連載企画 願書・面接資料の書き方

第27回

●作文が苦手‥‥





*昔、ある著名な経済評論家に取材したとき、いきなり「何ページの企画か」と聞かれました。○ページ、レイアウト部分を除いて字数は○○○字と答えると、2〜3分待ってと言ってから、一気にしゃべり始めました。15分くらい経ってから、これでちょうど○ページ分と言います。テープ起こしをしたら、なんと2〜3行オーバーしただけです。文章にもほとんど手を入れる必要がありません。こういう器用な人がいるのですね。ところが、この先生、原稿を書かせると、締め切りは守らないし、あまりいい原稿ではなかったのです。書くよりも話すほうがいい文章になるタイプです。

*作文は苦手という人が少なくないようです。ビジネス文は慣れていても、「わが子の長所短所」となるとやはり勝手が違います。願書を前にして、頭を抱えている人もいると思いますが、名文を書こうとは思わないで、とりあえずわかりやすい文を心がけてください。わかりやすい文章を書くコツは「しゃべるように書く」です。たとえば、「子どもの長所短所」であれば、こうです。

うちの子どもはとにかく好奇心が強いですね。町の中でも人だかりがあると、ボクも見たいと叫んだと同時に駆け出すほどです。ダメと叱っても言うことを聞きません。それにいったん言い出すとしつこいというか、自分が納得するまではなぜだ、どうしてだとうるさいのなんの。公園の桜の木の下でサクランボを拾ったときです。食べていいかと言いました。食べても腹痛を起こすことはないので、いいと言いました。パクンと口の中に放り込んだのですが、すぐ吐き出して、なぜ苦いのかと怒ります。木の種類が違うのだと言うと、どんな木なら食べられるサクランボがなるのかと。山形県のサトウニシキという種類の木なら食べられるというと、そこへ行きたい、木に登っていっぱい食べたい‥‥

*こういう調子で、お子さんがどんな子かを思いつくままにどんどん書いて行きます。1つのエピソードで1枚のメモ用紙がいいでしょう。「好奇心が強い」とか「行動力がある」「想像力が豊か」「思いやりがある」「すぐケンカする」「泣き虫」といった言葉がキーワードとして浮かび上がってきます。

この作業はお父さんとお母さんが打ち合わせをしないで別々に書いてください。何日か経ったら、お互いのメモをつき合わせてみます。父親が見たわが子像と母親が見たわが子像の違いに驚くかもしれません。父親のメモには「我慢強い」と書いてあっても、母親の目には「泣き虫」とか「投げやり」と映っているかもしれません。どちらかが間違っているのではなく、どちらも本当です。

*お互いが書いたメモを目の前にして、へえ、こんなところもあったのか、これは意外な発見だなどと話し合ってください。そして、わが子の性格を的確に言い表したキーワードをいくつか組み合わせて文章を組み立てます。記入欄の大きさによって、エピソードをまじえたほうがいい場合もあります。また志望校別にキーワードの組み合わせを変える必要があるかもしれませんが、いずれにしても、いくつかキーワードが出てくれば文章化はそれほどむずかしいことではありません。

*上記の例で短所も書くとしたら、「後先を考えずに行動する」「いったん言い出したら親の言うことを聞かない」等々、これもいくらでも出てきそうですが、「カッとなると暴れる」とか「感情の起伏が激しい」など書いてはいけない短所もあります。その辺は幼児教室の先生が指摘てしくれると思います。自宅学習だけで準備している場合、第三者の意見を聞きたいというのであれば、私どもにお問い合わせください。

*わが子の長所短所を書くのに、ずいぶんと手間暇がかかりそうですが、手間をかければかけるほどプラス効果が大きいのです。というのは、それが面接対策になるからです。「好奇心が強いお子さんと思った理由は何ですか?」と質問されたとき、メモを書くという作業をしたかしないかは大きな違いです。それに、こんな機会がないと、わが子の長所短所などということを夫婦が話し合うことはないんじゃないでしょうか(すみません、余計なことでした)。



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