになります。
「学校を知ってほしい」というのは、何も教育方針ばかりではありません。どんな家庭の子供が多いのかも知っておく必要があります。神奈川県下の2LDKのマンションに住むある父親から聞いた話ですが、もっとも驚いたのは、お友達の間で誕生日に「お呼ばれ」があることです。最初に娘さんが招待された家は、部屋数が7つか8つもある豪邸だったようです。別のお友達の誕生日では、ベランダで数人が丸テーブルを囲んでパーティができる高級マンションでした。娘の誕生日のときはどうするか、頭が痛いと言っていました。
もし、受験生の姉か兄が通っている学校を受験するなら、こんなはずじゃなかったと文句をつけられることもないし、親の経済力もわかっています。学校行事に協力的な親かどうかどうかもわかっていますから、学校側も安心できます。受験する子供に何も問題がなければ合格させるでしょう。親が卒業生でも事情は同じです。また、学校関係者の紹介者の場合でも、その辺の不安の多くは解消されているから、当然、合否を決める際は有利になります。幼児教室の紹介も有力なコネです。その幼児教室の指導を受けた子が入学後に優秀だったら、学校側もコネクションの一つとして重視すると思います。
その点、「白紙の子」は、どんなに優秀であっても合格させるには慎重になるようです。まず、親がどんな人かわかりません。経済状態も仕事も内容から推測するしかありません。そのために面接があるとは言っても、10分足らずでは具体的なことはほとんどわからないのが現実です。願書や「見た目の印象」を頼るしか判断材料はないのです。毎年のように、何百人もの親子を面接しているから、学校側の眼力は確かという人もいますが、人間の目というのは、そんなにアテになるものじゃありません。
ある学校関係者の話ですが、なぜこの子を合格させたのかと校長が激怒したケースがあったそうです。いったい誰が合格と判断したのかを調べさせたら、当の校長が◎をつけていたそうです。そういうことがあるから、氏素性がわからない「白紙の子」は慎重にならざるを得ないのです。
ただ、今回の連載でもたびたび紹介するように、「白紙の子」が合格したケースは少なくありません。また、コネがあっても落ちるケースはたくさんあります。そもそも学校関係者の子供ばかりを集めたら、いろいろと弊害が出そうです。ある有名校の場合、学級崩壊現象が出始めていると聞いていますが、あり得る話です。ですから、学校関係者に何もツテがなかったとしてもあまり神経質になる必要はありませんが、お子さんの成績が同点の場合、ツテがあったほうが有利であることは事実です。何もツテがない人にとっては腹立たしいことかもしれませんが、私立を受験するということは、そういうことなのです。