連載企画 願書・面接資料の書き方

第16回



願書を見直すときのチェックポイント(その1)

そろそろ願書締め切りの時期ですが、提出前のチェックポイントを簡単に申し上げます。市販されている「願書の書き方」の本に掲載されているサンプルや文例をネタにして話を進めます。パラパラと目を通しただけで、誤字脱字や送りがなの間違いが目につきました。

●誤字脱字のチェック
まず、誤字脱字がけっこう目立ちます。サンプルの中に「御校の教育理念に感明を受けました」という記述があり、添削ではノーチェックでしたが、「感明」は「感銘」の間違いです。「○才」は「○歳」のほうがいいでしょう。ある言葉を強調したいときは『』より「」のほうがいいでしょう。「初めて」と「始めて」は使い分けでください。「6年間をとうし」は、ひらがなでは「とおし」です。「基ずく」は「基づく」です。「躾」と「躾る」の別に注意してください。

●脱字・送りがなのチェック
意外と多いのが脱字です。願書に記入するときは、下書きを願書に丸写ししていると思いますが、下書きが間違っている場合はチェックのしようがありません。「感銘を受けした」といった脱字に注意してください。「受けました」と書いているつもりでも、「ま」が抜けているケースが少なくないのです。

送りがなにも注意が必要です。「向って」(正解は「向かって」以下同じ)、「叱かられる」(叱られる)、「関って」(「関わって」)、「取組む」(「取り組む」)、「当り前」(「当たり前」)など。

●漢字よりひらがなのほうがいい場合
「様々な」(さまざまな)、「色々な」(いろいろな)、「○○出来る」(できる)「是非御校で」(ぜひ)、「○○の事」(こと)、「頂きたく」(いただきたく)、「度に」(たびに)、「尚」(なお)などは、間違いではないのですが、ひらがなにしたほうが読みやすいと思います。

下書きはパソコンを使っていると思いますが、パソコンの場合、めったに誤字脱字はありません。しかし願書は手書きですから、うろ覚えのまま下書きを書き、そのまま清書したのではミスは発見できません。わかっているつもりの文字でも辞書で確認するようにしてください。「感明」や「○才」ていどの間違いなら、読むほうも見逃すかもしれませんが、試験官が間違いに気づいた場合、どんな印象をもつかが問題です。そそかっしい人だなと思われたらつまりませんね。

出版社や新聞社の場合、専門に校正するスタッフがいますから、出版物や新聞に誤字脱字はめったにないのですが、それでも丹念に探すとけっこう見つかります。校正を専門にしている友人の話では、漢字はすべて辞書で確かめると言っていました。校正のプロでも辞書を片手に見直しをしています。書籍や新聞に比べたら願書の文字数は圧倒的に少ないのですから、念のために、ややこしい漢字や送りがなは辞書で確かめたほうがいいでしょう。



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