面接で一番大切なことは謙虚さだといわれています。どうか、この子を、そして私どもを御校に受け入れてくださいとお願いする場が面接ですから、謙虚さは当然というわけです。しかし謙虚な親かどうかは、相手が決めることです。こちらがいかに謙虚だと思っても、相手がそうと受け取らない場合もあります。
聞かれてもいないことを答える、しゃべり過ぎなどが、面接官にどんな印象を与えるかはよく考えたほうがいいでしょう。面接に際しては、一問一答の練習は十分だし、言いたいことはヤマほど用意していると思います。クイズ番組のように、面接官が「学校の‥‥」と言っただけで、スイッチオンの状態になってしまう親もいるそうです。「謙虚な親」とは映りにくいと思います。
教育方針を「解説」してしまう保護者も多いようですが、これも注意したいチェックポイントの1つです。学校説明会などで、本校のことをよく理解した上で応募してほしいといわれているため、いかに志望校の教育方針を理解しているかを強調してしまうのです。しかし、どんな考え方で子どもを育ててきたかを説明すれば、あえて、教育方針との一致点を強調しなくても面接官には通じます。「御校の教育方針はナニナニであり、私どもの教育方針ともコレコレで合致しており‥‥」と滔々とまくし立てられると、やはり、押しつけと受け取られかねません。
「本校の出身者として、最近の児童の様子をどうご覧になっていますか」と聞かれて、子どもを取り巻く社会環境が悪化しているために、さまざまな弊害が目につくといったことを答えた中学教師の父親がいましたが、「正論はほどほどに」が無難です。「犯罪の低年齢化」や「キレやすい子どもの増加」といった問題に一番頭を痛めているのは、現場の教師です。答えやすいテーマだけに、ついつい「評論」してしまいがちですが、学校教育の問題ではなく、家庭教育の場でできることは何かに限定して答えるにとどめたほうがいいでしょう。
ふんぞり返った姿勢、足を組む、腕を組む、大袈裟な身振り手振りも、謙虚さからはほど遠いものです。無意識のうちに、椅子の背もたれに背中をつけてしまったり、足を組んでしまうことが少なくないようです。話をしているうちにジェスチャーが大きくなる人もいますが、控え目のほうが無難です。姿勢が前傾になりすぎると、相手に圧迫感を与えます。自分が話をしているときにどんな姿勢になっているかを、ビデオでチェックしておいたほうがいいかもしれません。
学校説明会には出席していない、志望校は妻が決めた、土日は忙しくて子どもの相手をしてやれないと、正直に答えた父親がいました。ふつうは減点の対象になりますが、合格しています。子どもの成績が父親のマイナスをカバーしたのかもしれませんが、たぶん、正直に答えたことが好感をもたれたと思います。緊張して、答えがシドロモドロになっても、マイナス評価をする学校は少ないようです。立て板に水よりもマシということでしょうか。
「こちらの質問に対して、どう答えたかよりも、人柄を見ています」という校長先生もいます。面接とはそうした側面があることを知っておいたほうがいいかもしれません。面接を受ける側は、事前に十分練習していますから、答えられないとか、答えに詰まるということはほとんどありません。どう答えるかよりも、人柄がチェックされているのです。謙虚さが大事という意味合いもその辺にあります。