長所短所B願書への纏め上げ
長所と短所の表現が決まったら、次は学校別の願書に対応する作業です。
「性格を書いてください」という質問であれば、長所だけを書けば良いと思われます。聞かれていないので、短所をわざわざ書く必要はないと思います。記入欄の大きさにもよりますが、長所を2つか、書けそうであれば3つ記述すればよいのではないでしょうか。具体例を簡潔に入れることも忘れないでいきましょう。
「長所・短所を書いてください」という場合は、長所2つに短所1つというのがバランスが良いと思います。「このような良い面があります(長所その1)、こういう良い面もあります(長所その2)、しかしこのような欠点もあります(短所1つのみ)、それにはこのように対応しています(短所に対する親の指導姿勢)」という展開が良いのではないでしょうか。
このように、長所は最低でも2つ記述することが多いのですが、この2つの長所も同じようなことを書くのではなく、違った側面をあらわしているものにすればベストです。お薦めしたいのは、1つは主に自分の中で完結する性格の側面から来る長所を書くことです。例えば、粘り強い、行動力がある、几帳面である、意思が強い、というようなことです。もう一つの長所は、他者との関わりにおける側面から選ぶことです。例えば、友達をつくるのが得意、他者への思いやりがある、協調性がある、というようなことです。
また、学校の好むタイプ、好まないタイプの情報があれば、より学校に的を絞った願書に仕上げることができます。例えば、積極的・活動的な子供を好む学校に対しては、慎重な子供はあまりほしいと思ってもらえないかもしれません。コツコツ努力するタイプを好む学校には、天才型や行動的なタイプはあまりアピールできないかもしれません。
しかし、決して「あの学校は元気な子がすきだから、本当はウチの子はおとなしいけれど活動的と書いてしまおう」などと思い、事実と違うことを書かないようにすべきです。面接や行動観察の考査ではもちろん、試験会場での子供の様子から願書と事実の食い違いは学校にはわかってしまいます。しかし、学校の好むタイプというのも、傾向はあるにしても、100%そのようなタイプを選んでいるわけではないと思われます。というのも、同じような子ばかり入学させていたらクラスの活性化も子供同士の成長もあまり期待できなくなるからです。ですから、あくまでも事実から、学校に合った記述にするという方法で最善を尽くすことが良いと思います。
いろいろと書きましたが、どのような性格だと駄目でどのような性格だと合格に近いということはないのではないかと思います。学校が「子供の性格(長所、短所)欄」で知りたいことは、志願者がだいたいどのような傾向の子供なのかということと、保護者が子供に対して客観的な観察力があるかどうか、ということではないでしょうか。お人形のように子供に接している親では客観的な子供の評価ができないでしょうし、冷静な分析もできないでしょう。願書の記述の仕方からそのあたりがにじみ出るのかもしれません。毎年、数百通の願書を読んでいる校長先生や担当者にしてみれば、このあたりは一目瞭然なのかもしれません。