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麹町慶進会 島村美輝さん

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第1回


●友達のいない子は合格がむずかしい

小学校受験に成功するには、子どもに良い友達がいるかどうか、これが大きなポイントになります。幼児期には、親がつきっきりの部分と子どもたちだけで遊ぶ部分をバランスよくミックスして体験させないといけません。しかし、最近は一人っ子が多く友達と遊ぶ機会が少なくなっていますから、それが偏ってしまう時代になっています。

昔のように、一歩外に出れば友達が集まってくるということはほとんどありません。幼児期は同じ年頃の子どもと外で遊ばせたほうがいいとわかっていても、友達はいないし外に出れば交通事故が恐いから、ひとりでは遊びに行かせられない。それに公園や遊園地など、同じ年頃の子どもがいるところに連れて行っても、昔の親はちょっとぐらい年齢が違っても、あるいは多少乱暴な子どもがいても一緒に遊ばせたけれど、最近の若いお母さん方はこだわるんですね。

ぶたれたりしてケガをしないか、変な言葉を覚えないか、そういったことにやたら神経質になってしまうから、どうしても過保護になってしまう。そのため子どもが孤立してしまう。子どもを何人も育てたお母さんはわかるのですが、最初の子どもを育てたときよりも、二人目三人目のほうが育児は楽です。手を抜くというより抜かざるを得ないのですが、逆に、それが子どもにとってはプラスになっている。病気もしないでちゃんと育つ。

これには過保護にならなかったという理由もありますが、実は、上のお子さんの影響が大きいのです。一般的に、二番目の子どものほうが歩き出すのも早いし、言葉も早い。知恵のつき方も早い。これはお兄ちゃんなりお姉ちゃんが身近にいて、その影響を受けているからです。それと同じように幼児期に大切なことは身近に友達がいるということだと知っておいてください。このことが小学校受験にも大いに役立つということは言うまでもありません。

友達がいないという子どもが必ず何人かいます。本人はいると思っているのです。ところが、一緒に遊んでいるときは何かおもしろそうにお話をしているんですが、「誰とお話をしていたの」と聞くと名前がわからない。一緒に遊んだということではなく、ひとり遊びと同じです。これはお友達じゃないんです。

こういう子は、小学校受験でいうと行動観察系の試験に不利です。だから、友達をつくってあげることが幼児教室の役割として非常に大事になってきます。ここをお母さん方にはよく理解してほしいですね。幼児教室で勉強していると思っていらっしゃるけれど、私どもが一番大事にしていることは友達をつくってあげることなんです。

行動観察というと、運動やゲーム、指示行動だけだと思っているお母さん方が多いんですが、絵画も制作もその一つです。絵画や制作の試験で学校は何を評価するかというと、指示通りに完成できたかどうかも大切ですが、その作業をやっている過程も評価の対象になっています。

絵画には自由画もあれば課題画もあります。たとえば志望校で何年か前に運動会の絵を描きなさいという問題が出されたとすると、運動会の絵を描けるように練習する、これがお母さん方の発想です。しかし、同じ問題が出るはずもないし、そもそも絵画には事前対策はありません。絵を描くための体験がどれくらいあるかです。どんな問題が出ても、それを素直に絵にできる体験が必要です。その体験とは、まさに家庭での生活体験であり、そして友達の影響なんです。

●乱暴な子、いじわるな子がいてもいい 

少人数指導とか一対一の個人指導が良いと思っているお母さん方が多いのですが、これは、はっきり言ってリハビリのようなものです。集団の授業についていくための指導です。こと幼児教育に関しては、最初から最後まで個人指導というのは僕は反対です。

集団でやればすべて教育効果が上がるかというと、やはり集団教育にも適切な人数があります。一般的に幼児教室の生徒の数は一人の先生に7〜8人というケースが多いと思いますが、メインの先生が一人、アシストが3、4人で25人ぐらいの生徒を一緒に指導するのがいいと僕は思いますね。

生徒が7人というと、たしかに細かいところに目が行き届くのですが、この人数では、友達の影響を受けることが少ないのです。20人や25人になると、例えば、あるテーマで子どもに絵を描せて、それを壁に張り出して子どもに説明してもらうと、そこで子どもたちは新鮮な刺激を受けます。えっ、あの子はこんな絵を描くのかと驚く。運動会の絵であれば、うちの幼稚園にはこんな飾りなかったとか、そういうことを知って子どもは刺激を受けます。

友達がいないとか少ないという子どもは、親が子どもの友人関係を狭めてしまうのが原因です。自分の波長に会わないとか、層が違う親の子どもとはお友達にさせようとしないから、子どもが孤立してしまうのです。言葉はきついですが、これは最悪の子育てです。

小学校受験をするなら、まず、そこを直すことです。直すというと大袈裟になりますが、要するに、他の子と一緒に遊ばせることから始めなければいけません。お友達ができれば必ず変わります。

しかし友達との関わり方にもいろいろ問題があって、気の合った、仲良しの遊び友達がいっぱいできれば良いというものでもありません。友達の中には乱暴な子も必要です。いじわるな子も必要です。ある有名な学校の先生が、「友達同士の間では乱暴な言葉をどんどん使いなさい」と言っているぐらいです。ただ、大人に口をきくときは使い分けなさいとおっしゃっている。

これは大事なことで、子どもはなかなか使い分けができないのですが、それをさせるのが親の教育、しつけです。それを自然な形で小さいときからやってほしいのです。

家庭は「個の教育」ですから、その一方で「集団の教育」が必要になります。集団の教育とは、ハンカチ落としであったり、影踏みであったり、要するに、みんなで一緒に何かをやろうということですが、子どもは、そうした集団の遊びの中から社会性を身につけて行きます。



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