去年のケースをチェックしてみましたら、添削担当者とのやりとりが多くなっている原因の一つは、「志望理由」がネックとなっています。みなさん、何を志望理由にするかというと、「学校説明会に参加させていただいたとき、校長先生の何々というお話に感動しました」というケースがとても多いのが実際です。
校長先生の話だけでなく、在校児童の礼儀の良さや作文や絵画などの作品のすばらしさなどに感動したというケースも多いですね。これではいけないというのではなく、多くの志願者が同じようなことを書きますので、面接官の印象には残らないというのが弱点です。
もう1つ、学校説明会に参加するまでは、本校への入学を強く希望していたわけではないということですから、明らかに学校研究がかなり進んでいるとおもわせる志望理由がほかにあれば、面接官の心証はそちらに傾きます。当たり前の話です。
志望理由が曖昧とか平凡というのは、合格しても入学する気がない受験者とみなされるリスクがあります。お子さんの成績が「合格圏内」に入っていても、志望理由が曖昧という減点要因があったために不合格というケースもあり得ます。願書は合否にはいっさい関係ありませんといわれていますが、逆です。大いに関係しているのが現実です。
志望理由が曖昧な文案が送られてきたとき、添削担当者は「なぜその学校にお子さんを通わせたいのか」をしつこくおうかがいします。説得力のある志望理由が出てこないときは、たとえばカレンダーの裏は何も印刷されていませんから、それを目につきやすいところに張って、なぜこの学校に通わせたいとおもったのか。どんなことでもいいから、おもいついたつど書いてもらいます。有名校だから。通学に便利。制服がかわいい。高校まで無試験で進級できる・・等々。
こうして、志望理由を20も30も書いて行くと、そのうち、お父さんから、子どもを通わせている同僚から、カリキュラムがユニークな学校という話を聞いたことがあるなどという「メモ」が書き込まれるかもしれません。
まあ、それやこれやで60回とか70回のやりとりになるということです。そんなヒマはないという場合は、むろん、しつこく無理強いはしません。
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