■立教小学校合格 小林正さんにお聞きしました
●面接はありのままでいこうという気持ちで望みました
――どんな準備をしましたか。
小林 受験関連の本を読んだり、それなりの心づもりはしていました。
――ご自身は面接を受けるという経験はあったんですか。
小林 会社に入る時だけですかね。就職活動は三回していますから、面接慣れしていました(笑)。
――親が原因で失敗するわけにはいきませんね。
小林 その点が一番ストレスになりました。結果が子供に跳ね返るわけですから。
――面接では何が心配でしたか。
小林 何をするにしても、綿密に準備をするタイプじゃないんです(笑)。でたとこ勝負です。
――それでなんとかなってきたんですね、今まで。
小林 ええ、小学校の面接に関しても、基本的に自分の考えだけまとめておけば、十分だと。マニュアル通りに答える必要はないと思っていました。学校側も、私がしゃべる言葉尻をつかまえてどうこうといういうわけじゃなく、私という人間を丸ごと見るんだろうと。そもそも付け焼き刃は通用しないと思っていましたから、ありのままを見てもらえばいいという気持ちで望みました。
――幼児教室の模擬面接を受けて、何か注意されましたか。
小林 質問に忠実に答えようとしなくてもいいですよと。面接を通して、質問されたことに一〇〇パーセント答えられるかを見ているんじゃなくて、生活態度などを見たいということだと。間違えてもいいし、的外れな答えになったとしても、気持ちがこもってればいいですよ、とアドバイスをいただきました。
――本番の試験ではどんなことを聞かれましたか。
小林 志望理由とか、日頃どういうふうに子供と接しているか。子供の長所はなんですかという質問もありました。
――お子さんの長所をどう答えたんですか。
小林 人とすぐ仲良くなれると。
――ご自身、面接はうまくいったと思いますか。
小林 そうですね。
●試験という言葉に押し潰されるような子ではでは、合格はムリだと思いました
――お子さんは試験を受けに行くということがわかっていましたか。
小林 ええ。わかっていたと思います。立教小学校の説明会に行った時に、「この学校に行きたいな」って子供が言ったんです。その時に「試験に受からなければ行けないんだよ」という話はしました。その後も、何かの折に、「僕はこの学校に入れたらいいな、でもだめかもしれないな」というようなことを言っていましたから、試験次第では入れないということは知っていたと思います。
――お子さんには試験という言葉は使ったんですか。
小林 使いました。
――プレッシャーになりませんか。
小林 ええ。
――どうしてですか。
小林 そんな腫れ物に触れるような育て方はして来なかったつもりです。試験という言葉に押し潰されるようでは、そもそも合格はムリだと思うし、かりに受かったとしても、入学した後、みんなについては行けないと思いますね。
――なぜ、感情的にならずにできたんですか。
小林 子供を相手にカッカするはずもないでしょ(笑)。それに、五歳の子供がペーパーの問題を間違えたところで、そんなことはどうでもいいとは言いませんが、ささいなことです。問題が解けないことよりも、叱ることでストレスを与えることのほうがデメリットが大きいですよ
■田園調布雙葉小学校合格 河井繁子さん 河井良一さんにお聞きしました
●面接で大切なことは、子育てに関する意見が両親で一致していること
――その時期、受験に関する情報はどの程度もっていましたか。
河井(父) 全然なかったですね。娘を幼児教室に通わせている以外は、特に受験の準備のようなことはしていませんでした。
河井(母) 受験する年の六月に、こちらの教室で面接の模擬試験を受けたんです。一回目の模擬面接は、富士チャイルドの校長先生に見ていただきました。
――どんな注意を受けましたか。
河井(父) 僕は話をするときに身振り手振りが多いんですが、案の定、ジェスチャーは控え目がいいと(笑)。どうしても出ちゃうんですよ(笑)。
――何を質問されるか、事前に聞いていましたか。
河井(父) ええ、でも、ありのままでいいと(笑)。それで不都合があったら、これはこう答えたほうがいいですよって教えてくれるはず、そのための模擬だと思っていました。だから変に小細工しないで、とりあえず、真っ白な状態でぶつかってみたんです。
――どうでしたか、一回目の結果は。
河井(母) 主人の言うことと私の言うことが食い違っていたり、主人が何を言い出すかわからなくてハラハラするし、散々でした。主人の意見との擦り合せが必要だと感じました。
河井(父) 面接で大切なのは、面接に関するテクニックではなく、子育てに関する意見が両親で一致していることだと実感しました。
●一か月間、夜中の二時くらいまで毎晩のように話し合いました
――注意されたのは、アクションを控え目にという点だけですか?
