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アナック教育研究所 岩瀬恭子さん



第2回


子どもの可能性は無限ではない
 

 最初に小学校受験を目指すなら、まず家庭環境の改造が必要だと申し上げましたが、現代の家庭の中には子どもの意欲を阻害するような要因があまりにも多いのです。
 子どもがやりたくないお稽古事を無理強いしていないか、理解できないようなしつけをしていないか、何事も親のペースで子どもを引っ張り回していないか、テレビに子守りをさせていないかなどです。
 子どもの可能性は無限だと言います。しかし、この言葉は嘘です。子どもの可能性は有限なのです。子どもは何でもできる、上手に指導すればいくらでも可能性があるというのは誤解です。ここをしっかりと理解してほしいのです。教育とは子どもの有限な可能性をどう上手にロスなく引き出すかということにかかわってくるのです。
 その際に問題となってくるのが家庭環境です。家庭の中の親子の力関係はどうなっているのか。もともと素質のあるお子さんの場合でも、ご両親のパワーが大き過ぎると、子どもの性格を内向的につくりあげてしまうことが往々にしてあります。子どもは自分の持っているエネルギーを完全燃焼させないと前に進めないのですが、ご両親のパワーがそれを阻害してしまうのです。
 親のパワーというのは、意識的、無意識的に、親が一方的に子どもに押しつけるという形で表面化します。英語を習わせたい、ピアノを習わせたい、スイミングも、幼児教室も・・・・もし、お子さんの能力がそれらを消化できる状況でなかった場合、子どものエネルギーは不完全燃焼のままで分散され、どれもこれも中途半端な状態で使い切ってしまうのです。その結果、アレルギーを起こしたり、情緒不安定になったりという状況になってしまうのです。
 子どもの能力は無限だと思っているから、お母様方は何でも大丈夫だろうと思って与え過ぎてしまうのです。
 子どもの能力は有限だといっても、子どもの能力はこれしかないというのではなく、適切な指導と長い時間をかければかなりの可能性はあります。しかし、子どもは体力も精神力も限られています。泉のように無限にエネルギーがわき出るものではありません。自分の子どもはどのくらいのパワーがあって、どのくらいの持続力があるのか、ここをまずしっかりつかんでから、何を与えたらいいのかを選択することが大事なのです。

「教育ママであった祖母」の経験は通用しない 

 最近のお母様方の生活はどういうわけか大変忙しいのです。お子さんに接する時間はたっぷりあるようでいて実際はとても少ないのです。
 専業主婦の方でも、お子さんのために使う時間はあまり多くないのです。そのため、お母様に子どもの要求をきちんと受け入れる態勢がなかなかできないのです。
 朝、お子さんを幼稚園に送って行った後、家に帰って家事をする方もいらっしゃいますが、そのままお友達とどこかへ出掛るお母様も少なくありません。外に出掛けなくても、家の用事が多いのか、幼稚園に子どもを迎えに行くときはバタバタ過ごしてしているようなのです。お母様が忙しいというのは、子どもにとってはあまり快適な環境とはいえません。
 また、最近のお父様お母様というのは、教育ママであったおばあさまに育てられた世代です。とくに小学校受験を強く指向している方は、ご自分が教育ママに育てられて小学校受験に失敗した方、あるいは成功してよかったという二つのパターンに別れます。
 成功した方は、教育ママに育てられた教育の仕方しかわかっていません。教育的な効果を上げる家庭教育というものが、教育ママであったおばあさまを中心にして浸透しているのです。学習効果を高めるにはどうしたらいいか、それだけですべて物事を考えてしまうのです。しかし、現在の小学校受験は教育一辺倒な家庭で育った子どもでは対応できないのです。
 抽象的な言い方ですが、「あったかいお母さん」というか、子どものやることに手を出さなくても目は離さないという母親がいいのです。学校はそうした家庭で育った子どもをほしいと思っているのです。言い換えると、管理された子どもは敬遠される傾向が強いのです。
 ところが今の家庭には、子どものいいところも悪いところも受けとめるというあたたかい母親がいないのです。
 何かができるからあの子はいい子だ、できないから悪い子だというところにしか、子どもの価値基準がなくなっているのです。それはたいへん恐いことです。
 むろん、頭脳が優秀であれば、ほかのことは目をつぶるという学校もありますが、ペーパーテストを廃止する学校が増えていることや、行動観察の評価を高めるといった最近の入試傾向を見ると、勉強だけさせて受験突破すればすべてのことはハッピーという考えは通用しないようです。

なぜ「座っていられない子ども」が増えたのか 

最近は「座っていられない子ども」がとても多くなっています。わずか五分でも座らせることがむずかしくなっています。叱って無理に座らせるような育て方をすれば、いずれどこかで歪みがでます。
 塾や幼児教室ではおとなしく座っていても、幼稚園で悪さをするとか、家に帰ってお母様にぶつけるとか、いちばんやさしく受けとめてくれる人や場所でその歪が噴き出ます。
 幼児期のうちに、きちっと座るという環境をつくることが、まず先決です。子どもがおとなしく座るのは、心が落ちついているときです。そうなればペーパーをやらせても集中できるのです。
 おもしろがってできる5分間と無理強いされた30分間では、5分のほうがはるかにいい結果が出ます。ですから、子どもが自分から座りたくなるような環境をつくる必要があります。本来、幼児期はどんなことにも興味をもつ時期です。関心を示すと、座りなさいと親がいわなくてもきちっと座ります。座っていられないというのは、要するに、子どもが嫌がることを強制していることが多いのです。
 子どもがじっと座っていられないのは、一つのことに集中して興味をもてないためです。これは学習していく上で大きな問題です。集中できなければ学習効果は上がりません。
 その原因はいろいろあるでしょうが、一つにはお母様が家庭の中で落ちついた存在ではないということです。お母様というのは、家の中でどっしりと構えていて、お子さんは楽しいことも悲しいこともお母様に話せるというのが、母親のいちばん大切な役割だと思います。
 最近の子供は自分がどういう態度をしたり、どういうことを言えば母親に気に入ってもらえるかは百も承知です。いい子を演じるのです。なぜ小学校に入る前の子どもがそんな気遣いをするのか。させたのか。お母様方にはそこをよく考えてほしいのです。
 子どもが授業を受けている間、お子さんが教室に入ってしまうとさっさとご自分は近くの喫茶店へ行ってしまう方がいます。お子さんの状態が普通であれば、それでもいいのですが、ふだんと違うようなときは、お子さんの状態をよく見ていてもらいたいのです。こういう場合、お母様には「部屋の近くで待っていて授業の様子を聞いていて下さい」とお願いします。お子さんの姿は見えなくても、ドアの外でお母様が待っていてくれるということが安心感につながります。
 先生が何をどう教えたら、子どもはどんな対応したのかを聞いていてほしいのです。私どもの対応の仕方と子どもの反応が、お母様と一緒にいるときと違う場合は、なぜ違いがあるのかをわかっていただきたいのです。
 そうすると、たいていのお母様は、お子さんがお母様の顔色をうかがっていることに気づきます。母親の顔色をうかがうような子どもにしてはいけないのです。


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