作文が好きという人はほとんどいないと思ってください。ある人は、箇条書きでメールを送ってきました。たとえば、こんな感じです。
テーマは「わが子の長所」。
1つ、元気です。
2つ、負けん気の強い子です。
3つ、明るい性格。
「わが子の長所」は、この3つだけでは、書けたとしても平凡です。試験官なり面接官の記憶にはのこりません。
「元気です」を例にとって、どう講座を進めたかを説明します。
まず、どう元気なのかをお伺いしました。たとえば・・と参考例をいっぱい書いて返信しました。風邪をひいたことはないか。幼稚園を病気で休んだのは何日くらいか。運動は何が好きか。駆けっこは早いか。お友達は何人くらいいるか。お友達とケンカすることはあるか・・10項目くらい書いて、それに答えていただくというスタイルですすめました。
風邪を引いたことがない。幼稚園は一度も休んだことがない。運動は何でも好き。お友達はたくさんいる。ケンカをしても、泣いて帰ったことはない・・ここまで聞き出すと、子供の長所を、たとえば「元気」をメインにして文章をまとめることも可能です。でも、まだ、平凡です。
「元気」という言葉に関連して、何でもいいから思いつくことをどんどん書いてメールで送って欲しいとお願いしました。50項目を超えた中に、この言葉がありました。
「毎朝、父親と一緒に庭につくった土俵で四股を踏んでいます」
この一行を見たときに、このお子さんは合格するかもしれないと思いました。面接官は、願書や面接資料の中からどんな質問をしたらいいのかを探します。もし願書の中で「毎朝、父親と一緒に庭につくった土俵で四股を踏んでいます」という記述を見つけたら、面接官の多くは、もっと聞いてみたいと思うのではないでしょうか。話がわき道に逸れましたが、この質問者のばあい、保護者面接では土俵の話題で盛り上がり志望理由を聞かれることはなかったようです。むろん合格しました。
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