はじめての幼稚園・小学校受験



第14回●「優秀な子のもう一つの表情」を見たがる学校側の理由


「ボク、それできる」
「ずっと前から知ってたよ、そんなこと」
そういって、友達の話を遮ったり、大人の話に割り込んでくる子どもが増えています。「だめよ、○○ちゃんのお話がまだ終わってないでしょ。ちゃんと最後まで聞いてあげなさい」と、母親は、いちおうはわが子をたしなめますが、内心では、うちの子は頭の回転が速すぎるんだわと思っているかもしれません。周囲の大人は、すごいね、何でも知っているんだね、偉いねえと誉めます。むろん、社交辞令。子どもは、得意満面、もっとほめてよと言いたげに周囲の大人たちを見回します。「慢心する子ども」が増えているようです。

小学校の先生方が手を焼いているのが、「慢心する子どもたち」の存在です。授業中、いきなり「先生、ボク、それできる!」「知ってるよ、そんなこと」と叫ぶ子どもが何人かいるそうです。「先生の話を最後まで聞きなさい!」と叱ると、「だって‥‥」とふてくされたり、わっと泣き出す子もいます。誉められて育った子は、ピシャと出鼻をくじかれたときに、自分がどんな対応をしたらいいかがわからないのです。

慢心する子どもに共通するのが誉めて育てられた子です。誉めて育てる‥‥子どもの意欲を引き出し、自信をもたせるには誉めるのが一番といわれていますが、一方では、すぐつけあがる子どもたちを生み出していることも忘れないでください。たかだか4〜5歳の子どもです。誉める場面はめったにないはずです。ささいなことで、スゴイ! なんていい子だ! 天才だと褒めちぎっていたら、どんな子ができあがるか目に見えています。これからいろいろなことを覚えたり、経験しなければならない時期に、ボクは何でもできる、知ってると過信したら、これはその子にとって大きな不幸です。

「就学前の子どもに必要なことは素直さです」とある校長は言います。「素直」という、ありふれた言葉をつかわなければならないほど「素直な子」が少なくなっているのかもしれません。競争倍率10倍を超える人気校の校長の口から、この言葉が出たということに注目しています。というのも、現場の先生方の意向が入試問題に反映されるケースが多いからです。「衣服を着替える」というテストを復活させた学校があります。体操の時間に1人できちんと着替えることができない子どもがふえたためということは、容易に想像できます。

「慢心する子ども」の多くは、ペーパーテストの成績はいいし、行動観察や集団行動でも「いい子を演じる」ことができます。高いハードルをクリアして合格したのですから、「優秀な子」です。しかし、今、学校側の目は、優秀な子のもう一つの表情を見たがっているのです。お子さんを慢心させてはいけません。




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