連載企画 願書・面接資料の書き方

第9回


学校説明会の感想文を送ったら内定!

学校説明会に参加したときの感想文を学校に送ってもいいか、という問い合わせをいくつかいただいています。1つは、北海道にお住まいの方です。2年後に生まれ故郷の大阪に戻る予定で、去年と今年の2回、志望校の学校説明会に参加したところ、学校から、アンケート記入のお礼状が着ました。去年もお出でいただき‥‥云々の添え書きがあり、このきめ細かい対応に感心したのでお礼状を出したいが、わざとらしく思われても困るので迷っているというのです。もう1つのお問い合わせは、前々からわが子を○○校に入れたいと思っていたが、学校説明会に参加し、その思いがいっそう強まった。校長先生の話や授業を参観してたいへん感動したので手紙を出したい。でも、逆効果になっては困るというものです。

お二方には、手紙をお出しになってもいいと思うと申し上げました。というのは、各校とも学校説明会を開くのは、できるだけ多くの保護者に参加してもらって、学校のことをよく知った上で応募してほしいためです。そのために何ヶ月も前からいろいろな準備をしていますから、保護者の反応を知りたいのは当然のことです。校長先生の話のどんな点がよかったのか、授業を参加してどんな感じだったか、学校のいろいろな施設・設備にはどんな印象をもったのかなど、具体的に、こういうところがよかったとほめられれば、こんなうれしいことはないでしょう。

お問い合わせをいただいたお二方が心配しているのは、入試が有利になると思って手紙を出したと勘ぐられても困るという点ですが、そんな心配は無用です。ほめられたからと言って、入試の際に手心を加えるようなことはないでしょう。ちなみに2校の校長先生に電話で聞いてみたのですが、「けっこうです。たいへんありがたい」とのことでした。また、「熱心な保護者として印象に残る」とのことです。そんなに神経質に考えることはありません。

思った通り、感じたままを書いたらいいと思います。ただし、下心ミエミエの手紙にならないように気をつける必要があります。教職員の応対はすばらしいものだった、授業中、よそ見をしている子どもは1人もいなかったし、先生の指導力には感心した、高学年の授業を見て、4〜5年後には、わが子はここまで成長しているのかと感動すら覚えた‥‥とせっかくほめ言葉を羅列しても、結局は、わが子を売り込みたいための手紙じやないかと思われたのでは、手紙を読んだ人の心証が悪くなる恐れもあります。

どうせ手紙を書くからには、こういう保護者に応募してほしいと思わせたいものです。学校説明会の感想を志望校の校長宛てに出したら、折り返し、校長からお会いしたいという電話が来たというケースがあります。手紙を出して2〜3日後といいますから、手紙を読んですぐ電話をしたのでしょう。この学校は競売率が10倍近い人気校です。しかも、縁故入学が多いことで知られた学校です。コネがまったくなかったにもかかわらず、1通の感想文で内定をもらったようなものです。学校説明会の感想文には、結果として、そうした効果があることも知っておいてください。次回は、内定をもらうというのはムリにしても、「熱心な保護者として印象に残る」感想文の文例を紹介します。





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