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合格請負人の技

麹町慶進会 島村美輝さん


第4回


●志望理由が明確でないと合格はむずかしい
 
聖心や雙葉、青山、学習院のような有名校の場合、志望した理由がしっかりしたものでなければ合格はむずかしいでしょう。志望理由が「一流校だから・・・・」では入れません。例えば青山と学習院というのは、まったく学校の体質が違います。どうして子どもをそこに入れたいのか、これを自分の考え方できちんと言えないかぎりは受かりません。

志望理由をどう書いたらいいか、口でどう説明したらいいか。合格するためには、この親に育てられた子どもならぜひほしいと学校側に思わせなければなりません。それには受験する学校を熟知していなければならないのです。しかし、正直言って、父兄にはそこまで要求するのは無理です。

そこで、プロの出番があるのです。私たちはその学校に通ったことがなくても、どうしてあの子が青山に入ったのか、もしくはどういうお父さんやお母さんだったら青山に入れたのかということを数多くの合格例から体験的にわかっています。ご両親の学歴、職業、住んでいる地域も含めて、どういうご家庭なら受かりやすいかもわかります。

その学校に全く波長が合わない家庭もあります。なのに青山に行きたいという親もいらっしゃるけれど、その場合、お子さんの将来を考えたら、合わないですよと申し上げるしかありません。

例えば、お父さんは子どもを東大に行かせたいと思っているのに、お母さんは青山を希望していたとしましょう。この場合、子どもがお父さんの遺伝的な資質をより多く受け継いでいるのであれば、青山を受けさせるのは適当ではないのです。暁星や成蹊向きになったりするわけです。

しかし、どうしても奥さんの希望で青山を受けさせたいというのであれば、失敗させるわけにはいきませんから、試験日の調整がつく暁星と青山の両方を受けてもらいます。そうすれば、自ずから合ったところに入ります。五歳の秋を泣かせずにすみます。

その学校に合う合わないは経験でわかります。ご両親の面接を通じて、親御さんの生い立ちも含めてどの学校を出たか、どの地域で育ったか、全部お話の中で聞き出します。学歴も関係あります。離婚していると不利だといわれていますが、離婚された方は絶対に入れないわけではありません。うちでも離婚経験者の子どもでも毎年合格しています。

ただ、条件があります。まず収入が安定しているということを学校側がわからなければいけません。もう一つは、仕事をしているのであれば、子どもの世話は誰がするのか。この子どもを預かっても大丈夫だということが明確に相手にわかるように説明できなければいけません。また、母親が仕事をしていなくてもしていても、学校行事に参加できて、他の子どもと同じように学校生活を送らせるだけの配慮ができる親かどうかもチェックされます。その辺が理解できていれば受かります。

●ドアを開けた瞬間に合否が決まる
 
ご父兄が一番気にしているのは両親面談だと思います。学校にもよりますが、やはり皆さんが望むような一流校の場合は、家庭環境や教育方針だけでなく、親の立ち振る舞いもチェックされます。理屈で説明がつくものではなくあくまでも感覚的なものです。

ドアを開けて中に入った瞬間、このご父兄はうちの生徒の親とは違うなと、その時点で受験者の三分の一は判断されると思ってください。曖昧模糊とした言いようですが、ある一定の層のご父兄とばかり付き合っていれば、このご父兄はうちに合う合わないというのはすぐにわかります。

「どうぞお座り下さい」と言われて、マニュアル本では父親が先に座るのか子どもが先かと書いてありますが、そんなことはどうでもいいことです。足を組んだり、腕組みをして相手の話を聞くというのは論外ですが、やはりその人のもつ雰囲気というか、そういったものを見られているわけです。奥様の和服の捌き方、座るときの足の姿勢、こんなものは一朝一夕でつくれません。

だから、ご父兄によっては、「両親面談のない学校にしませんか」と申し上げることもあります。これから一年間もしくは半年で、面接試験にパスするには相当な努力をしなければいけませんよ、今までの三〇年四〇年の人生を引っ繰り返すぐらいの努力をしなければならないですよということなのです。

つまり半年や一年では、三〇年なり四〇年の人生から醸し出る独特の空気というか雰囲気を変えるのはむずかしいということです。そうすると、やはり既に出来上がっているもので勝負するしかありません。あとはそれに磨きをかけるだけです。例えば、ある学校を受けたいと思ったら、その学校に入学させたい明確な理由をご両親共に固めなければいけません。

「どうしてこの学校を希望されているのですか?」と聞かれて、環境が良いし、通学時間も三〇分だからなどと答えたのでは落ちてしまいます。どうしてもこの学校に入りたいという理由を学校側は聞きたいわけです。それに相応しい家庭か子どもかを見たいのです。

そこで、学校側を納得させるだけの志望理由があるかどうか。願書に書けるか。語れるのか。自分たちで調べられるのならそれで結構です。例えば親戚やお友だちにその学校に行っている方がいるとか・・・・。ただ、その方にとっての学校観でしかありません。それだけに頼っては危険です。それをするくらいなら私に聞いて下さいと言います。それはあくまでもプロの仕事ですから。

志望動機については八月から九月にかけて書いて提出していただきます。場合によっては全面的に書き直してもらうこともあります。書き方として問題があるないというよりも、ある程度自分の考えがはっきり出ていればいいわけです。枝葉のことは問題ではありません。一読して伝えたいことがわからなければもう一度書き直していただきます。

内容はわかっても奇麗事ばかり書いているのも困ります。学校説明会やお友だちから聞いたような話を書いている方も書き直していただきます。自分はこういう考えがあるからこの学校に入学させたい、もしくは親の教育観や子育て観、生きざまはこうだからこの学校に入れる意味があるということが書かれていなければ、内容のある面談にはつながりません。


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