河井(父) 最初は、かしこまって、身体を堅くしていたら、ちょっと小さくなりすぎるとか言われて、それからネクタイの柄はもうちょっと控え目がいいとか、通学路を聞かれたときは子供の足で実際に通った場合の時間をなるべく正確に答えたほうがいいですよとか。ほぉー、そんなもんなのかと(笑)。
――オーバーアクションはどう直しましたか。
河井(父) 手が出ないように、膝のあたりをちょっと摘んでいました(笑)。
――二回目の模擬面接はどうでしたか。
河井(父) 非常にいい評価をいただきました。
――何を言い出すかわからないという心配はなかったですか、本番で(笑)。
河井(母) それはないです。一か月間、夜中の二時くらいまで毎晩のように話し合いましたから(笑)。教育方針とか宗教に関することとか、子供の長所短所とか、話し合ったことをすべてメモしました。
――そんなに話し合う必要があったんですか。
河井(母) あるんですよ。なかなか終わらなかったんです。面接のときに聞かれるであろう質問に対して、どう答えたらいいか、どんなことを聞かれても両親の意見が食い違わないように話し合いをしましたから。
河井(父) 答え方一つで、普段の親子関係がわかるらしいので、「笑っているときが楽しいです」というよりは、「お風呂の中でこうやって、ああして」と、具体例を出したほうがいいとか。じゃ、その例は何にするかと一つひとつ挙げて、我が家なりの解答を準備したから、たいへんな作業だったということです。
河井(母) 全部で四校です。試験慣れも必要だと思いましたので。最初がだめで次が合格。そして、三つ目の本命で合格をいただけました。
――最初に失敗したとき、ショックでしたか。
河井(母) 本人はけろっとしてましたけど、私は落ち込んで大変でした。もう、これで志望校も絶対無理だと悲観的になってしまって‥‥。でも日常の家事はやらなければいけないので、落ち込んでばかりはいられない状態でした。
河井(父) 次に受験したところが合格したので、今までやってきたことが一つ形になったような気がしました。三つ目の本命は二日間試験があったんですが、僕が連れて行きました。終わった後、どんな問題が出たのって聞いたら、箸で豆を掴むという問題があって、七個しかできなかったって言うんです。「君は何歳だ?」「五歳」「じゃあ五個できればいいんだよ。七個もできたんだから、よくできたね」「じゃ、よかったんだ!」と。わからない問題はあったかと聞いたら「茹でるものと炒めるものという問題がわからなかった」というんです。
河井(母) キッチンで茹たり炒めたりするたびに、娘に見せてあげていたのに(笑)。こういう問題が答えられないということは、家でお手伝いをしていないと思われたんじゃないか、いや、そんなことはない‥‥でも、幼い子を抱えながらキッチンに立つのは大変なのだから‥‥とかいろいろと考えれば考えるほど落ち込みました(笑)。本当にあの時はキッチンに立つたびに溜息が出ていました。
■M小学校合格 中田美紀子さんにお伺いしました
●「外で遊びます、と言いなさいね」と言っておいたのに‥‥
――両親面接はどうでしたか。
中田 親子面接があったんですが、大変でした(笑)。吉田先生のところで三回くらい模擬面接を受けました。何を質問されても良いように普段から考えをまとめておいてくださいと言われていましたので、主人と話し合う時間をかなりとりました。
――ご主人は面接に対応できましたか。
中田 大丈夫でした。最初の模擬面接のときは全然だめでしたが。父親に対しては、普段あまり考えていない子育てについて細かく聞かれます。最初、主人は、それについて説明するための整理ができていなかったようです。模擬面接の前に、こういうことが質問されるのよとは、まったく教えていなかったものですから。
――どうして教えなかったのですか。
中田 先生からもらった資料は渡していたんですが、見なくても大丈夫だと言っていたのです。じゃあ、どうぞと(笑)。まあ、ありのままの姿を先生に見てもらおうかなと思いましたので。ちょっと恥ずかしかったですけれども(笑)。
――どんな質問に答えられなかったんですか。
中田 「お子さんを将来どのような人に育てたいですか」といった類の質問ですが、あらかじめ考えをまとめておかないと答えにくい質問です。一般的に、男性の場合、「元気で伸び伸びと」というのがほとんどなので、「どんなふうに?」と具体的に聞かれてとまどったようです。
模擬面接が終わった後、夫は、先生から質問されたプリントをいただいて、それに対して全部自分で解答を用意しなければいけないと真剣になっていました。先生からも「子供も見られますが、親もかなりチェックされます」と言われて焦っていたようです。
――でもご主人はビジネスマンですから、面接がどういうものかわかれば、上手に対応するのではないですか。
中田 ええ。意外でした(笑)。本番では私のほうが緊張してしまい、完璧な受け応えをしようとして、かえって何も話せなくなってしまいました。むしろ主人のほうが上手に話していました。面接では、マニュアル通りは良くないといわれていますが、ある程度は覚えておかないと、的確に答えられないと思います。
――お子さんには、どんなことが質問されましたか。
中田 「普段、お父さんとどんなことをして遊びますか?」という質問に対して、「ブロックで遊びます」と答えていました。実は「外で遊びます、と言いなさいね」と前もって言っておいたんですが、ありのままを話していました(笑)。それから「お母さんに叱られるのは、どんなことですか?」と聞かれると思ったのですが、「お母さんが悲しむことはなんですか?」と聞かれたのです。すると娘も間が空いてしまったのですが、「お約束を破ったこと」と答えたと思います。
面接以外にも考査試験が別の日にありまして、ペーパーテストと、子供達全員でフルーツバスケットをして、バスケットの中に何が入っているか質問されたり、共同画を描いたりする試験がありました。行動観察は、好きな道具で遊んでくださいというテストです。本人は自由時間がたくさんあって楽しかったと言っていましたが、先生方は娘の細かいところまで見てくれていたのでしょう。
――試験会場まではご両親と一緒に行ったのですか。
中田 ええ。会場まで緊張をほぐすためにいろいろな話をしました。普段から公開テストを受けていましたので、そのときと同じように話をして、試験と感じさせないようにしました。私たちも緊張していましたけれど‥‥。